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第三章-⑷ アランとシンとレオとモカ
熟年夫婦でも難しいかもね
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「そんなことだと思ったけどね……」
サトルが疲れたように呟き、その場の全員が苦笑いをこぼす。
「あ、えっと……みんなはどう?」
すると、レオが話を立て直すように俺達に視線を向けて、問いかける。
何はともあれ、俺達の答えは……
「まあ、今さっきのゾーイの言葉はさておき、異議なしだよ」
「多少の誤差ってやつが俺達とそこのアホの間であるが、人間側の総意だ」
俺はぐるりと全員のことを見回し、まっすぐにレオに答える。
それに続くように、軽くゾーイへの嫌味を漏らしつつも、望もレオに返す。
まあ、ゾーイはいつもの如く、まったく聞いてないようで……
そんな俺達の返事を聞いて、レオ、コタロウ、モカは安心したように笑う。
しかし、そんな三人を他所にフウタはまだ納得してなかった……まあ、その展開は予想通りだ。
けど、他の重症を負わされた五人をはじめとして、処刑台から見下ろす全ての犬族と猫族達も、まだまだ俺達人間への不安を拭いきれていないようで……
その不安の原因は、きっとその場の全員がわかってたと思う。
「……アラン、君は?」
そんな空気の核心をつくように、レオはアランに問いかけた。
全員の不安の原因の、アランに……
自然と、アランに俺達や、犬族と猫族達全員の視線が集まる。
「今、俺が何かを言って……それをお前達は大人しく信用するのか?」
けど、アランもバカじゃないから、全員の言いたいことをわかっている。
その上で、アランはその質問を俺達に無表情で吐き捨てた。
そのアランの質問にグッと……途端に言葉が出なくなる。
まんまと図星をつかれたからだ……
けど、少なくとも、今の俺はアランが何を思って俺達のことを助けたのか、その真意がわからなかった。
シンから聞いた話と、普段の王国の改革作業をサボるアランとのギャップで、ますますわからなくなったというのが本音だった。
そして、その発言によって、アランへの視線はまた鋭くなっていく。
「ま、待てって、アラン! そういう喧嘩腰な言い方はやめろってば!」
「シン、お前は黙ってろ」
「頼むよ、アラン! そんなの……」
そんな事態にこのままじゃマズいと察したシンが、慌てたように前に出てアランのことを咎める。
けど、アランはシンのことを冷たく突き放したのだ。
ひどく傷ついた様子のシン、その様子を見ていた犬族と猫族達の視線はさらに鋭くなる一方で……
どうしたものかと俺がサトルと目を合わせた時……
「確かにね? 目付きは悪いし、すぐに暴力振るうし、無口だから何を考えてるのかわからんし、仲良しとは正反対の不安要素の塊みたいな奴だもんね?」
ゾーイが、そんなとんでもないことを言い出したから、またまたその場の空気は凍りついている。
「ゾーイ!? ゾーイさん!? この状況で何を言い出すんだよ!? 今、言ったこと全部否定はできねえけどよ! けど……アランのことが嫌いだからって、そんなに追い詰めたいのかよ!?」
まさかのゾーイの言葉にすっかりパニックに陥ってしまったシンは、大慌てで言い返しているせいか、若干の本音が漏れてしまっている。
否定できないのかよ……多分、自分で何を言ってるのかわかってないな。
「ちょっと、シン! あんたは、もう口閉じてて!」
「ゾーイ、頼む! 散々迷惑をかけまくってあれなんだけど、今だけはアランに味方してくれないか!?」
そんな状況にたまらずソニアが飛び出して、シンに怒鳴る。
ソニアに続くように、デルタはゾーイに頭を下げていた。
けど、そんな三人を他所に君は……
「まったく……アラン、わかってる? 元はと言えば、あんたが呆れるほど圧倒的に無口だから、こんな面倒なことになったのよ?」
「あ?」
「あたし達はね? 超能力者でもなければ、熟年夫婦でもないのよ? 何事も言葉にしなきゃわからんし、伝わらないのよ? 知ってます?」
盛大なため息とともに、呆れたような態度でゾーイは、アランに向かって無表情で吐き捨てたのだ。
サトルが疲れたように呟き、その場の全員が苦笑いをこぼす。
「あ、えっと……みんなはどう?」
すると、レオが話を立て直すように俺達に視線を向けて、問いかける。
何はともあれ、俺達の答えは……
「まあ、今さっきのゾーイの言葉はさておき、異議なしだよ」
「多少の誤差ってやつが俺達とそこのアホの間であるが、人間側の総意だ」
俺はぐるりと全員のことを見回し、まっすぐにレオに答える。
それに続くように、軽くゾーイへの嫌味を漏らしつつも、望もレオに返す。
まあ、ゾーイはいつもの如く、まったく聞いてないようで……
そんな俺達の返事を聞いて、レオ、コタロウ、モカは安心したように笑う。
しかし、そんな三人を他所にフウタはまだ納得してなかった……まあ、その展開は予想通りだ。
けど、他の重症を負わされた五人をはじめとして、処刑台から見下ろす全ての犬族と猫族達も、まだまだ俺達人間への不安を拭いきれていないようで……
その不安の原因は、きっとその場の全員がわかってたと思う。
「……アラン、君は?」
そんな空気の核心をつくように、レオはアランに問いかけた。
全員の不安の原因の、アランに……
自然と、アランに俺達や、犬族と猫族達全員の視線が集まる。
「今、俺が何かを言って……それをお前達は大人しく信用するのか?」
けど、アランもバカじゃないから、全員の言いたいことをわかっている。
その上で、アランはその質問を俺達に無表情で吐き捨てた。
そのアランの質問にグッと……途端に言葉が出なくなる。
まんまと図星をつかれたからだ……
けど、少なくとも、今の俺はアランが何を思って俺達のことを助けたのか、その真意がわからなかった。
シンから聞いた話と、普段の王国の改革作業をサボるアランとのギャップで、ますますわからなくなったというのが本音だった。
そして、その発言によって、アランへの視線はまた鋭くなっていく。
「ま、待てって、アラン! そういう喧嘩腰な言い方はやめろってば!」
「シン、お前は黙ってろ」
「頼むよ、アラン! そんなの……」
そんな事態にこのままじゃマズいと察したシンが、慌てたように前に出てアランのことを咎める。
けど、アランはシンのことを冷たく突き放したのだ。
ひどく傷ついた様子のシン、その様子を見ていた犬族と猫族達の視線はさらに鋭くなる一方で……
どうしたものかと俺がサトルと目を合わせた時……
「確かにね? 目付きは悪いし、すぐに暴力振るうし、無口だから何を考えてるのかわからんし、仲良しとは正反対の不安要素の塊みたいな奴だもんね?」
ゾーイが、そんなとんでもないことを言い出したから、またまたその場の空気は凍りついている。
「ゾーイ!? ゾーイさん!? この状況で何を言い出すんだよ!? 今、言ったこと全部否定はできねえけどよ! けど……アランのことが嫌いだからって、そんなに追い詰めたいのかよ!?」
まさかのゾーイの言葉にすっかりパニックに陥ってしまったシンは、大慌てで言い返しているせいか、若干の本音が漏れてしまっている。
否定できないのかよ……多分、自分で何を言ってるのかわかってないな。
「ちょっと、シン! あんたは、もう口閉じてて!」
「ゾーイ、頼む! 散々迷惑をかけまくってあれなんだけど、今だけはアランに味方してくれないか!?」
そんな状況にたまらずソニアが飛び出して、シンに怒鳴る。
ソニアに続くように、デルタはゾーイに頭を下げていた。
けど、そんな三人を他所に君は……
「まったく……アラン、わかってる? 元はと言えば、あんたが呆れるほど圧倒的に無口だから、こんな面倒なことになったのよ?」
「あ?」
「あたし達はね? 超能力者でもなければ、熟年夫婦でもないのよ? 何事も言葉にしなきゃわからんし、伝わらないのよ? 知ってます?」
盛大なため息とともに、呆れたような態度でゾーイは、アランに向かって無表情で吐き捨てたのだ。
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