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第三章-⑷ アランとシンとレオとモカ
それってまるで少女漫画
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平然を装ってたけど、手は震えっぱなしだし、心臓は飛び出そうだし……
そんな情けなくても、伝えたいことは全部伝えなきゃと思ったんだ。
「空島に無事に帰って、ナサニエルを卒業したら……俺と家族にならないか」
しばらく続く沈黙と、真由がどんな顔をしてるのか知るのが怖くて、俺は夕焼けの空ばかり見ていた。
「……突然、何それ」
そんな時に、ようやく真由は言葉を発してくれた。
その声は戸惑っていたのか、とても震えていた。
「突然だよな……俺、真由のことを意識し出したの最近なんだ。近すぎて、真由のこと見てるようで見てなかった」
「……最近なんだ」
「うん。しっかり者で、母親みたいに世話焼くし、真由のこと面倒とか思ってた時もある……けど、地上に落ちて真由が泣いたり、怖がったり、喜んだり、爆笑したり、本当にいろんな姿見る機会が増えて、守りたいし、笑ってほしいし、可愛いなとか……真由のことばっか考えるようになって、好きだなって……」
「……そう」
「けど、望に言われてマジでビビったことがあるんだけど……俺、すごい昔の子どもの頃から、あの、真由のこと好きだったらしくてさ。本当に俺、恋愛のこと苦手で気付くの遅くて……正直、この状況にならなかったら、ずっと気付かなかったのかもとか思ったりして……」
「もういいから!」
急な真由の叫びにびっくりして、俺は息を吸う。
それで初めて、俺は真由の方を向く。
「あ、ご、ごめん……!! 俺だけ、何か喋りすぎだよな……」
「本当にそう! 自分がどれだけ恥ずかしいこと言ってるか、わかってる!?」
どうやら、真由はものすごく怒ってるようだ。
けど、情けないことにどれに真由が怒っているのか、まるでわからなかった。
突然のプロポーズか? まずは付き合ってからだろ的な? あ、やっぱり、俺ばっかり喋りすぎたからか?
それか、真由を面倒だと思ってたって暴露の部分か? または恥ずかしいことをまくし立て……恥ずかしいって……
「仕方ないだろ……全部、本心だし」
「だから! 今の言葉も全部が、恥ずかしいんだってば! そんなこと言うタイプじゃないくせに、何なのよ!」
「そ、そんな言い方ないだろ!? 今俺は真剣そのものなんだよ!」
あまりの真由の言い様にカチンとスイッチが入ってしまって、この場面で、俺達は止まれなくなってしまった。
「真剣そのもの!? いつもは、のんびりしてるくせに、バカじゃないの!?」
「今といつもは違うだろ!? 一世一代のプロポーズだぞ!? 人生で間違いなくトップスリーに入る、大事な時にのんびりしてたら頭おかしいだろ!?」
「とっくに頭はおかしいわよ! 自分の気持ちに気付くのに、何年かかってんのよ!?」
「それは……しょうがないだろ!」
「何がしょうがないのよ!」
「俺は真由以外の誰かに、この気持ちを向けたことないんだ! ずっと特別だと思ってたけど、全部幼なじみだからだと思ってたんだよ! けど、十七年生きて一度もよそ見しないってことは、俺は真由しか好きになれないんだよ!」
全て怒鳴り終わった後で、俺は肩で息をしながら、はたと気付く。
何で、こんな時に喧嘩してんだ……最悪すぎるだろ!!!!
それに、もっと悪い知らせもある。
謎にお互いに怒鳴り合ったこの状況でさえ、真由は俺の方を見なかった。
何かもう……終わったなこれ、うん。
「あの……ご、ごめん、俺……!! とにかく、全部が俺の気持ちだから……返事はゆっくり考えてくれて……」
「考えない!」
俺の言葉に被せるように、食い気味で真由は言い放った。
嘘、そんな即答するほどまで、俺とは無理ってこと? 落ち込むなそれ……
「真由、あの……」
「結婚するに決まってんじゃん!」
「……え?」
俺の都合のいい幻聴じゃないのか?
「バカじゃないの……そんなの、絶対に結婚するに決まってる……!!」
真由は俺の目をまっすぐ見て、その目に涙をいっぱい溜めていた。
その涙がこぼれないように、必死に唇を噛んで我慢していた。
「昴が私を見てくれなくても……私は子どもの頃からずっと……ずっと、好きだったもん……昴のことだけが……!!」
それ以上、真由は喋らなかった……違うかな。
震える唇に俺が唇を重ねたから、真由は喋れなかったんだ。
俺は真由のことを強く、けど、細く俺より小さな体が折れてしまわないように優しく、抱き締めた。
初めて好きになって、これからも一生好きな人とのキスは、涙の味がした。
気付くのが遅くなってごめん、必ず幸せにするよ――
そんな情けなくても、伝えたいことは全部伝えなきゃと思ったんだ。
「空島に無事に帰って、ナサニエルを卒業したら……俺と家族にならないか」
しばらく続く沈黙と、真由がどんな顔をしてるのか知るのが怖くて、俺は夕焼けの空ばかり見ていた。
「……突然、何それ」
そんな時に、ようやく真由は言葉を発してくれた。
その声は戸惑っていたのか、とても震えていた。
「突然だよな……俺、真由のことを意識し出したの最近なんだ。近すぎて、真由のこと見てるようで見てなかった」
「……最近なんだ」
「うん。しっかり者で、母親みたいに世話焼くし、真由のこと面倒とか思ってた時もある……けど、地上に落ちて真由が泣いたり、怖がったり、喜んだり、爆笑したり、本当にいろんな姿見る機会が増えて、守りたいし、笑ってほしいし、可愛いなとか……真由のことばっか考えるようになって、好きだなって……」
「……そう」
「けど、望に言われてマジでビビったことがあるんだけど……俺、すごい昔の子どもの頃から、あの、真由のこと好きだったらしくてさ。本当に俺、恋愛のこと苦手で気付くの遅くて……正直、この状況にならなかったら、ずっと気付かなかったのかもとか思ったりして……」
「もういいから!」
急な真由の叫びにびっくりして、俺は息を吸う。
それで初めて、俺は真由の方を向く。
「あ、ご、ごめん……!! 俺だけ、何か喋りすぎだよな……」
「本当にそう! 自分がどれだけ恥ずかしいこと言ってるか、わかってる!?」
どうやら、真由はものすごく怒ってるようだ。
けど、情けないことにどれに真由が怒っているのか、まるでわからなかった。
突然のプロポーズか? まずは付き合ってからだろ的な? あ、やっぱり、俺ばっかり喋りすぎたからか?
それか、真由を面倒だと思ってたって暴露の部分か? または恥ずかしいことをまくし立て……恥ずかしいって……
「仕方ないだろ……全部、本心だし」
「だから! 今の言葉も全部が、恥ずかしいんだってば! そんなこと言うタイプじゃないくせに、何なのよ!」
「そ、そんな言い方ないだろ!? 今俺は真剣そのものなんだよ!」
あまりの真由の言い様にカチンとスイッチが入ってしまって、この場面で、俺達は止まれなくなってしまった。
「真剣そのもの!? いつもは、のんびりしてるくせに、バカじゃないの!?」
「今といつもは違うだろ!? 一世一代のプロポーズだぞ!? 人生で間違いなくトップスリーに入る、大事な時にのんびりしてたら頭おかしいだろ!?」
「とっくに頭はおかしいわよ! 自分の気持ちに気付くのに、何年かかってんのよ!?」
「それは……しょうがないだろ!」
「何がしょうがないのよ!」
「俺は真由以外の誰かに、この気持ちを向けたことないんだ! ずっと特別だと思ってたけど、全部幼なじみだからだと思ってたんだよ! けど、十七年生きて一度もよそ見しないってことは、俺は真由しか好きになれないんだよ!」
全て怒鳴り終わった後で、俺は肩で息をしながら、はたと気付く。
何で、こんな時に喧嘩してんだ……最悪すぎるだろ!!!!
それに、もっと悪い知らせもある。
謎にお互いに怒鳴り合ったこの状況でさえ、真由は俺の方を見なかった。
何かもう……終わったなこれ、うん。
「あの……ご、ごめん、俺……!! とにかく、全部が俺の気持ちだから……返事はゆっくり考えてくれて……」
「考えない!」
俺の言葉に被せるように、食い気味で真由は言い放った。
嘘、そんな即答するほどまで、俺とは無理ってこと? 落ち込むなそれ……
「真由、あの……」
「結婚するに決まってんじゃん!」
「……え?」
俺の都合のいい幻聴じゃないのか?
「バカじゃないの……そんなの、絶対に結婚するに決まってる……!!」
真由は俺の目をまっすぐ見て、その目に涙をいっぱい溜めていた。
その涙がこぼれないように、必死に唇を噛んで我慢していた。
「昴が私を見てくれなくても……私は子どもの頃からずっと……ずっと、好きだったもん……昴のことだけが……!!」
それ以上、真由は喋らなかった……違うかな。
震える唇に俺が唇を重ねたから、真由は喋れなかったんだ。
俺は真由のことを強く、けど、細く俺より小さな体が折れてしまわないように優しく、抱き締めた。
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気付くのが遅くなってごめん、必ず幸せにするよ――
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