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愛しているなら
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「お前はなんなんだ。何故私の質問に答えない。なぜ魔神なんてものを急に言い出した。答えよっ」
立ち上がり、ダンダンと床を踏み鳴らしているシオン殿下は、幼い頃と同じに見えます。
これが次の王となるのかと思うと、この国の行く末が心配になってきてしまいます。
『今の王とあの王子は性格がそっくりだな』
『どういう事でしょう』
魔神はにやにやと笑いながら、お兄様を怒鳴りつけているシオン殿下を見下ろしていますが、陛下はシオン殿下と比べれば思慮深い様に見えるのですが、今のシオン殿下を見て似ていると思うところがあったのでしょうか。
『自分勝手で、相手が自分の思い通りにならなければ力ずくでも思い通りにしようとする。そもそもお前とあの王子の婚約も王が弟を恨んで企んだことだからな』
『私とシオン殿下の婚約は、シオン殿下がお兄様に……』
『あれが無くとも王はお前を王子の婚約者にするつもりだった。知っているか、後にも先にも王が王子を産んだ後に王妃の宮に行ったのはあの時だけだと』
そんな筈は。
でも、そうです。魔神に会った後王妃様は私に言っていたのです。
子を産んだ後は、陛下が王妃と会うのは公の席だけだと。
それが真実なら、王妃様とお母様の私的な茶会だったあの場に陛下がいらっしるのはおかしいのです。
『ですが、私とお兄様の婚約は陛下に認められて』
『一旦は認めて弟を油断させ、甥の婚約者の顔を王妃が見たがっていると王宮に呼び寄せた。そこに王と王子が同席して、王子が気に入った様だから婚約させると王命を出すつもりだったのだ。だが王が何か言う前にあの王子はお前と婚約すると言い出したのだ。お前の兄を従者にされたくないならと脅してな』
なんていうことでしょうか。
子供の我儘を止めなかったのではなく、元々そのつもりだったと。
『似ているだろう。気に入らない相手を苦しめる為なら何でも使う、その考え方がそっくりだ』
『そういう感情もあなたは好きなのではありませんか』
『いいや、私が好きなのはお前の様な心を持つ者だ。前の王妃もそうだった。あの女は残念だ、長く楽しみたかったというのに子を産んですぐに心が死んでしまった』
『私の様な心と言ってもわかりません』
魔神に好かれる事など喜べるものではありません。
私はお兄様をただ愛し、思い続けていただけです。
「王太子として本当には認められていないあなたには、これ以上はお話出来ませんね。あなたがスィートピーと結婚すれば認められないままでも話を聞かされるかもしれませんが。どうでしょうね」
「どういう事だ」
「スィートピーが気に入られるとは限らないと言う事です。もしかしたらと言う可能性もある」
お兄様に王家の真実を私は話してはいませんが、お父様からすべて聞いていたのでしょう。
冷ややかな目でスィートピーを見ながら、多分無理だろうと小さな声で呟いたのです。
『お前ならどちらを選ぶ。今の王妃かあの娘か』
『選ばれない方は死をあなたから賜る?』
『そう、屍は私が飽きるまで王宮に居続ける。楽しい余興だろう』
命が尽きてしまうだけでなく、その死を誰にも知らされることもないまま魔神の気が済むまで王宮を彷徨う。
生きている間魔神に弄ばれ続け、死んでもなお心の安らぎが無いのです。
『どちらも選びません』
『ほお、ではどうする』
『あなたは私を気に入っていたと言っていましたね』
『ああ、今までの王妃や王太子妃達の中ではお前はかなり好ましい部類に入る』
『私はもう死んでしまいましたが、こうしてあなたと話が出来る。それはあなたが気に入ってくれたからですか、それとも他の方々もこうして話が出来たのでしょうか』
『いいや。婚約していてお前が結婚する日を楽しみにしていた、だから暫くお前を側に置こうかと思っただけだ』
つまり、私はそれだけ魔神に気に入られているのです。
『では、私をあなたの妻にしてください。そしてもうこれから先の王妃達を妻にする事をせず、私を最後の妻として永遠に側に置いて下さい』
私の言葉が魔神の予想を超えていたのでしょう、不思議そうな顔で魔神は私を見つめ続けていたのです。
立ち上がり、ダンダンと床を踏み鳴らしているシオン殿下は、幼い頃と同じに見えます。
これが次の王となるのかと思うと、この国の行く末が心配になってきてしまいます。
『今の王とあの王子は性格がそっくりだな』
『どういう事でしょう』
魔神はにやにやと笑いながら、お兄様を怒鳴りつけているシオン殿下を見下ろしていますが、陛下はシオン殿下と比べれば思慮深い様に見えるのですが、今のシオン殿下を見て似ていると思うところがあったのでしょうか。
『自分勝手で、相手が自分の思い通りにならなければ力ずくでも思い通りにしようとする。そもそもお前とあの王子の婚約も王が弟を恨んで企んだことだからな』
『私とシオン殿下の婚約は、シオン殿下がお兄様に……』
『あれが無くとも王はお前を王子の婚約者にするつもりだった。知っているか、後にも先にも王が王子を産んだ後に王妃の宮に行ったのはあの時だけだと』
そんな筈は。
でも、そうです。魔神に会った後王妃様は私に言っていたのです。
子を産んだ後は、陛下が王妃と会うのは公の席だけだと。
それが真実なら、王妃様とお母様の私的な茶会だったあの場に陛下がいらっしるのはおかしいのです。
『ですが、私とお兄様の婚約は陛下に認められて』
『一旦は認めて弟を油断させ、甥の婚約者の顔を王妃が見たがっていると王宮に呼び寄せた。そこに王と王子が同席して、王子が気に入った様だから婚約させると王命を出すつもりだったのだ。だが王が何か言う前にあの王子はお前と婚約すると言い出したのだ。お前の兄を従者にされたくないならと脅してな』
なんていうことでしょうか。
子供の我儘を止めなかったのではなく、元々そのつもりだったと。
『似ているだろう。気に入らない相手を苦しめる為なら何でも使う、その考え方がそっくりだ』
『そういう感情もあなたは好きなのではありませんか』
『いいや、私が好きなのはお前の様な心を持つ者だ。前の王妃もそうだった。あの女は残念だ、長く楽しみたかったというのに子を産んですぐに心が死んでしまった』
『私の様な心と言ってもわかりません』
魔神に好かれる事など喜べるものではありません。
私はお兄様をただ愛し、思い続けていただけです。
「王太子として本当には認められていないあなたには、これ以上はお話出来ませんね。あなたがスィートピーと結婚すれば認められないままでも話を聞かされるかもしれませんが。どうでしょうね」
「どういう事だ」
「スィートピーが気に入られるとは限らないと言う事です。もしかしたらと言う可能性もある」
お兄様に王家の真実を私は話してはいませんが、お父様からすべて聞いていたのでしょう。
冷ややかな目でスィートピーを見ながら、多分無理だろうと小さな声で呟いたのです。
『お前ならどちらを選ぶ。今の王妃かあの娘か』
『選ばれない方は死をあなたから賜る?』
『そう、屍は私が飽きるまで王宮に居続ける。楽しい余興だろう』
命が尽きてしまうだけでなく、その死を誰にも知らされることもないまま魔神の気が済むまで王宮を彷徨う。
生きている間魔神に弄ばれ続け、死んでもなお心の安らぎが無いのです。
『どちらも選びません』
『ほお、ではどうする』
『あなたは私を気に入っていたと言っていましたね』
『ああ、今までの王妃や王太子妃達の中ではお前はかなり好ましい部類に入る』
『私はもう死んでしまいましたが、こうしてあなたと話が出来る。それはあなたが気に入ってくれたからですか、それとも他の方々もこうして話が出来たのでしょうか』
『いいや。婚約していてお前が結婚する日を楽しみにしていた、だから暫くお前を側に置こうかと思っただけだ』
つまり、私はそれだけ魔神に気に入られているのです。
『では、私をあなたの妻にしてください。そしてもうこれから先の王妃達を妻にする事をせず、私を最後の妻として永遠に側に置いて下さい』
私の言葉が魔神の予想を超えていたのでしょう、不思議そうな顔で魔神は私を見つめ続けていたのです。
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※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)
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