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妹の恋の始まり4
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「カレンあなた、まじないの違いを理解しているのなね、それなら神殿であなたが作っている守り袋はどちらのまじないをつけているの? 光の属性それとも聖の属性の方?」
「聖魔法のまじないは、一般の守り袋には使えないと最初に神官に言われましたから、普通のお守りは光の属性魔法の方でまじないをしています。聖魔法のお守りの方は神官が用意した特別なお守りに、指定された効果のまじないをひとつだけつけています。それが何か問題になりますの?」
不思議そうにカレンは答えますが、神官は考えてカレンに魔法を使わせているのだと分かりホッとしました。
でも、そこまで考えているのなら、どうしてその神官はカレンに聖魔法を覚えさせたのでしょう。
それが分かりません。
「それで、殿下に渡そうとしている守り袋はどちらの魔法?」
「聖魔法の方です、そちらでないと複数のまじないはつけられませんから」
胸を張り、カレンは自信満々に答えます。
その答え方に、頭痛と眩暈が私を襲います。
カレンはまじないの違いは理解していても、それを普通の貴族令嬢がどちらのまじないも出来る異常さは理解していないのです。
「カレン、殿下と結婚したいのよね?」
「勿論です。そうでなければ婚約なんて受けません」
きっぱりとそう答えるカレン、そこまではっきりきっぱり気持ちが固まっているのに、どうして事の重大さを理解していないのでしょうか。
「カレン、私は先程まじないを三つ付けられた匂い袋だけでも貴重過ぎる程だと言ったわ。そのまじない三つというのは光の属性のまじないの話よ」
「え? 光の属性のまじないなら、そもそも重ねてまじないを掛けるなんて出来ませんわ。光の属性魔法のまじない用のお守りに使っている素材が強いまじないに耐えられませんから。あら、そういう考えなら良い素材を使えば重ね掛け出来るのかしら。そういえば魔物素材で刺繍した時は出来た気がするし……。聖のおまじないならいくらでも重ねられるのだから……同じ素材を使えば……」
何かを思いついたように一人呟いているカレンの、その呟きを聞いて眩暈どころか体が震えてきてしまいました。
「まさか、あなたならいくらでもまじないを重ねられるの?」
私が恐る恐る聞いているとも知らずに、カレンは大きく頷きました。
この子、頷いてしまいましたけど、どうしたらいいのでしょうか!!
「カレン、あなた大聖女になるつもり?」
「まあ、お姉様! 大聖女なんてそんな凄い方に私ごときがなれるわけがありませんわ。大聖女という方はおまもりではなく、聖魔法のまじないを沢山つけた護符を作ることが出来る方……あれ? 私、出来ますわね。お姉様私出来るかもしれません護符なら何度か練習で作って成功していますもの。でも大聖女の作るものとはきっと質が違うと思いますけれどね」
カレンは首を傾げていますが、出来るのかと私は気が遠くなりつつあります。
確かに、たかがローブに六つもまじないが付けられるなら、聖なる木から作られた木片に聖魔法のまじないを掛け作る護符なんて、どれだけのまじないを付けられることか。
聖なる木の木片は、アラクネの糸よりも魔力の通りが良いから魔法を使う時の媒体に出来ると聞きますし、それが聖魔法ならもっとでしょう。
「私が何を言いたいか理解した?」
「もしかして、神官の修行をしたわけでもない私が聖魔法を使えるのはおかしいのですか?」
「神官は聖魔法を沢山練習すれば聖女にもなれると言ったのでしょう? その上で、聖女になるつもりが無いのなら聖魔法が使えることを広めるなとも言われたのよね? そして家族に話していいかもその時相談して家族はいいがそれ以外は止めた方がいいと言われたのでしょう?」
額に右手を当てながら尋ねると、カレンは不安そうな顔で頷きました。
神官! それが誰なのか分かりませんが、カレンにいくら素質があったとしても気軽に聖魔法なんて教えて欲しく無かったです。神官に悪気が無かったとしても、絶対に止めて欲しかった。
「カレン、あなたに聖魔法を教えた神官も、あなたがそんなにも素晴らしい聖魔法の使い手になるとは思っていなかった筈よ。それはあなたの能力が劣っていると考えたわけではなく、そもそも聖魔法を得意と言える程に使えるのは聖女か神官だけだから、その方たちだって神殿で長年修行を積まなければ無理だと言われているのよ」
「私、なぜ使えるのでしょう」
「あなたの心が清らかだからかしらね。だってあなた、まじないの練習だって私達が魔物討伐で怪我をしない様にと思って努力したのでしょう?」
この子なら絶対にそうだと思います。
まじないを山ほどつけた護符でお金儲けをしようとか、素晴らしい能力持ちだと褒められたいなんて考えは無かった筈です。
「はい。私は攻撃魔法が使えない駄目な人間です。令嬢としても至らないですし、皆に迷惑ばかりかけていますし、せめて得意な治癒魔法とまじないの腕を磨いて、役に立とうと思って私……でも私駄目だったんですね」
そう、カレンは優しい。優しいから、たとえ人を害する魔物だって攻撃したり出来ない。
攻撃魔法なんてカレンは使えない、適性が全くなかった。
その代わり、人を癒す魔法は昔から得意だったし、沢山努力してきた。
「あなたは令嬢として至らないわけでも、迷惑をかけていたわけでもないわ。攻撃魔法が使えないから駄目なんてことも勿論ないわ。攻撃魔法が出来なくても、あなたはその代わり人を癒せる。治癒魔法を使えるし、それを使える様になるまで沢山努力してきたじゃない。努力して来た自分を否定しないで」
「でも、私は」
「驚きすぎたせいで、言い方が悪かったのは謝るわ。聖魔法が使えること自体は悪くないし、まじないを重ね掛け出来るのだって素晴らしいことよ。でもね、カレンも知っているでしょう? 大聖女も聖女も結婚出来ないの。聖女は自分の意思で辞めることも出来るそうだけれど、大聖女候補になったらそれも出来ないわ、あなたの力を知られたら神殿が何を言い出すか分かるわよね?」
カレンは何を言われているか分からないのか、小さく口を開いたまま私の顔を見つめていたのです。
「聖魔法のまじないは、一般の守り袋には使えないと最初に神官に言われましたから、普通のお守りは光の属性魔法の方でまじないをしています。聖魔法のお守りの方は神官が用意した特別なお守りに、指定された効果のまじないをひとつだけつけています。それが何か問題になりますの?」
不思議そうにカレンは答えますが、神官は考えてカレンに魔法を使わせているのだと分かりホッとしました。
でも、そこまで考えているのなら、どうしてその神官はカレンに聖魔法を覚えさせたのでしょう。
それが分かりません。
「それで、殿下に渡そうとしている守り袋はどちらの魔法?」
「聖魔法の方です、そちらでないと複数のまじないはつけられませんから」
胸を張り、カレンは自信満々に答えます。
その答え方に、頭痛と眩暈が私を襲います。
カレンはまじないの違いは理解していても、それを普通の貴族令嬢がどちらのまじないも出来る異常さは理解していないのです。
「カレン、殿下と結婚したいのよね?」
「勿論です。そうでなければ婚約なんて受けません」
きっぱりとそう答えるカレン、そこまではっきりきっぱり気持ちが固まっているのに、どうして事の重大さを理解していないのでしょうか。
「カレン、私は先程まじないを三つ付けられた匂い袋だけでも貴重過ぎる程だと言ったわ。そのまじない三つというのは光の属性のまじないの話よ」
「え? 光の属性のまじないなら、そもそも重ねてまじないを掛けるなんて出来ませんわ。光の属性魔法のまじない用のお守りに使っている素材が強いまじないに耐えられませんから。あら、そういう考えなら良い素材を使えば重ね掛け出来るのかしら。そういえば魔物素材で刺繍した時は出来た気がするし……。聖のおまじないならいくらでも重ねられるのだから……同じ素材を使えば……」
何かを思いついたように一人呟いているカレンの、その呟きを聞いて眩暈どころか体が震えてきてしまいました。
「まさか、あなたならいくらでもまじないを重ねられるの?」
私が恐る恐る聞いているとも知らずに、カレンは大きく頷きました。
この子、頷いてしまいましたけど、どうしたらいいのでしょうか!!
「カレン、あなた大聖女になるつもり?」
「まあ、お姉様! 大聖女なんてそんな凄い方に私ごときがなれるわけがありませんわ。大聖女という方はおまもりではなく、聖魔法のまじないを沢山つけた護符を作ることが出来る方……あれ? 私、出来ますわね。お姉様私出来るかもしれません護符なら何度か練習で作って成功していますもの。でも大聖女の作るものとはきっと質が違うと思いますけれどね」
カレンは首を傾げていますが、出来るのかと私は気が遠くなりつつあります。
確かに、たかがローブに六つもまじないが付けられるなら、聖なる木から作られた木片に聖魔法のまじないを掛け作る護符なんて、どれだけのまじないを付けられることか。
聖なる木の木片は、アラクネの糸よりも魔力の通りが良いから魔法を使う時の媒体に出来ると聞きますし、それが聖魔法ならもっとでしょう。
「私が何を言いたいか理解した?」
「もしかして、神官の修行をしたわけでもない私が聖魔法を使えるのはおかしいのですか?」
「神官は聖魔法を沢山練習すれば聖女にもなれると言ったのでしょう? その上で、聖女になるつもりが無いのなら聖魔法が使えることを広めるなとも言われたのよね? そして家族に話していいかもその時相談して家族はいいがそれ以外は止めた方がいいと言われたのでしょう?」
額に右手を当てながら尋ねると、カレンは不安そうな顔で頷きました。
神官! それが誰なのか分かりませんが、カレンにいくら素質があったとしても気軽に聖魔法なんて教えて欲しく無かったです。神官に悪気が無かったとしても、絶対に止めて欲しかった。
「カレン、あなたに聖魔法を教えた神官も、あなたがそんなにも素晴らしい聖魔法の使い手になるとは思っていなかった筈よ。それはあなたの能力が劣っていると考えたわけではなく、そもそも聖魔法を得意と言える程に使えるのは聖女か神官だけだから、その方たちだって神殿で長年修行を積まなければ無理だと言われているのよ」
「私、なぜ使えるのでしょう」
「あなたの心が清らかだからかしらね。だってあなた、まじないの練習だって私達が魔物討伐で怪我をしない様にと思って努力したのでしょう?」
この子なら絶対にそうだと思います。
まじないを山ほどつけた護符でお金儲けをしようとか、素晴らしい能力持ちだと褒められたいなんて考えは無かった筈です。
「はい。私は攻撃魔法が使えない駄目な人間です。令嬢としても至らないですし、皆に迷惑ばかりかけていますし、せめて得意な治癒魔法とまじないの腕を磨いて、役に立とうと思って私……でも私駄目だったんですね」
そう、カレンは優しい。優しいから、たとえ人を害する魔物だって攻撃したり出来ない。
攻撃魔法なんてカレンは使えない、適性が全くなかった。
その代わり、人を癒す魔法は昔から得意だったし、沢山努力してきた。
「あなたは令嬢として至らないわけでも、迷惑をかけていたわけでもないわ。攻撃魔法が使えないから駄目なんてことも勿論ないわ。攻撃魔法が出来なくても、あなたはその代わり人を癒せる。治癒魔法を使えるし、それを使える様になるまで沢山努力してきたじゃない。努力して来た自分を否定しないで」
「でも、私は」
「驚きすぎたせいで、言い方が悪かったのは謝るわ。聖魔法が使えること自体は悪くないし、まじないを重ね掛け出来るのだって素晴らしいことよ。でもね、カレンも知っているでしょう? 大聖女も聖女も結婚出来ないの。聖女は自分の意思で辞めることも出来るそうだけれど、大聖女候補になったらそれも出来ないわ、あなたの力を知られたら神殿が何を言い出すか分かるわよね?」
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