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番外編
書籍化記念 あなたへの思いをリボンにこめて(ロージー視点)
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レジーナブックス様のサイトに載せています番外編「いつかあなたに渡せたら」を読んで頂くと、より楽しんで頂けるかと思います。
こちらは本編には無かったキリアン視点のお話です。
https://www.regina-books.com/extra
「キリアン様、この箱の本はもう運んでもいいか?」
トニエ家の客室にずっと暮らしていたキリアン様は、お嬢様との婚約をきっかけに部屋を移ることになった。
お部屋の引っ越しにあたり、お嬢様付きの侍女である私ロージーとメイドのスーとメイド見習いのステラ、護衛のテリーは張り切って荷物運びの手伝いにやって来た。
一年近くこの部屋に暮らしていたキリアン様の私物は少なく、旦那様が他国に留学していた頃に買い集めた本や薬草について書かれた本が殆どだった。
キリアン様は勉強家ね、とお嬢様は惚気のように私に囁いたけれど本当にそうだと思う。
「あぁ、テリー悪いな。本が多いから大変だろう」
キリアン様が机の中身を木箱に入れながら答えると、棚から外に出されていた沢山の本が入った木箱を抱えたテリーは、重さなんて感じないとばかりに笑いながら部屋を出ていく。
スーとステラは、乾燥させた薬草をしまっている木箱をそれぞれ抱えてテリーの後に続いている。
私は窓辺に置いてある植木鉢を運ぼうかな、キリアン様が研究のため育てている言の葉の木が植えられた鉢だから落とさないように気をつけなくちゃ。
「こちら運びま……」
「これは?」
私が植木鉢を持ち上げながら声を出すのと、お嬢様の声が重なって思わず口を閉じた。
お嬢様は棚に置かれた小物を木箱に入れていたけれど、何か見つけたのだろうか。
「あ、そ、それはっ」
お嬢様の手の中のものが何かわかったのだろう。キリアン様は珍しく動揺してお嬢様にかけ寄った。
「触ってはいけないものだったのね。ごめんなさいキリアン様」
「いえ、そういうわけでは」
お嬢様が持っているのは、手のひらに収まる様な大きさで紙に包まれたものだけれど中身が何かわからない。
「これはキリアン様が運んで下さい」
お嬢様も中身が気になるだろう、でも何も聞かずにキリアン様へ渡してしまう。
「これは、その……以前あなたへ贈ろうとして……」
「え、私にですか?」
「はい。でも渡せませんでした。勇気が出なかった、というよりも渡してはいけない気がしたのです」
キリアン様の告白に、私は包まれているものが何かわかった気がした。
「受け取って頂けますか」
「いいのですか? あの、開けても」
戸惑った様子のお嬢様が紙を開くと、中から出てきたのは私の予想と同じものだった。
「リボン? 綺麗な黄色。私の好きな色です」
お嬢様のお気に入りのたんぽぽ色のドレスに似合いそうな、薄い黄色のリボンを手に持ったままお嬢様が嬉しそうにキリアン様を見ている。
「良かった。……買ったは良いものの、ずっと渡せなかったのです。あなたに気持ちを伝えることを諦めていたから、私の想いと一緒にこのリボンも捨ててしまおうと思った。でも捨てることが出来なくて」
「キリアン様、ありがとうございます」
婚約した今ならともかく恋人でもなかったのだから、リボンを渡したらお嬢様の負担になると考えたのかもしれない。キリアン様はお嬢様の気持ちを思ってそうしたのだろう。
「……これ運びますね」
二人のお邪魔になってはいけないと、植木鉢を抱えたままそっと部屋の外に出る。
「お嬢様が幸せそうで嬉しい」
キリアン様の新しい部屋に向かい歩きながら思う、最近のお嬢様は本当に幸せそうだ。
元夫が突然訪ねてきた時はどうなることかと思ったけれど、お嬢様とキリアン様の婚約のきっかけになったからあれはあれで良かったのかもしれない。
お嬢様が毎日笑顔で過ごされているのが嬉しくて、ついつい頬が緩みながら階段を上りかけているとテリーが階段を駆け下りて来た。
「ロージー重そうなの運んでるな」
「テリー早いのね。スー達は?」
「俺が運んだ本を棚に並べてる。今まで並んでいた順に箱に詰めたから、キリアン様の指示が無くても大丈夫そうだからな」
テリーの話に二人なら大丈夫だとうなづく。スーは細かいところにも良く気がつくし、元々ミケーレ伯爵家で掃除等を担当する下女として雇われていたステラは段取りが得意だから、上手くやっていると思う。
「なあ、それ本当に運べるか? 俺が運んでやるよ」
「大丈夫よ。あ、テリー今部屋に行くのは止めたほうが良いと思う」
お嬢様は、キリアン様からの初めての贈り物を受け取ったばかり。
今は二人きりにしてあげたい。
「どうした」
「あのね、前にテリーが言っていたでしょう」
植木鉢が重いから階段の途中に下ろし、そのまま私は階段に座り込むとテリーがつられた様に腰を下ろす。
「キリアン様がお嬢様への贈り物に、随分前にリボンを買ったって」
「あ、ああ。でも結局渡せてないみたいなんだよなあ。俺あの時余計な事を言っちまったから」
キリアン様が町でお嬢様への贈り物を探していた時に偶然テリーが出くわして、それ以後テリーはずっとお嬢様があのリボンをつけるのを楽しみに待っていたらしい。
だけどそんな日は全然来なくて私に聞いて来た。「お嬢様、キリアン様からリボンを受け取ってないのか」って。
「キリアン様ね、ずっと渡せずに持っていたみたい。さっきお嬢様がそれを見つけてね、キリアン様から受け取ったのよ」
「そっか、そうかあ。良かったぁ。キリアン様とうとう渡せたんだなぁ」
テリーは自分のことみたいに喜んでいる。
ちょっと乱暴な話し方をするせいで怖そうに見えるけれど、本当は他人の幸せをこんな風に喜べる優しい人だと思う。
「お嬢様、キリアン様と結婚して今まで以上に幸せになるわね。きっと毎日笑顔で過ごされるのよ」
時々思い出すのは、辛く悲しいばかりだったミケーレ伯爵家での一年。
あの時の私は無力で、お嬢様の力になれなかった。
もうあんな辛そうなお嬢様を見たくない、だから絶対に全力でお嬢様をお支えすると決めている。
「そうだな。お嬢様は幸せになるよ。キリアン様は良い方だ。優しくて頼りになる」
「うん。絶対にそうなるわ。結婚して、可愛い子供達に囲まれて幸せに暮らすの」
「……なあ、ロージー」
私がすぐに来るだろう未来を想像していると、テリーは何故か言い難そうにしながら急に立ち上がった。
「ロージー」
「なあに?」
「お嬢様が結婚したら、きっとすぐに子供が出来るよな。その……そしたら乳母が必要になるよなっ」
「それで?」
何が言いたいんだろう。テリーは顔を真っ赤にして、私を見下ろしている。
「俺は、ずっとこの家に仕えたい」
「そんなの当たり前じゃない。私は死ぬまでお嬢様にお仕えするわよ」
何を当たり前のことを言っているんだろう。だいたいテリーがずっとこの家、トニエ家に仕えるのと乳母は何も関係がないと思う。
「その、俺と結婚してくれないか。俺はその、ロージーと幸せになりたい」
「え?」
今何を言われたのだろう。
誰が誰と幸せになりたいって言ったの?
「テリー、正気?」
「ロージーとは昔から喧嘩ばかりしてたけど、でもこっちに戻って来てからいつもお嬢様のために頑張ってるロージーを見てたら、その、なんだ」
「なによ」
「可愛いって思うようになって、ロージーがキリアン様やリリクと話してるの見てるともやもやしてた」
なにそれ、知らない。
テリー急に何を言い出すんだろう。
「俺じゃ駄目かな」
「か、考えたことないから、そんなの急に言われてもっ」
じぃっと私を見おろすテリーは、なんだか情けない顔をしていた。
怒られて泣きそうな子どもの顔。
テリー、私が駄目って言ったら泣いちゃうんじゃないかな、それはちょっと嫌だと思う。
「急じゃなきゃいいのか。考えてくれるか?」
「か、考えるから時間を頂戴」
今すぐ答えなんか出せないわ、こんな大事なことすぐになんて無理に決まってる。
「……わかった。ありがとうロージー」
「お礼を言われるのも困るわ。……驚かせたお詫びにこれ運んで」
植木鉢を指さすと、テリーは軽々と鉢を抱えて空いてる手を私に差し出した。
「……ありがとう」
テリーの手を掴み立ち上がる。
そういえばテリーは昔から優しかったと思い出す、使用人仲間の女の子たちにテリーが囲まれてるのを見るのは嫌だったこともついでに思い出した。
あれ、私もしかして昔からテリーを好きだったりしたのかしら。
「手、離して」
「やーだーよー」
テリーは私と手を繋いだまま階段を上り始めた。
私たちの様子を階段を上った先でスーとステラがそっと見てたなんて、それを知るまでの時間はあと僅か。
※※※※※※
テリーとロージーはフェデリカ達が結婚する前に夫婦になり、ロージーは見事フェデリカの子供の乳母になります。
こちらは本編には無かったキリアン視点のお話です。
https://www.regina-books.com/extra
「キリアン様、この箱の本はもう運んでもいいか?」
トニエ家の客室にずっと暮らしていたキリアン様は、お嬢様との婚約をきっかけに部屋を移ることになった。
お部屋の引っ越しにあたり、お嬢様付きの侍女である私ロージーとメイドのスーとメイド見習いのステラ、護衛のテリーは張り切って荷物運びの手伝いにやって来た。
一年近くこの部屋に暮らしていたキリアン様の私物は少なく、旦那様が他国に留学していた頃に買い集めた本や薬草について書かれた本が殆どだった。
キリアン様は勉強家ね、とお嬢様は惚気のように私に囁いたけれど本当にそうだと思う。
「あぁ、テリー悪いな。本が多いから大変だろう」
キリアン様が机の中身を木箱に入れながら答えると、棚から外に出されていた沢山の本が入った木箱を抱えたテリーは、重さなんて感じないとばかりに笑いながら部屋を出ていく。
スーとステラは、乾燥させた薬草をしまっている木箱をそれぞれ抱えてテリーの後に続いている。
私は窓辺に置いてある植木鉢を運ぼうかな、キリアン様が研究のため育てている言の葉の木が植えられた鉢だから落とさないように気をつけなくちゃ。
「こちら運びま……」
「これは?」
私が植木鉢を持ち上げながら声を出すのと、お嬢様の声が重なって思わず口を閉じた。
お嬢様は棚に置かれた小物を木箱に入れていたけれど、何か見つけたのだろうか。
「あ、そ、それはっ」
お嬢様の手の中のものが何かわかったのだろう。キリアン様は珍しく動揺してお嬢様にかけ寄った。
「触ってはいけないものだったのね。ごめんなさいキリアン様」
「いえ、そういうわけでは」
お嬢様が持っているのは、手のひらに収まる様な大きさで紙に包まれたものだけれど中身が何かわからない。
「これはキリアン様が運んで下さい」
お嬢様も中身が気になるだろう、でも何も聞かずにキリアン様へ渡してしまう。
「これは、その……以前あなたへ贈ろうとして……」
「え、私にですか?」
「はい。でも渡せませんでした。勇気が出なかった、というよりも渡してはいけない気がしたのです」
キリアン様の告白に、私は包まれているものが何かわかった気がした。
「受け取って頂けますか」
「いいのですか? あの、開けても」
戸惑った様子のお嬢様が紙を開くと、中から出てきたのは私の予想と同じものだった。
「リボン? 綺麗な黄色。私の好きな色です」
お嬢様のお気に入りのたんぽぽ色のドレスに似合いそうな、薄い黄色のリボンを手に持ったままお嬢様が嬉しそうにキリアン様を見ている。
「良かった。……買ったは良いものの、ずっと渡せなかったのです。あなたに気持ちを伝えることを諦めていたから、私の想いと一緒にこのリボンも捨ててしまおうと思った。でも捨てることが出来なくて」
「キリアン様、ありがとうございます」
婚約した今ならともかく恋人でもなかったのだから、リボンを渡したらお嬢様の負担になると考えたのかもしれない。キリアン様はお嬢様の気持ちを思ってそうしたのだろう。
「……これ運びますね」
二人のお邪魔になってはいけないと、植木鉢を抱えたままそっと部屋の外に出る。
「お嬢様が幸せそうで嬉しい」
キリアン様の新しい部屋に向かい歩きながら思う、最近のお嬢様は本当に幸せそうだ。
元夫が突然訪ねてきた時はどうなることかと思ったけれど、お嬢様とキリアン様の婚約のきっかけになったからあれはあれで良かったのかもしれない。
お嬢様が毎日笑顔で過ごされているのが嬉しくて、ついつい頬が緩みながら階段を上りかけているとテリーが階段を駆け下りて来た。
「ロージー重そうなの運んでるな」
「テリー早いのね。スー達は?」
「俺が運んだ本を棚に並べてる。今まで並んでいた順に箱に詰めたから、キリアン様の指示が無くても大丈夫そうだからな」
テリーの話に二人なら大丈夫だとうなづく。スーは細かいところにも良く気がつくし、元々ミケーレ伯爵家で掃除等を担当する下女として雇われていたステラは段取りが得意だから、上手くやっていると思う。
「なあ、それ本当に運べるか? 俺が運んでやるよ」
「大丈夫よ。あ、テリー今部屋に行くのは止めたほうが良いと思う」
お嬢様は、キリアン様からの初めての贈り物を受け取ったばかり。
今は二人きりにしてあげたい。
「どうした」
「あのね、前にテリーが言っていたでしょう」
植木鉢が重いから階段の途中に下ろし、そのまま私は階段に座り込むとテリーがつられた様に腰を下ろす。
「キリアン様がお嬢様への贈り物に、随分前にリボンを買ったって」
「あ、ああ。でも結局渡せてないみたいなんだよなあ。俺あの時余計な事を言っちまったから」
キリアン様が町でお嬢様への贈り物を探していた時に偶然テリーが出くわして、それ以後テリーはずっとお嬢様があのリボンをつけるのを楽しみに待っていたらしい。
だけどそんな日は全然来なくて私に聞いて来た。「お嬢様、キリアン様からリボンを受け取ってないのか」って。
「キリアン様ね、ずっと渡せずに持っていたみたい。さっきお嬢様がそれを見つけてね、キリアン様から受け取ったのよ」
「そっか、そうかあ。良かったぁ。キリアン様とうとう渡せたんだなぁ」
テリーは自分のことみたいに喜んでいる。
ちょっと乱暴な話し方をするせいで怖そうに見えるけれど、本当は他人の幸せをこんな風に喜べる優しい人だと思う。
「お嬢様、キリアン様と結婚して今まで以上に幸せになるわね。きっと毎日笑顔で過ごされるのよ」
時々思い出すのは、辛く悲しいばかりだったミケーレ伯爵家での一年。
あの時の私は無力で、お嬢様の力になれなかった。
もうあんな辛そうなお嬢様を見たくない、だから絶対に全力でお嬢様をお支えすると決めている。
「そうだな。お嬢様は幸せになるよ。キリアン様は良い方だ。優しくて頼りになる」
「うん。絶対にそうなるわ。結婚して、可愛い子供達に囲まれて幸せに暮らすの」
「……なあ、ロージー」
私がすぐに来るだろう未来を想像していると、テリーは何故か言い難そうにしながら急に立ち上がった。
「ロージー」
「なあに?」
「お嬢様が結婚したら、きっとすぐに子供が出来るよな。その……そしたら乳母が必要になるよなっ」
「それで?」
何が言いたいんだろう。テリーは顔を真っ赤にして、私を見下ろしている。
「俺は、ずっとこの家に仕えたい」
「そんなの当たり前じゃない。私は死ぬまでお嬢様にお仕えするわよ」
何を当たり前のことを言っているんだろう。だいたいテリーがずっとこの家、トニエ家に仕えるのと乳母は何も関係がないと思う。
「その、俺と結婚してくれないか。俺はその、ロージーと幸せになりたい」
「え?」
今何を言われたのだろう。
誰が誰と幸せになりたいって言ったの?
「テリー、正気?」
「ロージーとは昔から喧嘩ばかりしてたけど、でもこっちに戻って来てからいつもお嬢様のために頑張ってるロージーを見てたら、その、なんだ」
「なによ」
「可愛いって思うようになって、ロージーがキリアン様やリリクと話してるの見てるともやもやしてた」
なにそれ、知らない。
テリー急に何を言い出すんだろう。
「俺じゃ駄目かな」
「か、考えたことないから、そんなの急に言われてもっ」
じぃっと私を見おろすテリーは、なんだか情けない顔をしていた。
怒られて泣きそうな子どもの顔。
テリー、私が駄目って言ったら泣いちゃうんじゃないかな、それはちょっと嫌だと思う。
「急じゃなきゃいいのか。考えてくれるか?」
「か、考えるから時間を頂戴」
今すぐ答えなんか出せないわ、こんな大事なことすぐになんて無理に決まってる。
「……わかった。ありがとうロージー」
「お礼を言われるのも困るわ。……驚かせたお詫びにこれ運んで」
植木鉢を指さすと、テリーは軽々と鉢を抱えて空いてる手を私に差し出した。
「……ありがとう」
テリーの手を掴み立ち上がる。
そういえばテリーは昔から優しかったと思い出す、使用人仲間の女の子たちにテリーが囲まれてるのを見るのは嫌だったこともついでに思い出した。
あれ、私もしかして昔からテリーを好きだったりしたのかしら。
「手、離して」
「やーだーよー」
テリーは私と手を繋いだまま階段を上り始めた。
私たちの様子を階段を上った先でスーとステラがそっと見てたなんて、それを知るまでの時間はあと僅か。
※※※※※※
テリーとロージーはフェデリカ達が結婚する前に夫婦になり、ロージーは見事フェデリカの子供の乳母になります。
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