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カレンと王子殿下
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「呆れますよね」
こんな酷い姉をカレンはお姉様お姉様と慕ってくれました。
私は大人になるにつれ容姿への劣等感に蓋をして、しっかりものの長女という役割が自分に合っているのだと心の中で上手く気持ちを消化したつもりでした。
まさか大人になっても、出来ないカレンを見て安心している自分が心の何中にいるなど思わなかったのです。
「カレンは可愛い妹です。私はカレンが大好きですし、幸せになって欲しいと思っています。カレンを妬んだり失敗を喜んだりしたいなんて、思っていません」
「だが昨日はカレンにあたってしまったのだな」
「はい」
「何故か分かるか」
「分かります。カレンが苦手なものを克服して、求婚もされて、何だかすべてが順調に見えてしまって私なんて誰にも求められていなくて、ディアス兄様には恥ずかしい姿を見られて、何だか苛々して癇癪をおこして八つ当たりしてしまったんです」
大人のすることではありません。
私がディアス兄様に恋愛対象として見られないのも、他の方から求婚された事が一度もないのも、カレンのせいではないのですから。
「それが分かっているなら次の休憩でカレンに謝罪出来るな? 今回の件はお前だけが悪いのではないと私は考えている。カレンはお前に甘えて頼りすぎているからな。次女ということで少し教育が甘かったし、あの性格では貴族の妻は難しいだろうと領地の裕福な家に縁付かせるつもりだったんだが」
まさか王子殿下から求婚されるなど、予想外過ぎなのは確かです。
「王族に嫁ぐのだ、あの甘えた性格は直さないといけないが、今は王子殿下との婚約でカレンは今までにない程心理的に負担を抱えているのだから、今回だけはお前が折れてやってくれないか」
「折れるもなにも、悪いのは私ですから」
お父様もお母様も、私に姉なのだから我慢するべきとは言いません。
本当に二人は私達に平等なのです。
「カレンはこの婚約をどう思っているのでしょう」
「出会った時穏やかな光に包まれた様な気持ちがしたのだそうだ」
「カレンがですか?」
「いいや、婚約について返事をした後王子殿下が私にそう手紙を寄越した」
王子殿下は少し夢見がちな方なのでしょうか?
「カレンは全く覚えていないようだが、初めて出会ったのはあの夜会ではないそうだ」
「え? それではいつ?」
「ニ年程前にカレンが珍しく王都に来ていた時に大神殿の敷地にある治療院を手伝った事があっただろう、あの時殿下も怪我の治療で治療院にいたらしいんだよ。そこでカレンが治療したと」
それでは二年前から思っていたというのでしょうか?
「家の次女だと調べはついていて、デビューの日を楽しみに待っていたそうなんだが、カレンは私と踊っただけで帰ってきてしまっただろう? そしてその後は夜会には出ていないから、一度もまともに会話したこともないらしいんだが」
「この間の夜会で偶然出会って、気持ちが盛り上がったのですね」
「あの夜会で話せなければ縁が無かったのだと諦めるおつもりだったそうだが、あの馬鹿が迷ったりしたせいで、繋がなくていい縁が出来てしまったわけだ」
繋がかなくていい縁だなんて、王家と繋がれるなら我が家にとっても益はあるのではないでしょうか?
「家は十分大きいし、派閥も中立の立場だから大きな繋がりは必要ないのだよ。政略的な縁談ならお前にもカレンにも山程来ていたが、お前はディアスを好いているしカレンはあんなだろう? すべて断っていたんだ」
「知りませんでした」
そう言えばお父様は、結婚は状況が許すなら好きな相手とするべき。そういう考えを持っている人だったとたった今思い出したのです。
こんな酷い姉をカレンはお姉様お姉様と慕ってくれました。
私は大人になるにつれ容姿への劣等感に蓋をして、しっかりものの長女という役割が自分に合っているのだと心の中で上手く気持ちを消化したつもりでした。
まさか大人になっても、出来ないカレンを見て安心している自分が心の何中にいるなど思わなかったのです。
「カレンは可愛い妹です。私はカレンが大好きですし、幸せになって欲しいと思っています。カレンを妬んだり失敗を喜んだりしたいなんて、思っていません」
「だが昨日はカレンにあたってしまったのだな」
「はい」
「何故か分かるか」
「分かります。カレンが苦手なものを克服して、求婚もされて、何だかすべてが順調に見えてしまって私なんて誰にも求められていなくて、ディアス兄様には恥ずかしい姿を見られて、何だか苛々して癇癪をおこして八つ当たりしてしまったんです」
大人のすることではありません。
私がディアス兄様に恋愛対象として見られないのも、他の方から求婚された事が一度もないのも、カレンのせいではないのですから。
「それが分かっているなら次の休憩でカレンに謝罪出来るな? 今回の件はお前だけが悪いのではないと私は考えている。カレンはお前に甘えて頼りすぎているからな。次女ということで少し教育が甘かったし、あの性格では貴族の妻は難しいだろうと領地の裕福な家に縁付かせるつもりだったんだが」
まさか王子殿下から求婚されるなど、予想外過ぎなのは確かです。
「王族に嫁ぐのだ、あの甘えた性格は直さないといけないが、今は王子殿下との婚約でカレンは今までにない程心理的に負担を抱えているのだから、今回だけはお前が折れてやってくれないか」
「折れるもなにも、悪いのは私ですから」
お父様もお母様も、私に姉なのだから我慢するべきとは言いません。
本当に二人は私達に平等なのです。
「カレンはこの婚約をどう思っているのでしょう」
「出会った時穏やかな光に包まれた様な気持ちがしたのだそうだ」
「カレンがですか?」
「いいや、婚約について返事をした後王子殿下が私にそう手紙を寄越した」
王子殿下は少し夢見がちな方なのでしょうか?
「カレンは全く覚えていないようだが、初めて出会ったのはあの夜会ではないそうだ」
「え? それではいつ?」
「ニ年程前にカレンが珍しく王都に来ていた時に大神殿の敷地にある治療院を手伝った事があっただろう、あの時殿下も怪我の治療で治療院にいたらしいんだよ。そこでカレンが治療したと」
それでは二年前から思っていたというのでしょうか?
「家の次女だと調べはついていて、デビューの日を楽しみに待っていたそうなんだが、カレンは私と踊っただけで帰ってきてしまっただろう? そしてその後は夜会には出ていないから、一度もまともに会話したこともないらしいんだが」
「この間の夜会で偶然出会って、気持ちが盛り上がったのですね」
「あの夜会で話せなければ縁が無かったのだと諦めるおつもりだったそうだが、あの馬鹿が迷ったりしたせいで、繋がなくていい縁が出来てしまったわけだ」
繋がかなくていい縁だなんて、王家と繋がれるなら我が家にとっても益はあるのではないでしょうか?
「家は十分大きいし、派閥も中立の立場だから大きな繋がりは必要ないのだよ。政略的な縁談ならお前にもカレンにも山程来ていたが、お前はディアスを好いているしカレンはあんなだろう? すべて断っていたんだ」
「知りませんでした」
そう言えばお父様は、結婚は状況が許すなら好きな相手とするべき。そういう考えを持っている人だったとたった今思い出したのです。
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