ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里

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"可愛い"が凝縮された子に出会いました!

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私は今、ガチガチに緊張しております。

…………何故かって?

それは私の目の前に可愛い男の子?が立っていて、私をガン見しているからなのであります。


ことの始まりは、30分前に遡る。


部屋でエマさんに本を読んでもらっていた私を、メイソンさんが訪ねて来た。


「クレイブが、息子を連れて登城したのですが、会ってみる気はありますか?」


クレイブさんの息子?

その子って、確か私と同じ歳じゃなかった?


「はい!会いたいですっ!!」


この世界に来て、同じくらいの年齢の子との接点がまるで無かった私は、前のめりになって答えた。


「では、下で待たせておきますので来てくださいね。」


私の様子を見てクスクスと笑うメイソンさん。

メイソンさんは、私に敬語で話すようになった。

国王様の娘になったから、今までのようには話せないんだって。

…………私に敬語を使う必要なんて無いのにね。なんだか、よそよそしくなったみたいで悲しいし。

そんなような事をメイソンさんに言ったら、


「ユーカが国王の娘になったのだと、周りに知らしめる為です。ユーカの存在を軽んじられては、私も黙ってはいられないので。そうなる前に牽制しているのですよ。」


と、目を細めながら頭を撫でられた。

いまいち意味が良く分からなかったけど、メイソンさんに嫌われたんじゃないんなら、まあいいか。

部屋を出て行くメイソンさんを見送ってから、急いでエマさんに準備を整えてもらう。

エマさんは私の専属侍女になってから、私の髪や肌のお手入れをとっても入念にしてくれている。

お陰で私の髪はツヤツヤ、お肌モチモチになり、見た目も前よりはちょっとマシになったんじゃないかな。


部屋着(っていっても私にしてみたら豪華な服なんだけど)から、小洒落たドレスに着替え、エマさんと手を繋いでクレイブさん親子の待つ玄関ホールへ歩いて行く。


「ああ、いましたよ。あそこです。」


エマさんの視線の先に、クレイブさんと子供の姿が。

近付くにつれて、その姿がハッキリと見えてきて緊張する。

私達が来たことに気付いた男の子が、階段を下りる私を見上げたのでバチッと目が合った。


…………男の子……だよね?

メチャクチャ可愛いんですけど。


クレイブさんに似たゆるふわな金髪は、男の子らしく短めにスッキリとカットされている。

黒のズボンにピシッとした白いシャツをインした服装も、どこからどう見ても男の子だ。

……そう思うんだけど、私を見上げている顔がとにかく可愛すぎて、本当に男の子か疑ってしまうレベルなんだもん。 


金色の大きなくりくりお目々は、階段を下りる私を見上げているせいで意図せず上目遣いになり、その可愛さを倍増させている。

ジーッと男の子を見つめたままエマさんに手を引かれて歩いていたら、いつの間にかクレイブさん親子の前に到着していてビックリした。


「ユーカ様、息子のジョシュアです。」

「……ジョシュアです。よろしくお願いします。」


クレイブさんに促されたジョシュア君が一歩前に出てぺコリと挨拶をする。


至近距離で見ても、すっごく可愛いんですけど!?


マジマジと見過ぎて挨拶するのを忘れていた私に、エマさんが耳打ちをする。


「ユーカ様、ご挨拶を。」

「えっ!?あっ、ごめんなさい!!ユーカです。こちらこそ、よろしくお願いします!!」


ハッと我に返って慌てて手を差し出すと、ジョシュア君も手を伸ばして握ってくれた。


やっぱり、メチャクチャ可愛い!!仲良くなれるといいな!!


ジョシュア君の手を握り返してニッコリ笑うと、ジョシュア君の顔が一気に真っ赤になった。


「女の子と手を繋ぐなんて初めてだから、緊張してるのか?」

「き、緊張なんてしてません!ミアとだって、いつも手を繋いで散歩してるし……」

「ミアは妹じゃないか……まあ、2歳で身内でも、一応女の子か?」


クレイブさんが揶揄うようにクスクスと笑いながら言っているのに対して、ジョシュア君が更に顔を赤くして言い返している。

肌の色も白くて綺麗だから、赤くなるとすぐ分かるんだね。


可愛い!!


興奮のあまり、ジョシュアくんの手をガシッと両手で掴み直して、ぎゅーっと強く握ってしまった。


「ジョシュア君と会えてとっても嬉しいよ!これから仲良くしてね!」

「…………うん。」


顔を真っ赤にしてモジモジと恥じらいながら返事をするジョシュア君。


ーー可愛い。もはやジョシュア君からは可愛いしか感じられない。

男の子なのに、なんとも羨ましい!!



ジョシュア君の可愛さに悶えている私と、赤い顔をしてモジモジ恥じらっているジョシュア君。


そんな私達を、クレイブさんは可笑しそうに笑いながら、エマさんは微笑ましそうに目を細めながら見守っていた。










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