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第三章-⑷ アランとシンとレオとモカ
それを言ったらおしまいだ
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「頭痛くなってくるぜ……」
すっかり頭を抱えてしまった望に、申し訳なさすら感じてしまう。
まさに、かける言葉が見つからないとはこういう状況を言うのだろう……
「ま、まあ……昴も、大事なことに気付けたわけってことで、とりあえずは結果オーライというか……」
「何年かかってんだよって話だ!」
必死にフォローしてくれようとするサトルだけど、それに食い気味に望は非難してくる。
まあ、今回は我ながら情けなさすぎて否定もできないんだよな……
「あ、あー、そういえば! 望くんは湖中さんが初恋じゃなかったの?」
すると、今度はサトルがどうにか話題を変えようとしてきた。
まあ、きっとこのままじゃ絶対に埒が明かないと思ったんだろうな……
そうは言っても、気持ちを自覚した今となっては正直今の質問は、ものすごく気になるところなんだけど……
「は? そんなわけねえだろ? 真由はどっちかっていうと……母親みたいな対象でしか見てなかったな」
けど、俺の心配とは裏腹に望は即その質問を否定してきた。
そして、その答えにホッとしてる自分に気付いて、思わず苦笑いが浮かぶ。
「へー、そういうもんなんだね」
「幼なじみ同士で、必ず恋してるわけねえだろ?」
「それもそうだね」
「まあ、だから、安心して、さっさとくっ付けよな? 昴!」
「え? あ、いや……まあ……」
急に名前を呼ばれたことに驚いて振り向くと、そこにはニヤニヤしながら俺を見てる望と、何とも言えないような顔で覗き込んでくるサトルがいた。
「ああ! いつまで、グダグダ無駄なことやってんだよ! 男なら、ビシッと決めろよな!」
「なっ!? そ、そんな言うなら、お前はどうなんだよ!」
そして、あまりの望からの言われっぷりに、つい俺はムキになってしまった。
「は? 何言ってんだ? 俺は……」
「あれ、おーい! ゾーイ!」
途端に、隣でガシャンっと大きな音が聞こえたのは気のせいではないな。
「望くん、弁当落としたの、全部食べ終わってからでよかったね……」
「……本当にな」
サトルの言葉に、消え入りそうな声で望は答える。
すっかり静かになった望は、盛大に落とした弁当をいそいそと片付けていた。
「ありゃあ、ゾーイだと思ったけど、見間違いだったみたいだ」
「……気付いてたのかよ」
俺の少し意地悪な言葉に、またまた消え入りそうな声で答えた望。
今どんな顔をしているのだろうと隣を覗き込むと……真っ赤だった。
こっちまで照れるほどで、途端に望が可愛く思えてくる。
そんなの本人に言ったら、殴り飛ばされそうだけど……
双子なのにまだこんなに知らない顔があるもんだなと、妙に感動した。
「というか、俺に限らず、ほぼ全員が望の気持ちには気付いてると思うよ?」
「は、はあ!? 待て待て待て、嘘だって言え!」
「まあ、こう言ったらあれだけど、昴と望くんはやっぱり双子だね。ものすごくわかりやすいよ」
そして、俺が何気なく言った言葉に望は思いのほかショックを受けたようで、否定を強要してきたが、サトルの言葉がトドメとなったようだった。
「マジかよ……最悪だ……」
「あ、けど! ゾーイが気付いているかどうかはよくわからないし……」
「気付いてないとも言えねえだろ……」
あまりの望の落ち込みようにマズいと思ったのかサトルは慰めるが、望はその事実が結構ショックだったらしい。
ていうか、俺も望みたいに、あんなにわかりやすいってことか?
密かに気を付けようと誓って、俺も望を慰める。
「そうだけど、ゾーイが恋愛に興味あるのかは微妙だよな? だから、あんなにアピールしてるデルタも、すっごい苦労してる……ごめん」
デルタの名前を出した時の、絶望的な望の顔は、これまた初めましての顔だ。
今はデルタの名前を出すべきじゃなかった、絶対に。
何かどうにも、こういう分野って上手くいかないんだよな……
「……まあ、デルタも、完全にゾーイに惚れてるよな」
「うん……けど、意外だよ。そんなに好きだったなんて……あー、ごめん」
時すでに遅しで、言ってしまったことは取り消せないわけで……
今はそうじゃないだろと、思わず目を瞑るしかなかった。
何か、俺って喋れば喋るほどダメな方向に進んでる気がする……
とにかく謝ろうと、恐る恐る閉じた目を開けると……
「別に……大して好きじゃねえよ」
自信なさげにそう呟いて俯いてる望を見て、俺は胸が締め付けられた。
すっかり頭を抱えてしまった望に、申し訳なさすら感じてしまう。
まさに、かける言葉が見つからないとはこういう状況を言うのだろう……
「ま、まあ……昴も、大事なことに気付けたわけってことで、とりあえずは結果オーライというか……」
「何年かかってんだよって話だ!」
必死にフォローしてくれようとするサトルだけど、それに食い気味に望は非難してくる。
まあ、今回は我ながら情けなさすぎて否定もできないんだよな……
「あ、あー、そういえば! 望くんは湖中さんが初恋じゃなかったの?」
すると、今度はサトルがどうにか話題を変えようとしてきた。
まあ、きっとこのままじゃ絶対に埒が明かないと思ったんだろうな……
そうは言っても、気持ちを自覚した今となっては正直今の質問は、ものすごく気になるところなんだけど……
「は? そんなわけねえだろ? 真由はどっちかっていうと……母親みたいな対象でしか見てなかったな」
けど、俺の心配とは裏腹に望は即その質問を否定してきた。
そして、その答えにホッとしてる自分に気付いて、思わず苦笑いが浮かぶ。
「へー、そういうもんなんだね」
「幼なじみ同士で、必ず恋してるわけねえだろ?」
「それもそうだね」
「まあ、だから、安心して、さっさとくっ付けよな? 昴!」
「え? あ、いや……まあ……」
急に名前を呼ばれたことに驚いて振り向くと、そこにはニヤニヤしながら俺を見てる望と、何とも言えないような顔で覗き込んでくるサトルがいた。
「ああ! いつまで、グダグダ無駄なことやってんだよ! 男なら、ビシッと決めろよな!」
「なっ!? そ、そんな言うなら、お前はどうなんだよ!」
そして、あまりの望からの言われっぷりに、つい俺はムキになってしまった。
「は? 何言ってんだ? 俺は……」
「あれ、おーい! ゾーイ!」
途端に、隣でガシャンっと大きな音が聞こえたのは気のせいではないな。
「望くん、弁当落としたの、全部食べ終わってからでよかったね……」
「……本当にな」
サトルの言葉に、消え入りそうな声で望は答える。
すっかり静かになった望は、盛大に落とした弁当をいそいそと片付けていた。
「ありゃあ、ゾーイだと思ったけど、見間違いだったみたいだ」
「……気付いてたのかよ」
俺の少し意地悪な言葉に、またまた消え入りそうな声で答えた望。
今どんな顔をしているのだろうと隣を覗き込むと……真っ赤だった。
こっちまで照れるほどで、途端に望が可愛く思えてくる。
そんなの本人に言ったら、殴り飛ばされそうだけど……
双子なのにまだこんなに知らない顔があるもんだなと、妙に感動した。
「というか、俺に限らず、ほぼ全員が望の気持ちには気付いてると思うよ?」
「は、はあ!? 待て待て待て、嘘だって言え!」
「まあ、こう言ったらあれだけど、昴と望くんはやっぱり双子だね。ものすごくわかりやすいよ」
そして、俺が何気なく言った言葉に望は思いのほかショックを受けたようで、否定を強要してきたが、サトルの言葉がトドメとなったようだった。
「マジかよ……最悪だ……」
「あ、けど! ゾーイが気付いているかどうかはよくわからないし……」
「気付いてないとも言えねえだろ……」
あまりの望の落ち込みようにマズいと思ったのかサトルは慰めるが、望はその事実が結構ショックだったらしい。
ていうか、俺も望みたいに、あんなにわかりやすいってことか?
密かに気を付けようと誓って、俺も望を慰める。
「そうだけど、ゾーイが恋愛に興味あるのかは微妙だよな? だから、あんなにアピールしてるデルタも、すっごい苦労してる……ごめん」
デルタの名前を出した時の、絶望的な望の顔は、これまた初めましての顔だ。
今はデルタの名前を出すべきじゃなかった、絶対に。
何かどうにも、こういう分野って上手くいかないんだよな……
「……まあ、デルタも、完全にゾーイに惚れてるよな」
「うん……けど、意外だよ。そんなに好きだったなんて……あー、ごめん」
時すでに遅しで、言ってしまったことは取り消せないわけで……
今はそうじゃないだろと、思わず目を瞑るしかなかった。
何か、俺って喋れば喋るほどダメな方向に進んでる気がする……
とにかく謝ろうと、恐る恐る閉じた目を開けると……
「別に……大して好きじゃねえよ」
自信なさげにそう呟いて俯いてる望を見て、俺は胸が締め付けられた。
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