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お父様の考え
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「家に益のある婚約ではなく、私達の気持ちを優先して下さっていたのですか?」
「まあ、思う人がいるのに無理に他の者と縁を繋ごうとしても上手くいくはずがないだろうし、そもそもお前達は母親そっくりの性格だ。自分で納得できない相手と沿う等無理だろう」
お父様は半ば呆れた様な目で私を見ますが、それは確かにそうです。
私達姉妹は良く言えば一途、悪く言えば頑固な性格をしています。
私はずっとディアス兄様が好きですし、彼以外と添い遂げたい等考えたことすらありません。
思いが叶わないとは分かっていながら諦めきれていないのですから、お父様が私の気持ちを無視して縁談を決めても心の底では従えなかったでしょう。
「でも今回の縁談は王家から、第三王子殿下からのものですが」
「あれが嫌と言わなかったのは、それなりに譲歩出来る相手だからだ。本心から厭っていればあんな風には受け入れないだろう。自分で病気を捏造しても拒否するはずだ」
「王家からの縁談をですか?」
「王家からの縁談だからこそだ」
カレンは確かに頑ななところがありますが、今回の縁談に関しては彼女なりの譲歩と妥協があるのだと思っていたのだと、今気が付きました。
つまり、嫌いではないから承諾してもいいかもしれない。
家の為なら、そう納得した方がいいのかもしれない。
そう妥協したのだと思っていたのです。
「私はカレンは妥協したのだと思っていたみたいです。カレンは結婚を諦めていました。市井の者とならともかく貴族との結婚は無理だとそう思っていた筈です。ですが、王族からの求婚で、カレンから見れば悪い人ではない相手であれば、求婚を受けてもいいかもしれない。それが家の為になるから。そう考えているだろうと思っていたのだと、今気が付きました」
自分は思う相手との縁談を望んでいながら、カレンが妥協して縁談を受け入れようとしているのを応援しているのはどうなのでしょう。
私は、自分勝手な酷い姉なのではないでしょうか。
「お前には話していなかったが、私達は殿下の返信を頂いた後カレンに再度聞いたのだ。本当にこの縁談を進めていいのかと」
「カレンはなんと返答を?」
「あの夜会でカレンに声を掛けた殿下は好ましい印象しかないけれど、今後付き合ってみないとどちらに転ぶかわからない。だが、自分よりも殿下の方が自分に呆れて断りを入れてくるだろうと。それなら家に問題は出ないのではないかと思うと」
お父様の言葉に、私は絶句してしまいました。
それではカレンは、自分が殿下の好みから最終的に外れるだろうと思いながらこの婚約を受けたというのでしょうか。カレンは誰より可愛くて、性格も良くて、そんな人を嫌う人なんかいるわけないのに。何故自分に問題があるから断られると思い込んでいるのでしょうか。
「刺繍やダンスがなんだというのですか。貴族の繋がりを覚えられなくても、そばに記憶力のいい夫がいて常に助けれくれればいいだけではありませんか」
「第三王子殿下は細やかな気遣いが出来る方ではないが、そういう諸々を大らかに笑い飛ばせる御仁ではあるな」
それはカレンの為にいいのか悪いのか分かりませんが、カレンを最優先に考え下さる相手なら彼女を任せられます。
「カレンを大切にして下さいますか。あの子を守って下さる方でしょうか」
ツンと鼻が染みる様に痛みます。
私は泣きたい様です。
「あの子は優しい子です。殿下が困る状況を自分の罪だと思うでしょう。相手が自分を人生の飾り程度にしか思わないのであれば、それはあの子の不幸でしかありません」
カレンを見初めたのですから殿下にはあの子を理解する才があるのだと信じたいです。
でも、カレンの見た目だけに惹かれたのであれば、殿下はカレンの夫としては失格です。
「そうだな。私には王子殿下はカレンの夫に足る人間だと思うよ」
「本当ですか。カレンの素の姿を見てもそう思いますか」
「素の姿。そうだな、ええと。うん。それを含めても殿下はカレンを大切にして下さると思うよ」
お父様の答えは、私にとっての安心になったのです。
「まあ、思う人がいるのに無理に他の者と縁を繋ごうとしても上手くいくはずがないだろうし、そもそもお前達は母親そっくりの性格だ。自分で納得できない相手と沿う等無理だろう」
お父様は半ば呆れた様な目で私を見ますが、それは確かにそうです。
私達姉妹は良く言えば一途、悪く言えば頑固な性格をしています。
私はずっとディアス兄様が好きですし、彼以外と添い遂げたい等考えたことすらありません。
思いが叶わないとは分かっていながら諦めきれていないのですから、お父様が私の気持ちを無視して縁談を決めても心の底では従えなかったでしょう。
「でも今回の縁談は王家から、第三王子殿下からのものですが」
「あれが嫌と言わなかったのは、それなりに譲歩出来る相手だからだ。本心から厭っていればあんな風には受け入れないだろう。自分で病気を捏造しても拒否するはずだ」
「王家からの縁談をですか?」
「王家からの縁談だからこそだ」
カレンは確かに頑ななところがありますが、今回の縁談に関しては彼女なりの譲歩と妥協があるのだと思っていたのだと、今気が付きました。
つまり、嫌いではないから承諾してもいいかもしれない。
家の為なら、そう納得した方がいいのかもしれない。
そう妥協したのだと思っていたのです。
「私はカレンは妥協したのだと思っていたみたいです。カレンは結婚を諦めていました。市井の者とならともかく貴族との結婚は無理だとそう思っていた筈です。ですが、王族からの求婚で、カレンから見れば悪い人ではない相手であれば、求婚を受けてもいいかもしれない。それが家の為になるから。そう考えているだろうと思っていたのだと、今気が付きました」
自分は思う相手との縁談を望んでいながら、カレンが妥協して縁談を受け入れようとしているのを応援しているのはどうなのでしょう。
私は、自分勝手な酷い姉なのではないでしょうか。
「お前には話していなかったが、私達は殿下の返信を頂いた後カレンに再度聞いたのだ。本当にこの縁談を進めていいのかと」
「カレンはなんと返答を?」
「あの夜会でカレンに声を掛けた殿下は好ましい印象しかないけれど、今後付き合ってみないとどちらに転ぶかわからない。だが、自分よりも殿下の方が自分に呆れて断りを入れてくるだろうと。それなら家に問題は出ないのではないかと思うと」
お父様の言葉に、私は絶句してしまいました。
それではカレンは、自分が殿下の好みから最終的に外れるだろうと思いながらこの婚約を受けたというのでしょうか。カレンは誰より可愛くて、性格も良くて、そんな人を嫌う人なんかいるわけないのに。何故自分に問題があるから断られると思い込んでいるのでしょうか。
「刺繍やダンスがなんだというのですか。貴族の繋がりを覚えられなくても、そばに記憶力のいい夫がいて常に助けれくれればいいだけではありませんか」
「第三王子殿下は細やかな気遣いが出来る方ではないが、そういう諸々を大らかに笑い飛ばせる御仁ではあるな」
それはカレンの為にいいのか悪いのか分かりませんが、カレンを最優先に考え下さる相手なら彼女を任せられます。
「カレンを大切にして下さいますか。あの子を守って下さる方でしょうか」
ツンと鼻が染みる様に痛みます。
私は泣きたい様です。
「あの子は優しい子です。殿下が困る状況を自分の罪だと思うでしょう。相手が自分を人生の飾り程度にしか思わないのであれば、それはあの子の不幸でしかありません」
カレンを見初めたのですから殿下にはあの子を理解する才があるのだと信じたいです。
でも、カレンの見た目だけに惹かれたのであれば、殿下はカレンの夫としては失格です。
「そうだな。私には王子殿下はカレンの夫に足る人間だと思うよ」
「本当ですか。カレンの素の姿を見てもそう思いますか」
「素の姿。そうだな、ええと。うん。それを含めても殿下はカレンを大切にして下さると思うよ」
お父様の答えは、私にとっての安心になったのです。
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