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事情聴取……からの、過保護暴露!?
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「お二人は、どういったお知り合いなのですか?」
馬車に揺られながら、暫く重たい空気のまま誰も喋らなかったんだけど、それを断ち切ったのは、私の向かいに座っている男の人だった。
サイラスの背中に埋めていた顔を少し上げて、その人を隠れ見る。
金髪金眼の男の人は、20歳代前半?くらいで、若そうに見える。
ジッと私を見つめる瞳は、一重の切長で、鋭い。
…………何かに似ているなぁ。……う~ん……。あ、あれだ。思い出した。
前に、お母さんに買ってもらった、生き物図鑑に載ってたヤツ。
蛇だ。蛇の眼だ。
よくよく見ると、瞳孔が他の人よりも縦長で、ホントに蛇みたいな眼をしている。
だから余計にジッと見つめられると、威圧感があるというか、ちょっと怖い。
…………イケメンだけどね。
まあ、サイラスの方が私的には断然カッコいいけどね。
私がグルグルと頭の中で考えていると、蛇目の男の人は少し目を細めて、また質問をする。
「どういった経緯で、一緒に暮らしているのですか?」
「…………」
ーーなんて言おう?
抱きついたままサイラスを見上げると、サイラスは私を見て微笑み、首を横に振った。
OKです。何も言うなと言うことですな?
私はサイラスにコクコクと頷いて見せて、ダンマリを決行する。
サイラスと2人で黙っていると、向かいに座っていた男の人達は、顔を見合わせて、ちょっとお疲れ気味な溜息を吐いた。
そんな溜息を吐かれると、なんだか悪いことをしている気分になっちゃうじゃん。
「あの…………お名前、聞いてもいいですか?私はユーカっていいます。……なんか、"娘"って呼ばれるのがちょっと……。」
この雰囲気を変えるために、私は自己紹介をした。
かなり遅くなっちゃったけど、まずは名前を知らないと、だよね。
ずっと"娘"って呼ばれてたのも気になってたし。
急に自己紹介を始めた私を見て、2人は目を丸くしていたけど、それまで硬かった表情がちょっと和らいだように見える。
「これは失礼した。私はメイソン。よろしく、ユーカ。」
「私はクレイブだ。ユーカ、よろしくな。」
2人の優しい声色に、ちょっとホッとした私は、ニコッと笑ってコクコクと頷いた。
蛇目の人が「メイソン」さんで、その隣の金髪がゆるふわな癖っ毛っぽい、ヤンチャなワンコ系の人が「クレイブ」さんかぁ。
ーー初めて会った時は怖かったけど、そんなに悪い人達じゃなさそうだよね。
2人も私に微笑んでくれて、3人でニコニコしていると、サイラスにグイッと強く抱き込まれて、顔を隠された。
「どうしたの?」
「そんな可愛い顔して笑ったら駄目でしょ。」
「え?」
ムスッとして私を見ていたサイラスは、2人に目を移してジロリと睨む。
「まだコイツらが何を考えてるか分からないんだ。何をするか分からない奴らに、そんな可愛い顔を見せちゃ駄目でしょ!」
「ええ~!?」
ーーなんだそれ!?
こんな時に、サイラスの過保護フィルターがかかりまくってる!!
……ほら、サイラスさんや。見てご覧よ。
2人とも、ア然としちゃってるじゃないのよ。
お口、ポカーンですよ。
「……サイラス。他の人から見たら、私はそこまで可愛くないと思うから、そんなに心配してくれなくても……」
「何言ってるんだ!ユーカは世界一可愛いよ!!」
「「「………………」」」
私達3人が呆れているのもお構い無しに、サイラスが私をギュウギュウと抱き締めながら、声を張り上げる。
…………うん、そうか。サイラスのそれは、誰がいても関係なく発動されるモノなんだね。
…………過保護フィルター、恐るべし。
ヨシヨシと、宥めるようにサイラスの背中をポンポンとしながら、顔だけメイソンさんとクレイブさんに向けた。
サイラスにキツく抱き締められいるから、頭を動かすだけでも一苦労だ。
「…………なんか、ごめんなさい。サイラスは、いつもはこんな感じじゃないんです。ただちょっと……いや、かなり過保護なだけで……。」
ペコリと頭を下げると、2人は顔を若干引き攣らせつつ、私とサイラスを交互に見ながら苦笑する。
「いや…………大丈夫だ。王子とユーカの関係性が見られて、逆に良かったよ。……王子はユーカに対して、いつもそんな調子なのか?」
「…………まぁ、はい…………そうですね。」
ーーとっても、可愛がられてます。
「……チッ。ユーカ、ユーカって馴れ馴れしく呼ぶんじゃねぇよ。気安く話しかけんな。」
悪態を吐くサイラスを、もう2人も微笑ましくすら見ていて、そんな状況に私も笑ってしまっていた。
きっと、サイラスは不安なんだと思う。
初めて会うお父さんのこと、初めて行く獣人の国のこと、これから大きく変わるであろう自分の将来のこと、それ等、全部が。
「なんで笑ってんの。」
ムスッとしつつも、私を抱き締めたまま離さないサイラスに、私はまた笑ってしまいながらギューッと抱き締め返した。
「なんでもなーい。」
だって、これってちょっと私に甘えてくれてるってことだよね?
そんなサイラスが可愛いなぁ、なんて、私が思ってるのは内緒なんだもん。
ギュウギュウと抱きしめ合っている私達を、向かいに座っている2人は目を細め、優しく見守ってくれていた。
馬車に揺られながら、暫く重たい空気のまま誰も喋らなかったんだけど、それを断ち切ったのは、私の向かいに座っている男の人だった。
サイラスの背中に埋めていた顔を少し上げて、その人を隠れ見る。
金髪金眼の男の人は、20歳代前半?くらいで、若そうに見える。
ジッと私を見つめる瞳は、一重の切長で、鋭い。
…………何かに似ているなぁ。……う~ん……。あ、あれだ。思い出した。
前に、お母さんに買ってもらった、生き物図鑑に載ってたヤツ。
蛇だ。蛇の眼だ。
よくよく見ると、瞳孔が他の人よりも縦長で、ホントに蛇みたいな眼をしている。
だから余計にジッと見つめられると、威圧感があるというか、ちょっと怖い。
…………イケメンだけどね。
まあ、サイラスの方が私的には断然カッコいいけどね。
私がグルグルと頭の中で考えていると、蛇目の男の人は少し目を細めて、また質問をする。
「どういった経緯で、一緒に暮らしているのですか?」
「…………」
ーーなんて言おう?
抱きついたままサイラスを見上げると、サイラスは私を見て微笑み、首を横に振った。
OKです。何も言うなと言うことですな?
私はサイラスにコクコクと頷いて見せて、ダンマリを決行する。
サイラスと2人で黙っていると、向かいに座っていた男の人達は、顔を見合わせて、ちょっとお疲れ気味な溜息を吐いた。
そんな溜息を吐かれると、なんだか悪いことをしている気分になっちゃうじゃん。
「あの…………お名前、聞いてもいいですか?私はユーカっていいます。……なんか、"娘"って呼ばれるのがちょっと……。」
この雰囲気を変えるために、私は自己紹介をした。
かなり遅くなっちゃったけど、まずは名前を知らないと、だよね。
ずっと"娘"って呼ばれてたのも気になってたし。
急に自己紹介を始めた私を見て、2人は目を丸くしていたけど、それまで硬かった表情がちょっと和らいだように見える。
「これは失礼した。私はメイソン。よろしく、ユーカ。」
「私はクレイブだ。ユーカ、よろしくな。」
2人の優しい声色に、ちょっとホッとした私は、ニコッと笑ってコクコクと頷いた。
蛇目の人が「メイソン」さんで、その隣の金髪がゆるふわな癖っ毛っぽい、ヤンチャなワンコ系の人が「クレイブ」さんかぁ。
ーー初めて会った時は怖かったけど、そんなに悪い人達じゃなさそうだよね。
2人も私に微笑んでくれて、3人でニコニコしていると、サイラスにグイッと強く抱き込まれて、顔を隠された。
「どうしたの?」
「そんな可愛い顔して笑ったら駄目でしょ。」
「え?」
ムスッとして私を見ていたサイラスは、2人に目を移してジロリと睨む。
「まだコイツらが何を考えてるか分からないんだ。何をするか分からない奴らに、そんな可愛い顔を見せちゃ駄目でしょ!」
「ええ~!?」
ーーなんだそれ!?
こんな時に、サイラスの過保護フィルターがかかりまくってる!!
……ほら、サイラスさんや。見てご覧よ。
2人とも、ア然としちゃってるじゃないのよ。
お口、ポカーンですよ。
「……サイラス。他の人から見たら、私はそこまで可愛くないと思うから、そんなに心配してくれなくても……」
「何言ってるんだ!ユーカは世界一可愛いよ!!」
「「「………………」」」
私達3人が呆れているのもお構い無しに、サイラスが私をギュウギュウと抱き締めながら、声を張り上げる。
…………うん、そうか。サイラスのそれは、誰がいても関係なく発動されるモノなんだね。
…………過保護フィルター、恐るべし。
ヨシヨシと、宥めるようにサイラスの背中をポンポンとしながら、顔だけメイソンさんとクレイブさんに向けた。
サイラスにキツく抱き締められいるから、頭を動かすだけでも一苦労だ。
「…………なんか、ごめんなさい。サイラスは、いつもはこんな感じじゃないんです。ただちょっと……いや、かなり過保護なだけで……。」
ペコリと頭を下げると、2人は顔を若干引き攣らせつつ、私とサイラスを交互に見ながら苦笑する。
「いや…………大丈夫だ。王子とユーカの関係性が見られて、逆に良かったよ。……王子はユーカに対して、いつもそんな調子なのか?」
「…………まぁ、はい…………そうですね。」
ーーとっても、可愛がられてます。
「……チッ。ユーカ、ユーカって馴れ馴れしく呼ぶんじゃねぇよ。気安く話しかけんな。」
悪態を吐くサイラスを、もう2人も微笑ましくすら見ていて、そんな状況に私も笑ってしまっていた。
きっと、サイラスは不安なんだと思う。
初めて会うお父さんのこと、初めて行く獣人の国のこと、これから大きく変わるであろう自分の将来のこと、それ等、全部が。
「なんで笑ってんの。」
ムスッとしつつも、私を抱き締めたまま離さないサイラスに、私はまた笑ってしまいながらギューッと抱き締め返した。
「なんでもなーい。」
だって、これってちょっと私に甘えてくれてるってことだよね?
そんなサイラスが可愛いなぁ、なんて、私が思ってるのは内緒なんだもん。
ギュウギュウと抱きしめ合っている私達を、向かいに座っている2人は目を細め、優しく見守ってくれていた。
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