8 / 73
お城はとても大きいです
しおりを挟む
リスターと手を繋いで歩いている私は辺りをキョロキョロと見っぱなしだった。
「アヤナ。あまりキョロキョロし過ぎてると危ないよ。」
リスターがクスクス笑いながら注意してくれるけど……お城がすご過ぎて、じっと前だけ見て歩くなんて出来ない!
天井や壁には飾りや絵とかがいっぱいあるし、床なんてピカピカだし、天井高いし扉はデカいし……とにかくお城にあるもの全部が綺麗でデカくてピカピカだった!!お城スゴイ!!
「おしろ、すごい!きれい!ひろーい!!」
私の声が響き渡る。
ヤバイ!興奮し過ぎて大きな声を出しちゃった。
私は慌てて口を押さえ、とーさまを見上げる。
「大丈夫だよ。」
とーさまは目を細めて私の頭をポンポンしてくれた。
本当に大丈夫⁉︎ 私がドキドキしながら歩いていると、少し前の方にある扉がギギーッと開いて中からひょこっと人が出て来た。
「可愛い声がすると思って出て来てみたら、叔父上達でしたか。おや、リスター。その子かい?お前がいつも話している、とても可愛らしいという子は?」
私はびっくりして思わずリスターの背中に隠れてしまった。
そっと顔を出して見てみると、そこには金髪碧眼の男の人がいた。
リスターにとてもよく似てる。リスターは大きなクリクリの目をしてるけど、この人の目はリスターよりちょっと細くて切れ長だ。この人もイケメンだな。
「兄上!」
リスターが頬を赤く染めて慌てている。
「リスター、にーさま?」
私はリスターの背中に隠れたまま、顔だけ出してリスターとリスターのにーさまを交互に見る。
「うん。僕の兄上だよ。今日もお城に居るって言ってたから、アヤナの事を話しておいたんだよ。」
「ふふっ。最近はアヤナの話ししかしてないけどね。はじめまして、リスターの兄のフレイだよ。いつも話しを聞いているから、はじめましての感じがしないけど。」
「兄上!」
リスターが顔を真っ赤にしてフレイにーさまと戯れあっている。
兄弟仲良しだね!いいことだよ!
「はじめまして、あやなです。フレイにーさま?」
私はリスターの背中から出てフレイにーさまの前まで行くと、ちょこんとカーテシーをした。あいさつは大事だよね!
私を見ていたフレイにーさまはちょっと固まった後にリスターに目を移す。
「これはちょっと……想像以上の可愛さだね。リスター、早くなんとかしておかないと、手遅れになってしまうよ。頑張ってね。」
「いっ、言われなくても頑張ってます!」
リスターとフレイにーさまは何やらゴニョゴニョと小声で話し合っている。ここまでは聞こえてこないけど、フレイにーさまはとても楽しそうだ。
私はフレイにーさまに近付いて服の裾をちょんちょんと引っ張った。
「うん?なんだいアヤナ。」
「フレイにーさま、いっしょ、くる?」
とーさまとほぼ変わらないくらい背の高いフレイにーさまを見上げ、私は首をコテンと傾げる。
「か、可愛い……!ヤバイくらい可愛い!」
「……兄上。」
「フレイにーさま?」
「あぁ、ゴメン。僕は今から王太子と勉強があるんだ。アヤナ、今日会えて良かった。また今度ゆっくりお話ししようね。」
フレイにーさまは私の頭を撫でてから手を振り扉の中へと戻って行った。
フレイにーさまはとってもいい人でした。さすがリスターのにーさまだね!
「さあ、行こうか。」
フレイにーさまに振っていた私の手を取り、リスターがニッコリ笑って歩きだす。
「はーい!」
お城の長くて広い廊下には、元気に返事をした私の声がまた響き渡った。
「アヤナ。あまりキョロキョロし過ぎてると危ないよ。」
リスターがクスクス笑いながら注意してくれるけど……お城がすご過ぎて、じっと前だけ見て歩くなんて出来ない!
天井や壁には飾りや絵とかがいっぱいあるし、床なんてピカピカだし、天井高いし扉はデカいし……とにかくお城にあるもの全部が綺麗でデカくてピカピカだった!!お城スゴイ!!
「おしろ、すごい!きれい!ひろーい!!」
私の声が響き渡る。
ヤバイ!興奮し過ぎて大きな声を出しちゃった。
私は慌てて口を押さえ、とーさまを見上げる。
「大丈夫だよ。」
とーさまは目を細めて私の頭をポンポンしてくれた。
本当に大丈夫⁉︎ 私がドキドキしながら歩いていると、少し前の方にある扉がギギーッと開いて中からひょこっと人が出て来た。
「可愛い声がすると思って出て来てみたら、叔父上達でしたか。おや、リスター。その子かい?お前がいつも話している、とても可愛らしいという子は?」
私はびっくりして思わずリスターの背中に隠れてしまった。
そっと顔を出して見てみると、そこには金髪碧眼の男の人がいた。
リスターにとてもよく似てる。リスターは大きなクリクリの目をしてるけど、この人の目はリスターよりちょっと細くて切れ長だ。この人もイケメンだな。
「兄上!」
リスターが頬を赤く染めて慌てている。
「リスター、にーさま?」
私はリスターの背中に隠れたまま、顔だけ出してリスターとリスターのにーさまを交互に見る。
「うん。僕の兄上だよ。今日もお城に居るって言ってたから、アヤナの事を話しておいたんだよ。」
「ふふっ。最近はアヤナの話ししかしてないけどね。はじめまして、リスターの兄のフレイだよ。いつも話しを聞いているから、はじめましての感じがしないけど。」
「兄上!」
リスターが顔を真っ赤にしてフレイにーさまと戯れあっている。
兄弟仲良しだね!いいことだよ!
「はじめまして、あやなです。フレイにーさま?」
私はリスターの背中から出てフレイにーさまの前まで行くと、ちょこんとカーテシーをした。あいさつは大事だよね!
私を見ていたフレイにーさまはちょっと固まった後にリスターに目を移す。
「これはちょっと……想像以上の可愛さだね。リスター、早くなんとかしておかないと、手遅れになってしまうよ。頑張ってね。」
「いっ、言われなくても頑張ってます!」
リスターとフレイにーさまは何やらゴニョゴニョと小声で話し合っている。ここまでは聞こえてこないけど、フレイにーさまはとても楽しそうだ。
私はフレイにーさまに近付いて服の裾をちょんちょんと引っ張った。
「うん?なんだいアヤナ。」
「フレイにーさま、いっしょ、くる?」
とーさまとほぼ変わらないくらい背の高いフレイにーさまを見上げ、私は首をコテンと傾げる。
「か、可愛い……!ヤバイくらい可愛い!」
「……兄上。」
「フレイにーさま?」
「あぁ、ゴメン。僕は今から王太子と勉強があるんだ。アヤナ、今日会えて良かった。また今度ゆっくりお話ししようね。」
フレイにーさまは私の頭を撫でてから手を振り扉の中へと戻って行った。
フレイにーさまはとってもいい人でした。さすがリスターのにーさまだね!
「さあ、行こうか。」
フレイにーさまに振っていた私の手を取り、リスターがニッコリ笑って歩きだす。
「はーい!」
お城の長くて広い廊下には、元気に返事をした私の声がまた響き渡った。
138
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
騎士団の繕い係
あかね
ファンタジー
クレアは城のお針子だ。そこそこ腕はあると自負しているが、ある日やらかしてしまった。その結果の罰則として針子部屋を出て色々なところの繕い物をすることになった。あちこちをめぐって最終的に行きついたのは騎士団。花形を譲って久しいが消えることもないもの。クレアはそこで繕い物をしている人に出会うのだが。
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる