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第二章 未知の世界への移住
ランアウェイクイックリー
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「本当にこれ美味いよ! 何か、全てにおいて地上って偉大なんだな!」
「それもそうなんだが、私は地に足がつくこの感覚がまだ慣れないな……」
「それわかる! 地上と空島を歩く感覚って何か違うんだよな!」
「おお、わかってくれるか!? 上手く説明は難しいが、空島は、こう足元がフワフワっと……」
俺達は、もうすぐで日が暮れるだろうという時に森に戻って来た。
ある程度の散策を終え、俺達は明日のナサニエルから煙弾が打ち上がるのを待って、一旦帰ることになった。
今日は森の中で野宿をしようということになった。
そこで、俺達は森の適当に開けた場所を見つけて、今はなんとなく円になってそれぞれ自分で持ってきた食料や、森で採れた果物なんかを食べている。
全員が微妙な距離感を保って……
隣のサトルとアランとは、人が三人分くらい空いている。
しかも、六人もいるのに、ほとんど話しているのはサトルとハロルドだけ。
望は全員に背中を向けて寝そべり、アランはなぜか瞑想中のようだし。
まあ、ゾーイはマイペースに赤い果物をずっと食べ続けている。
気まずいとか関係ないんだろうな……
そんなゾーイが羨ましくて、長い時間じっと見つめてしまっていた時に、不意に視線を上げた彼女と目が合う。
「あ……ゾーイ、ごめ……!!」
「何か急に静かになってない?」
ギクリとなった俺には目もくれず、ゾーイはそう問いかけた。
「あ? どこがだよ、そこのアホ二人がうるさくて寝れやしねえよ」
「そうじゃなくて! ほら、さっきまで動物の鳴き声とかしてたじゃん!」
すかさず、望は悪態をついて、それにサトルとハロルドは苦笑い。
けど、ゾーイは違うと反論する。
確かにさっきまでは、あちこちから動物の鳴き声や、動物の足音とかが頻繁に聞こえていたような?
「ねえ、今後ろ動かなかった?」
すると、次にゾーイはサトルとハロルドの後ろの茂みを指差す。
そこの茂みに全員の視線が集中する。
確かに、ガサガサとそこの茂みは不自然に動いていた。
その場は沈黙に包まれ、これでもかと緊張が走っていたが……
「な、なな、何って愛らしいんだ!!」
「これは可愛すぎるな~!」
実際に茂みから出ては来たが、その正体はとても可愛らしかった。
フワフワの薄い茶色の毛に、クリクリの目、見た感じ爪と牙もあって……
多分、猫だと思うんだけど、何か違う気がしないでもないな……
「しっかし、まったく人間のことを警戒していないのか?」
「あ、もしかして、食べ物の匂いにつられたんじゃないだろうか?」
「確かに、そうかも! じゃあ、お腹が減っているのかな?」
「あげてもいいが、空島の食べ物で大丈夫だろうか?」
「待て、こいつの親はどこだ」
サトルとハロルドは、すっかりその猫のような動物に気を許していた。
その時、今までずっと目を閉じて無言を貫いていたアランが口を開いた。
「え、親というと?」
「それはどう見ても子どもだ。人間と同じように、こいつの親が近くにいたって不思議じゃないはずだ」
そして、それはアランの言葉が終わるのとほぼ同時だった。
「……クソッ!!」
「うわ、うわわわ……!!」
「サトル! 無事か!」
「何とか……間一髪ってやつかな」
サトルとハロルドの背後から、それは音もなく襲ってきた。
サトルは反射的に、ハロルドは隣の望に思いっきり突き飛ばされて、何とかそれを交わす。
慌てて俺も立ち上がり、サトルの側に駆け寄った。
特に二人とも怪我はないようだ。
「これが、それの親か……」
「襲うっていうより、あたし達のことを食料って思ってるかもね」
アランとゾーイは小声でそんなことを話しながら、立ち上がる。
俺達はお互いに目を合わせながら、ゆっくりと一歩ずつ後ろに下がって行く。
夕焼けに包まれ、辺り一面が赤で染まり、それは浮かび上がる。
大きな不気味に光る目、風になびく立派なたてがみ、特に鋭く長い爪と牙で襲われたらひとたまりもないだろう。
その猛獣の全てが恐ろしくて、その場の時は止まったようだった。
「逃げろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「それもそうなんだが、私は地に足がつくこの感覚がまだ慣れないな……」
「それわかる! 地上と空島を歩く感覚って何か違うんだよな!」
「おお、わかってくれるか!? 上手く説明は難しいが、空島は、こう足元がフワフワっと……」
俺達は、もうすぐで日が暮れるだろうという時に森に戻って来た。
ある程度の散策を終え、俺達は明日のナサニエルから煙弾が打ち上がるのを待って、一旦帰ることになった。
今日は森の中で野宿をしようということになった。
そこで、俺達は森の適当に開けた場所を見つけて、今はなんとなく円になってそれぞれ自分で持ってきた食料や、森で採れた果物なんかを食べている。
全員が微妙な距離感を保って……
隣のサトルとアランとは、人が三人分くらい空いている。
しかも、六人もいるのに、ほとんど話しているのはサトルとハロルドだけ。
望は全員に背中を向けて寝そべり、アランはなぜか瞑想中のようだし。
まあ、ゾーイはマイペースに赤い果物をずっと食べ続けている。
気まずいとか関係ないんだろうな……
そんなゾーイが羨ましくて、長い時間じっと見つめてしまっていた時に、不意に視線を上げた彼女と目が合う。
「あ……ゾーイ、ごめ……!!」
「何か急に静かになってない?」
ギクリとなった俺には目もくれず、ゾーイはそう問いかけた。
「あ? どこがだよ、そこのアホ二人がうるさくて寝れやしねえよ」
「そうじゃなくて! ほら、さっきまで動物の鳴き声とかしてたじゃん!」
すかさず、望は悪態をついて、それにサトルとハロルドは苦笑い。
けど、ゾーイは違うと反論する。
確かにさっきまでは、あちこちから動物の鳴き声や、動物の足音とかが頻繁に聞こえていたような?
「ねえ、今後ろ動かなかった?」
すると、次にゾーイはサトルとハロルドの後ろの茂みを指差す。
そこの茂みに全員の視線が集中する。
確かに、ガサガサとそこの茂みは不自然に動いていた。
その場は沈黙に包まれ、これでもかと緊張が走っていたが……
「な、なな、何って愛らしいんだ!!」
「これは可愛すぎるな~!」
実際に茂みから出ては来たが、その正体はとても可愛らしかった。
フワフワの薄い茶色の毛に、クリクリの目、見た感じ爪と牙もあって……
多分、猫だと思うんだけど、何か違う気がしないでもないな……
「しっかし、まったく人間のことを警戒していないのか?」
「あ、もしかして、食べ物の匂いにつられたんじゃないだろうか?」
「確かに、そうかも! じゃあ、お腹が減っているのかな?」
「あげてもいいが、空島の食べ物で大丈夫だろうか?」
「待て、こいつの親はどこだ」
サトルとハロルドは、すっかりその猫のような動物に気を許していた。
その時、今までずっと目を閉じて無言を貫いていたアランが口を開いた。
「え、親というと?」
「それはどう見ても子どもだ。人間と同じように、こいつの親が近くにいたって不思議じゃないはずだ」
そして、それはアランの言葉が終わるのとほぼ同時だった。
「……クソッ!!」
「うわ、うわわわ……!!」
「サトル! 無事か!」
「何とか……間一髪ってやつかな」
サトルとハロルドの背後から、それは音もなく襲ってきた。
サトルは反射的に、ハロルドは隣の望に思いっきり突き飛ばされて、何とかそれを交わす。
慌てて俺も立ち上がり、サトルの側に駆け寄った。
特に二人とも怪我はないようだ。
「これが、それの親か……」
「襲うっていうより、あたし達のことを食料って思ってるかもね」
アランとゾーイは小声でそんなことを話しながら、立ち上がる。
俺達はお互いに目を合わせながら、ゆっくりと一歩ずつ後ろに下がって行く。
夕焼けに包まれ、辺り一面が赤で染まり、それは浮かび上がる。
大きな不気味に光る目、風になびく立派なたてがみ、特に鋭く長い爪と牙で襲われたらひとたまりもないだろう。
その猛獣の全てが恐ろしくて、その場の時は止まったようだった。
「逃げろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
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