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第二章 未知の世界への移住
善人なんて信用できないよね
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「それじゃあ、改めて! 僕はレオ! 一応、犬族と猫族の全体のリーダーをやっているんだ、よろしくね!」
「私はモカよ。猫族のリーダーで、レオのサポートをやってます。わからないことがあったら、聞いてね?」
気を取り直してというべきか、俺達は改めて自己紹介をした。
ゴールデンレトリバーのレオは、たとえると好青年って単語がよく似合うって印象だ。
この短時間でもレオの……人柄か、犬柄かはさて置き、十分にわかる。
ゾーイに一番最初に話しかけたり、それを他の奴らが見守ってたり、それらはリーダーシップがあって、他者からの信頼が厚いってことの証拠だ。
一方で、アメリカンショートヘアのモカは、聡明で優しいって印象かな。
猫に大人っぽいって表現は何だか変な気がするけど、それがピッタリだ。
そして、自己紹介がまだなのは……
「コタロウ! 自己紹介して!」
「あ? 何でだよ?」
「何でって……そんな態度、失礼よ!」
レオとモカとは違って、最初からわかりやすく俺達に敵意を向けるドーベルマン。
あからさますぎるその態度をモカが注意するが、まるで聞いてないようで。
何か……望を見てるみたいだ。
「まあまあ、モカ、落ち着いて? コタロウ、頼むよ」
「……コタロウ」
「あ、コタロウは犬族のリーダーで、兵団の団長でもあるんだ!」
レオが間に入り、無愛想にコタロウと自分の名前だけを言って、すぐそっぽを向いてしまった。
「レオ、モカ、コタロウだな! 丁寧な挨拶に感謝する! では、次はこちらの番だな! まずは私から……」
そして、ハロルドを筆頭に、俺達も順番にそれぞれ自己紹介をしていく。
「長すぎるでしょう、終わった!? もう待ちくたびれたんだけど!?」
「ごめんごめん、お待たせ! ほら、最後はゾーイで締めて?」
全員の自己紹介が終わる頃には、レオの家を勝手に物色し始めるほどにゾーイは飽きていた。
慌てて、サトルが宥めてゾーイに自己紹介を促す。
「……ねえ、思ったんだけど、自己紹介とか意味ある? 興味なくない?」
「まさかのここに来て、拒否!?」
「ゾーイ……そんなのいまさら、本末転倒もいいところよ……」
シンとデルタが、心底疲れたこいつはダメだという態度を隠さず、そう言う。
全員が終わって、残りは自分だけって時にそんなこと言われてもだよ……
「僕は! いや、ぜひ僕達は君の名前を知りたいかな!」
「そりゃまた、奇特ね」
レオがたまらずに訴えて、それにゾーイが心底意外だという風に答える。
というか、レオの言う通りだよ?
あれだけ派手にやらかしておいて、名乗りませんなんてね……
少なくともこの場にいるレオ、コタロウ、モカは俺達の中の誰よりゾーイのことを知りたいと思ってると思うよ?
「けど、本当に大丈夫なの? さっきの今で、あたし達のこと信用してさ?」
「え、君が言うの? 自分は善人なんかじゃないってことかい?」
すると、今度はこの事態をひっくり返したいのかと思わせる発言をした。
嘘でしょ? まあ、あの流れから上手くいきすぎてるとは思うけど……
俺達は途端にざわつき始め、その中で俺は、サトルと真由と目が合う。
苦笑いと首を傾げるしかなかった。
一方、レオは笑いながら、そんな質問をゾーイにする。
すると、ゾーイは少し考えて……
「一つ忠告しとく。あたし達が、善人かどうかなんてわからない」
はっきりと、レオにそう告げたのだ。
「少なくとも、あたしは自分を善人だと思ったことは一度もないし。他の奴らに関してはよく知らん。それだけは覚えておいてね?」
おかしくなるくらいに、本当に君は変わり者で正直だ。
それを聞いて、しばらくの間は呆然としていたレオだけど、すぐにその顔には笑顔が戻る。
というか、ツボに入ったようだ。
「ははは……!! あははははは!」
「え、何よ?」
「ごめん、大丈夫……おかしな話をするけど、僕は君が好きになったよ」
レオは涙が浮かぶほど笑った後に、ゾーイにそう告げた。
「は? それはどうも?」
「どういたしまして」
「あ、言い忘れてたけど、チーターから助けてくれてありがとう」
「え?」
「何だって?」
丸く収まろうとしたところに、またゾーイの予想外の言葉が飛ぶ。
思わず、俺と望は声が出ていた。
「あなた、気付いてたの?」
「まあ、さすがに犬族と猫族の仕業だとまでは予想できなかったけどね~?」
モカが代表で答えるが、驚いているのは俺達だけじゃなく、レオ達も同じだ。
それをゾーイは少し眉を下げて、不服そうに話す。
「え、何で? あの時点では……」
「だって、象がどれだけ賢いかってのは知らないけど、少なくともあたし達のことを助けて、森まで誘導するとか理由が見当たらないし……そうなると、誰かの指示ってことになるでしょ?」
「それで、何らかの高度な知能を持つ生物がいるだろうということなの?」
「そうよ? けど、すごいね! 動物とのコミュニケーションとか、どういう感覚なの!?」
どうってことないというようにゾーイは話し、すぐに興味は動物とのコミュニケーションのとり方に移ったようだ。
本当に周りの人間を置いて、マイペースに進むよな……
問いかけていたモカは信じられないと小さく呟いて、レオとコタロウは目を見開いている。
ゾーイは俺に象の特徴を聞いてきた時点で、何かを察していたってことか?
俺の中で、ますますゾーイがわからなくなっていた時、新たな話題が上がる。
「てか、思ったんだけど……何で、俺達お互いに言葉が通じるんだ?」
「私はモカよ。猫族のリーダーで、レオのサポートをやってます。わからないことがあったら、聞いてね?」
気を取り直してというべきか、俺達は改めて自己紹介をした。
ゴールデンレトリバーのレオは、たとえると好青年って単語がよく似合うって印象だ。
この短時間でもレオの……人柄か、犬柄かはさて置き、十分にわかる。
ゾーイに一番最初に話しかけたり、それを他の奴らが見守ってたり、それらはリーダーシップがあって、他者からの信頼が厚いってことの証拠だ。
一方で、アメリカンショートヘアのモカは、聡明で優しいって印象かな。
猫に大人っぽいって表現は何だか変な気がするけど、それがピッタリだ。
そして、自己紹介がまだなのは……
「コタロウ! 自己紹介して!」
「あ? 何でだよ?」
「何でって……そんな態度、失礼よ!」
レオとモカとは違って、最初からわかりやすく俺達に敵意を向けるドーベルマン。
あからさますぎるその態度をモカが注意するが、まるで聞いてないようで。
何か……望を見てるみたいだ。
「まあまあ、モカ、落ち着いて? コタロウ、頼むよ」
「……コタロウ」
「あ、コタロウは犬族のリーダーで、兵団の団長でもあるんだ!」
レオが間に入り、無愛想にコタロウと自分の名前だけを言って、すぐそっぽを向いてしまった。
「レオ、モカ、コタロウだな! 丁寧な挨拶に感謝する! では、次はこちらの番だな! まずは私から……」
そして、ハロルドを筆頭に、俺達も順番にそれぞれ自己紹介をしていく。
「長すぎるでしょう、終わった!? もう待ちくたびれたんだけど!?」
「ごめんごめん、お待たせ! ほら、最後はゾーイで締めて?」
全員の自己紹介が終わる頃には、レオの家を勝手に物色し始めるほどにゾーイは飽きていた。
慌てて、サトルが宥めてゾーイに自己紹介を促す。
「……ねえ、思ったんだけど、自己紹介とか意味ある? 興味なくない?」
「まさかのここに来て、拒否!?」
「ゾーイ……そんなのいまさら、本末転倒もいいところよ……」
シンとデルタが、心底疲れたこいつはダメだという態度を隠さず、そう言う。
全員が終わって、残りは自分だけって時にそんなこと言われてもだよ……
「僕は! いや、ぜひ僕達は君の名前を知りたいかな!」
「そりゃまた、奇特ね」
レオがたまらずに訴えて、それにゾーイが心底意外だという風に答える。
というか、レオの言う通りだよ?
あれだけ派手にやらかしておいて、名乗りませんなんてね……
少なくともこの場にいるレオ、コタロウ、モカは俺達の中の誰よりゾーイのことを知りたいと思ってると思うよ?
「けど、本当に大丈夫なの? さっきの今で、あたし達のこと信用してさ?」
「え、君が言うの? 自分は善人なんかじゃないってことかい?」
すると、今度はこの事態をひっくり返したいのかと思わせる発言をした。
嘘でしょ? まあ、あの流れから上手くいきすぎてるとは思うけど……
俺達は途端にざわつき始め、その中で俺は、サトルと真由と目が合う。
苦笑いと首を傾げるしかなかった。
一方、レオは笑いながら、そんな質問をゾーイにする。
すると、ゾーイは少し考えて……
「一つ忠告しとく。あたし達が、善人かどうかなんてわからない」
はっきりと、レオにそう告げたのだ。
「少なくとも、あたしは自分を善人だと思ったことは一度もないし。他の奴らに関してはよく知らん。それだけは覚えておいてね?」
おかしくなるくらいに、本当に君は変わり者で正直だ。
それを聞いて、しばらくの間は呆然としていたレオだけど、すぐにその顔には笑顔が戻る。
というか、ツボに入ったようだ。
「ははは……!! あははははは!」
「え、何よ?」
「ごめん、大丈夫……おかしな話をするけど、僕は君が好きになったよ」
レオは涙が浮かぶほど笑った後に、ゾーイにそう告げた。
「は? それはどうも?」
「どういたしまして」
「あ、言い忘れてたけど、チーターから助けてくれてありがとう」
「え?」
「何だって?」
丸く収まろうとしたところに、またゾーイの予想外の言葉が飛ぶ。
思わず、俺と望は声が出ていた。
「あなた、気付いてたの?」
「まあ、さすがに犬族と猫族の仕業だとまでは予想できなかったけどね~?」
モカが代表で答えるが、驚いているのは俺達だけじゃなく、レオ達も同じだ。
それをゾーイは少し眉を下げて、不服そうに話す。
「え、何で? あの時点では……」
「だって、象がどれだけ賢いかってのは知らないけど、少なくともあたし達のことを助けて、森まで誘導するとか理由が見当たらないし……そうなると、誰かの指示ってことになるでしょ?」
「それで、何らかの高度な知能を持つ生物がいるだろうということなの?」
「そうよ? けど、すごいね! 動物とのコミュニケーションとか、どういう感覚なの!?」
どうってことないというようにゾーイは話し、すぐに興味は動物とのコミュニケーションのとり方に移ったようだ。
本当に周りの人間を置いて、マイペースに進むよな……
問いかけていたモカは信じられないと小さく呟いて、レオとコタロウは目を見開いている。
ゾーイは俺に象の特徴を聞いてきた時点で、何かを察していたってことか?
俺の中で、ますますゾーイがわからなくなっていた時、新たな話題が上がる。
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