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お母様の教え7
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「幼い頃のあなたは生命力に溢れていると言わんばかりに活発で、でも決して乱暴ではなく、むしろ所作がとても綺麗で淑女のお手本のようだったわ。カレンと揃いのドレスを着せると余計に所作の美しさが、とても際立って見えたものよ。あの子は色々大雑把でしたからね」
所作の美しさが際立つ、そんな風にお母様が思っていてくれたとは知りませんでした。
「顔の造作は生まれ持ったものだけれど、すっと伸びた姿勢や歩き方や茶器を持つ手、食事をする姿、それは努力し意識しなければ身に着かないわ。それは一生の財産よ。あなたは幼い頃から身に着けていた」
愛らしいカレンの隣で、惨めな思いをしたくなかった。それだけのために私は礼儀作法を学び続け、様々な分野の勉強をしどんな会話にもついていけるようにしました。
見た目も悪ければ、頭も悪い、姿勢も何もかもが劣ると言われたくなかったのです。
ただそれだけで私は努力し続けましたが、今やその努力は確実に身に着いています。どんな方の前に出ても私は臆することなく挨拶し会話出来る自信があります。
「それは、あなたがそれだけ努力した結果得た財産なのよ。私はそれがとても誇らしかったわ。だから、あなたがその頃悲しい気持ちでいるなんて思いもしなかったわ」
「幼い頃の私が誇らしかった? 本当に?」
私は自分の見た目ばかりを気にする嫌な子供だったというのに、お母様の目には違う私が見えていたことになります。
「本当よ、あなたにはあなたの、カレンにはカレンの良さがあるわ」
「私にも良いところがあるのでしょうか」
私はカレンに対して劣等感を持ち、妬む気持ちが強く、それに気がつく度に情けなさにどこかに逃げたくなってしまいます。
それたけではありません、カレンは優しいからこそ、余計に自分の心が救いようのないものに感じてしまうのです。
「あるわ、あなたには良いところが沢山あるのよジョーシー」
「私、可愛くありません。顔だけでなく、心も可愛くないのです。本当に私駄目なところだらけで情けなくて」
「なぜ、ジョーシーがそんな風に思うのか分からないけれどね、カレンは自分の行動の雑さをあなたを見て気がついて、あなたを手本に学んでいたわ。それには気がついていたかしら。妹が手本にしたいと思う姉が駄目なところだらけだと、本当に思うのかしら?」
お母様との会話は、私が知らなかったことだらけで、驚くばかりです。
カレンが私を手本にしていたなんて、そんな記憶は全くありませんでした。
「カレンが、私を手本に?」
「ええ、そうよ」
「知りませんでした」
私は今も昔も、自分のことだけに精一杯だったのですから、知っているわけがありません。
「それにカレンはあなたと揃いのドレスを着られるのを、いつも喜んでいたわ」
「私と同じ物を、喜んでいた」
私は、一度もそんな気持ちになったことはありませんでした。
むしろ、嫌だとずっと考えていたのに、カレンは違ったのでしょうか。
「あの子はね、一人だけ髪色が違ったでしょう? 勿論、私と同じ色なのは嬉しいと言っていたけれど、でも淋しくもあったのよ」
「淋しい?」
「私は大人になってからこの国に来ましたからね、自分が他国の人間だから持っている色が違うのは当たり前だと分かっていましたけれどね、カレンは違うでしょう? あの子はこの国に生まれ育ったこの国の人間よ。でも色は私のものを受け継いでしまった」
幼い頃はそんなに頻繁に他貴族の家と交流はしませんが、親族達は違います。
定期的に会い、食事会やお茶会を親族の交流のために行っていました。
年齢が近い従兄弟は勿論、それ以外の子供とも会う機会は多かったのは、領地を親族皆で守るため、頻繁に交流し親しくなるためでもありました。
私は、無遠慮にカレンの見た目だけを褒める親族達が苦手でしたが、もしかするとカレンはカレンで嫌な気持ちになっていたのかもしれません。
「ゲネット侯爵家の血筋は殆どが金髪だし、瞳の色も緑色の者が多いですからね。その中で一人違う色を持つのは疎外されているような気持ちになったのだと思いますよ。勿論彼らは髪色の違いで差別する様なひとたちではありませんから、ただカレンがそう感じていただけですけれどね」
一人だけ違う色、とても綺麗なカレンの髪色と神秘的な瞳の色、それを羨ましく思うことあっても差別なんてする人はいないでしょう。
それでも、幼いカレンは寂しさを感じていたのでしょうか。
所作の美しさが際立つ、そんな風にお母様が思っていてくれたとは知りませんでした。
「顔の造作は生まれ持ったものだけれど、すっと伸びた姿勢や歩き方や茶器を持つ手、食事をする姿、それは努力し意識しなければ身に着かないわ。それは一生の財産よ。あなたは幼い頃から身に着けていた」
愛らしいカレンの隣で、惨めな思いをしたくなかった。それだけのために私は礼儀作法を学び続け、様々な分野の勉強をしどんな会話にもついていけるようにしました。
見た目も悪ければ、頭も悪い、姿勢も何もかもが劣ると言われたくなかったのです。
ただそれだけで私は努力し続けましたが、今やその努力は確実に身に着いています。どんな方の前に出ても私は臆することなく挨拶し会話出来る自信があります。
「それは、あなたがそれだけ努力した結果得た財産なのよ。私はそれがとても誇らしかったわ。だから、あなたがその頃悲しい気持ちでいるなんて思いもしなかったわ」
「幼い頃の私が誇らしかった? 本当に?」
私は自分の見た目ばかりを気にする嫌な子供だったというのに、お母様の目には違う私が見えていたことになります。
「本当よ、あなたにはあなたの、カレンにはカレンの良さがあるわ」
「私にも良いところがあるのでしょうか」
私はカレンに対して劣等感を持ち、妬む気持ちが強く、それに気がつく度に情けなさにどこかに逃げたくなってしまいます。
それたけではありません、カレンは優しいからこそ、余計に自分の心が救いようのないものに感じてしまうのです。
「あるわ、あなたには良いところが沢山あるのよジョーシー」
「私、可愛くありません。顔だけでなく、心も可愛くないのです。本当に私駄目なところだらけで情けなくて」
「なぜ、ジョーシーがそんな風に思うのか分からないけれどね、カレンは自分の行動の雑さをあなたを見て気がついて、あなたを手本に学んでいたわ。それには気がついていたかしら。妹が手本にしたいと思う姉が駄目なところだらけだと、本当に思うのかしら?」
お母様との会話は、私が知らなかったことだらけで、驚くばかりです。
カレンが私を手本にしていたなんて、そんな記憶は全くありませんでした。
「カレンが、私を手本に?」
「ええ、そうよ」
「知りませんでした」
私は今も昔も、自分のことだけに精一杯だったのですから、知っているわけがありません。
「それにカレンはあなたと揃いのドレスを着られるのを、いつも喜んでいたわ」
「私と同じ物を、喜んでいた」
私は、一度もそんな気持ちになったことはありませんでした。
むしろ、嫌だとずっと考えていたのに、カレンは違ったのでしょうか。
「あの子はね、一人だけ髪色が違ったでしょう? 勿論、私と同じ色なのは嬉しいと言っていたけれど、でも淋しくもあったのよ」
「淋しい?」
「私は大人になってからこの国に来ましたからね、自分が他国の人間だから持っている色が違うのは当たり前だと分かっていましたけれどね、カレンは違うでしょう? あの子はこの国に生まれ育ったこの国の人間よ。でも色は私のものを受け継いでしまった」
幼い頃はそんなに頻繁に他貴族の家と交流はしませんが、親族達は違います。
定期的に会い、食事会やお茶会を親族の交流のために行っていました。
年齢が近い従兄弟は勿論、それ以外の子供とも会う機会は多かったのは、領地を親族皆で守るため、頻繁に交流し親しくなるためでもありました。
私は、無遠慮にカレンの見た目だけを褒める親族達が苦手でしたが、もしかするとカレンはカレンで嫌な気持ちになっていたのかもしれません。
「ゲネット侯爵家の血筋は殆どが金髪だし、瞳の色も緑色の者が多いですからね。その中で一人違う色を持つのは疎外されているような気持ちになったのだと思いますよ。勿論彼らは髪色の違いで差別する様なひとたちではありませんから、ただカレンがそう感じていただけですけれどね」
一人だけ違う色、とても綺麗なカレンの髪色と神秘的な瞳の色、それを羨ましく思うことあっても差別なんてする人はいないでしょう。
それでも、幼いカレンは寂しさを感じていたのでしょうか。
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