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想像と違いました
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今までで一番大きな扉が開き、とーさまとリスターと一緒に中へ入る。
とっても広い部屋の一番奥に、立派な椅子に座っている男の人と女の人がいた。
多分、ていうか絶対あの人達が王様と王妃様だよね。
扉から王様達までの距離が遠いよ!部屋が広過ぎでしょ!
この部屋まで来るのにも結構歩いたからね。私はもうクタクタですよ。
リスターに手を引っ張ってもらって、私は部屋を歩いている。
王様達に近づくにつれて、王様の座っている横で立って控えている人が、ラントおじさまだって事に気付いた。
いつも無表情だけど今日は王様の横にいるせいか、いつもよりキリッとした無表情に見えなくもない。
私はラントおじさまに会えて嬉しくて、リスターと繋いでいない方の手をラントおじさまに振る。
おじさまは無表情だけど私に手を振り返してくれた。えへへっ。嬉しい!
「団長よ、その子か?そなたの養女になったのは。」
王様達の前に到着すると、とーさまが王様に声をかけられた。
「はい。アヤナと申します。アヤナ、国王にご挨拶を。」
とーさまに促され、私は一歩前に出て王様と王妃様にカーテシーで挨拶をする。
「はじめまして。あやな、と、もうします。よろしく、おねがいします。」
「うむ、顔を上げよ。」
私は言われて顔を上げると、王様と王妃様を間近で見て驚いた。
だってすごく若いんだもん!!何歳なの?
想像していた王様と違う!お鼻の下に髭が……生えてない!
お腹が脂肪でポッチャリ……してない!
王様は金髪金目のイケメン、王妃様は銀髪緑目の美人さんでした。
もうこの世界、綺麗な顔の人しかいないんじゃないだろうか……。大丈夫なのか?私!!
私が目を丸くしたり眉間に皺を寄せたりしていると、王様はその様子を面白そうに見て言った。
「アヤナよ、どうしたのだ?可笑しな顔をしているぞ。」
「ひげもじゃ……おなかぽっちゃり、ちがった。」
「ひげもじゃ?」
「えほん、おうさま、おじさんだった。ひげもじゃ、ぽっちゃり。」
私は分かりやすいように、手で鼻の下にお髭を作ってみたり、お腹をぷっくりさせるようなジェスチャーをしたりして、想像の王様を目の前にいる本物の王様に必死に伝える。
王様は口を手で覆い笑うのを我慢していたみたいだけど、最後は堪えきれずに大笑いしていた。
「それはどんな絵本だ。」
本当にね!!よく王子様とかはカッコよく描かれているけど、王様ってあんまりなことが多い気がする。え?私の選ぶ絵本がいけなかったの?
「本物の王はどうだ?」
「おうさま、かっこいい!おうひさま、きれい!ほんもの、すごい!!」
私は興奮して両手をブンブンしながら叫んでしまった。
「アヤナ」
とーさまが私を落ち着かせようと頭をポンポンしてくれる。
しまった!また大きな声出しちゃった!
私が慌てて口を押さえると、王様が笑いながら近づいて来た。
「よいよい。私はかっこいいか?アヤナに言われるのは素直に嬉しいな。」
王様は私を抱き上げると、私の目をジッと見つめてくる。その目は、ちょっと悲しそうだった。
「……城には本心の見えない者が多過ぎる。腹黒い奴ばかりだからな。」
「陛下。アヤナに愚痴を零すのはおやめ下さい。アヤナが困ってしまいます。」
ラントおじさまが無表情のまま王様に注意してるけど……私は王様の悲しそうな目が気になって、顔を王様にグイッと近づけて真っ直ぐに目を見た。
「おうさま、かなしい?」
「…………」
「みんな、はらぐろ、ちがう。とーさま、かーさま、リスター、フレイにーさま、ダナンさん、カールさん、あと、それから……あ、ラントおじさま!」
「……アヤナ、今私を忘れていなかったかい?」
「わ、わすれて、ない!ラントおじさま、むひょうじょう、でも、やさしい!
みんな、みんな、やさしい!はらぐろ、ちがう!」
「アヤナ。」
私は気持ちが届いて欲しくて、王様の首にしがみ付いていた手にギュッと力を込めて言った。
「だから、おうさま、だいじょうぶ。」
私をジッと見つめて黙って話しを聞いてくれていた王様は、私がニコッと笑うと優しく微笑んでくれた。
「お前は面白いな。話しているとなんだか癒される。」
王様はそう言うと、私を抱っこしたままとーさまを見る。
「ロイスよ。良い子を養女にしたな。私はアヤナが気に入った。また城に連れて来い。」
「ありがとうございます。陛下。」
とーさまが膝をつき、頭を下げたまま答える。
王様がとーさまから私に目を移すとニッと笑って頭をよしよしと撫でてくれた。
私を見るその目は、さっきの悲しそうな目じゃなくなっていて、私はちょっとホッとした。
本物の王様はカッコよくて、優しくて、ちょっぴり悲しそうで……私の想像とは全然違ってました。
とっても広い部屋の一番奥に、立派な椅子に座っている男の人と女の人がいた。
多分、ていうか絶対あの人達が王様と王妃様だよね。
扉から王様達までの距離が遠いよ!部屋が広過ぎでしょ!
この部屋まで来るのにも結構歩いたからね。私はもうクタクタですよ。
リスターに手を引っ張ってもらって、私は部屋を歩いている。
王様達に近づくにつれて、王様の座っている横で立って控えている人が、ラントおじさまだって事に気付いた。
いつも無表情だけど今日は王様の横にいるせいか、いつもよりキリッとした無表情に見えなくもない。
私はラントおじさまに会えて嬉しくて、リスターと繋いでいない方の手をラントおじさまに振る。
おじさまは無表情だけど私に手を振り返してくれた。えへへっ。嬉しい!
「団長よ、その子か?そなたの養女になったのは。」
王様達の前に到着すると、とーさまが王様に声をかけられた。
「はい。アヤナと申します。アヤナ、国王にご挨拶を。」
とーさまに促され、私は一歩前に出て王様と王妃様にカーテシーで挨拶をする。
「はじめまして。あやな、と、もうします。よろしく、おねがいします。」
「うむ、顔を上げよ。」
私は言われて顔を上げると、王様と王妃様を間近で見て驚いた。
だってすごく若いんだもん!!何歳なの?
想像していた王様と違う!お鼻の下に髭が……生えてない!
お腹が脂肪でポッチャリ……してない!
王様は金髪金目のイケメン、王妃様は銀髪緑目の美人さんでした。
もうこの世界、綺麗な顔の人しかいないんじゃないだろうか……。大丈夫なのか?私!!
私が目を丸くしたり眉間に皺を寄せたりしていると、王様はその様子を面白そうに見て言った。
「アヤナよ、どうしたのだ?可笑しな顔をしているぞ。」
「ひげもじゃ……おなかぽっちゃり、ちがった。」
「ひげもじゃ?」
「えほん、おうさま、おじさんだった。ひげもじゃ、ぽっちゃり。」
私は分かりやすいように、手で鼻の下にお髭を作ってみたり、お腹をぷっくりさせるようなジェスチャーをしたりして、想像の王様を目の前にいる本物の王様に必死に伝える。
王様は口を手で覆い笑うのを我慢していたみたいだけど、最後は堪えきれずに大笑いしていた。
「それはどんな絵本だ。」
本当にね!!よく王子様とかはカッコよく描かれているけど、王様ってあんまりなことが多い気がする。え?私の選ぶ絵本がいけなかったの?
「本物の王はどうだ?」
「おうさま、かっこいい!おうひさま、きれい!ほんもの、すごい!!」
私は興奮して両手をブンブンしながら叫んでしまった。
「アヤナ」
とーさまが私を落ち着かせようと頭をポンポンしてくれる。
しまった!また大きな声出しちゃった!
私が慌てて口を押さえると、王様が笑いながら近づいて来た。
「よいよい。私はかっこいいか?アヤナに言われるのは素直に嬉しいな。」
王様は私を抱き上げると、私の目をジッと見つめてくる。その目は、ちょっと悲しそうだった。
「……城には本心の見えない者が多過ぎる。腹黒い奴ばかりだからな。」
「陛下。アヤナに愚痴を零すのはおやめ下さい。アヤナが困ってしまいます。」
ラントおじさまが無表情のまま王様に注意してるけど……私は王様の悲しそうな目が気になって、顔を王様にグイッと近づけて真っ直ぐに目を見た。
「おうさま、かなしい?」
「…………」
「みんな、はらぐろ、ちがう。とーさま、かーさま、リスター、フレイにーさま、ダナンさん、カールさん、あと、それから……あ、ラントおじさま!」
「……アヤナ、今私を忘れていなかったかい?」
「わ、わすれて、ない!ラントおじさま、むひょうじょう、でも、やさしい!
みんな、みんな、やさしい!はらぐろ、ちがう!」
「アヤナ。」
私は気持ちが届いて欲しくて、王様の首にしがみ付いていた手にギュッと力を込めて言った。
「だから、おうさま、だいじょうぶ。」
私をジッと見つめて黙って話しを聞いてくれていた王様は、私がニコッと笑うと優しく微笑んでくれた。
「お前は面白いな。話しているとなんだか癒される。」
王様はそう言うと、私を抱っこしたままとーさまを見る。
「ロイスよ。良い子を養女にしたな。私はアヤナが気に入った。また城に連れて来い。」
「ありがとうございます。陛下。」
とーさまが膝をつき、頭を下げたまま答える。
王様がとーさまから私に目を移すとニッと笑って頭をよしよしと撫でてくれた。
私を見るその目は、さっきの悲しそうな目じゃなくなっていて、私はちょっとホッとした。
本物の王様はカッコよくて、優しくて、ちょっぴり悲しそうで……私の想像とは全然違ってました。
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