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第二章 未知の世界への移住
野生動物の特性でしたね
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「森に入った時から、何かに見られてる気はしてた」
「ご名答! さすが、無駄に人相悪いだけはあるよね? 好奇の目に晒されまくってるから敏感なんでしょ?」
檻の柵にもたれかかりながら呟いたアランの言葉に、ゾーイがまたいつもの調子で返答をしてアランに睨まれている。
そう、俺達は全員仲良く、檻の中に押し込められている。
どうしてこうなったのか……
まず、俺達が自動車から下りてすぐ刃で襲って来たのは、犬と猫だった。
それもただの犬と猫ではなく、二足歩行をし、道具を使う、人間に近い姿に進化を遂げた犬人間と猫人間だったのだ。
チラッと見ただけだったけど、体毛としっぽをはじめとした犬と猫それぞれの犬種や猫種の種類の特徴は残している。
しかし、ここに来るまで見た行動や仕草は人間と何ら変わらなかった。
「とりあえずは、地上がこんなことになってたなんて大発見じゃん」
「そんなくだらねえことに感動してる場合か!? 今のこの状況を見ろよ!」
ゾーイの能天気な考えに、望以外は反論する気力はなく呆然とするだけ。
あまりに情報量が多すぎて、処理が自分の中で追いつかないし、まるで脳が悲鳴を上げてるようだ。
あの時の俺達は、突然の状況にすぐに逃げるなんてできるわけもなく、両手を縛られ、抵抗虚しく、この檻の中に入ることになってしまった。
森の中の洞窟のような場所を利用して作られたこの檻は、何と立派な鉄格子で鍵までしっかりとついているときてる。
俺達十五人が全員押し込められても十分な広さだ。
しかも、檻の両端には明かりとして松明が置かれ、見張りとして檻の外には犬人間が二匹? いや、二人? 数え方はともかく、そこにいる。
ありえなさすぎて、もうパニックだ。
二足歩行まではまだしも、前足で道具を使うなんて……チラッと見たけど、その前足が根本的に違う。
まるで、俺達人間の手のようだった。
さらにありえないことが、松明というより、火を使うことだ。
動物は火を怖がる傾向にあるが、それは火に慣れていないから怖がる。
けど、ここの犬人間と猫人間は見る限りは火を怖がる素振りなんてなく、火を日常的に使っているようだ。
まあさすがに、言葉は話せないようだけど……ここまで犬人間と猫人間の会話のようなものは聞いていないしな。
意思疎通とかどうしてるんだ?
というか、そもそも、どうしてこんなことになってる……?
「やっぱり、私達はナサニエルにいるべきだったのよ」
その言葉で俺は思考の渦から、一瞬で現実に引き戻される。
そう力強く確信的に呟いたのは、ローレンさんだった。
そうだよな、今はこの状況からどう抜け出すかを考えることが先決だよな。
また今後考えよう……今度があれば。
「おい! こんなことになって、どう責任を取るつもりだよ!」
「望! どうして、お前は……!! 自分のことしか考えられないのか!」
「誰の責任かなんてないわよ! 誰も予想できなかったんだから!」
「はあ? 俺の今の言い分は、この場のほとんどの人間が思ってることだ! 優等生ぶって誰も言わねえから、代表して俺が言ってやったんだろうが!」
望の責め立てる声が、檻の中にやけに響いた気がした。
俺と真由がすぐに訂正するように言うけれど、望の言葉が発端となり、全員がある人物へと様々な視線を送ることになってしまった。
絶望に打ちひしがれている者、非難の目を向ける者と、重すぎる感情が一気にゾーイへと注がれる。
ゆっくり振り返るゾーイ、またついて来てなんて頼んでないとか何とか、何かを言い返すだろうと全員が思っていた。
けど、ゾーイは俺達全員をぐるりと見回した後、無表情のまま背を向けてそのまま座り込んだ。
結局、ゾーイは何も言わなかった。
翌朝になって、俺達は処刑台に立たされた――
「ご名答! さすが、無駄に人相悪いだけはあるよね? 好奇の目に晒されまくってるから敏感なんでしょ?」
檻の柵にもたれかかりながら呟いたアランの言葉に、ゾーイがまたいつもの調子で返答をしてアランに睨まれている。
そう、俺達は全員仲良く、檻の中に押し込められている。
どうしてこうなったのか……
まず、俺達が自動車から下りてすぐ刃で襲って来たのは、犬と猫だった。
それもただの犬と猫ではなく、二足歩行をし、道具を使う、人間に近い姿に進化を遂げた犬人間と猫人間だったのだ。
チラッと見ただけだったけど、体毛としっぽをはじめとした犬と猫それぞれの犬種や猫種の種類の特徴は残している。
しかし、ここに来るまで見た行動や仕草は人間と何ら変わらなかった。
「とりあえずは、地上がこんなことになってたなんて大発見じゃん」
「そんなくだらねえことに感動してる場合か!? 今のこの状況を見ろよ!」
ゾーイの能天気な考えに、望以外は反論する気力はなく呆然とするだけ。
あまりに情報量が多すぎて、処理が自分の中で追いつかないし、まるで脳が悲鳴を上げてるようだ。
あの時の俺達は、突然の状況にすぐに逃げるなんてできるわけもなく、両手を縛られ、抵抗虚しく、この檻の中に入ることになってしまった。
森の中の洞窟のような場所を利用して作られたこの檻は、何と立派な鉄格子で鍵までしっかりとついているときてる。
俺達十五人が全員押し込められても十分な広さだ。
しかも、檻の両端には明かりとして松明が置かれ、見張りとして檻の外には犬人間が二匹? いや、二人? 数え方はともかく、そこにいる。
ありえなさすぎて、もうパニックだ。
二足歩行まではまだしも、前足で道具を使うなんて……チラッと見たけど、その前足が根本的に違う。
まるで、俺達人間の手のようだった。
さらにありえないことが、松明というより、火を使うことだ。
動物は火を怖がる傾向にあるが、それは火に慣れていないから怖がる。
けど、ここの犬人間と猫人間は見る限りは火を怖がる素振りなんてなく、火を日常的に使っているようだ。
まあさすがに、言葉は話せないようだけど……ここまで犬人間と猫人間の会話のようなものは聞いていないしな。
意思疎通とかどうしてるんだ?
というか、そもそも、どうしてこんなことになってる……?
「やっぱり、私達はナサニエルにいるべきだったのよ」
その言葉で俺は思考の渦から、一瞬で現実に引き戻される。
そう力強く確信的に呟いたのは、ローレンさんだった。
そうだよな、今はこの状況からどう抜け出すかを考えることが先決だよな。
また今後考えよう……今度があれば。
「おい! こんなことになって、どう責任を取るつもりだよ!」
「望! どうして、お前は……!! 自分のことしか考えられないのか!」
「誰の責任かなんてないわよ! 誰も予想できなかったんだから!」
「はあ? 俺の今の言い分は、この場のほとんどの人間が思ってることだ! 優等生ぶって誰も言わねえから、代表して俺が言ってやったんだろうが!」
望の責め立てる声が、檻の中にやけに響いた気がした。
俺と真由がすぐに訂正するように言うけれど、望の言葉が発端となり、全員がある人物へと様々な視線を送ることになってしまった。
絶望に打ちひしがれている者、非難の目を向ける者と、重すぎる感情が一気にゾーイへと注がれる。
ゆっくり振り返るゾーイ、またついて来てなんて頼んでないとか何とか、何かを言い返すだろうと全員が思っていた。
けど、ゾーイは俺達全員をぐるりと見回した後、無表情のまま背を向けてそのまま座り込んだ。
結局、ゾーイは何も言わなかった。
翌朝になって、俺達は処刑台に立たされた――
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