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第四章-⑶ ラスボスとの直接対決
それってどんでん返しか
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今、俺の目の前で、何が起こっているのだろうか?
一連の出来事を、俺は自分の中で上手く整理できずにいた。
「拳銃が、どうし……おじい様……」
「ああ、そうか……確か、シャノンには話していなかったね? 我がローレン家にはね? 来るべき日に向けて、ご先祖様達が残しておいてくれた拳銃が、実に百丁以上眠っているのだよ?」
「ヒイッ……!!」
俺も、隣にいる望も、ただただ呆然と立ち尽くすばかりで、言葉がまったくと言っていいほど出てこなかった。
そんな時、果敢にもローレンさんは震えながらどうにか単語を紡ぎ、マイルズにことのあらましを尋ねたのだが……
それを受けたマイルズはそれは愉快だと隠さず、また饒舌に話す。
その実の祖父の普通じゃない様子に耐えられず、ローレンさんは小さな悲鳴を上げて、目には涙を浮かべていた。
「通信で、拳銃の発砲があったと知らせを聞いてね。まさかと思ったが、念のために金庫から護身用の拳銃を取り出しておいたんだ。まあ、どうやら、それは杞憂だったようだがね……?」
悪い冗談か、はたまた悪夢か……話が理解できないぞ?
百丁以上の拳銃? ローレン家がそれを持ってて……そのローレン家が、空島を支配しようとしてて?
「しかし、まあ察するに、その発砲は空砲だったのだろう? まあ、結果的に、私は事態を深刻に受け止めたおかげで証拠を葬り去り、我が身を守ることに成功したわけだが……ハハハッ! これは実に皮肉な話ではないか!」
マイルズは興奮を抑えきれないとばかりに、執務室中に高笑いを響かせる。
途端に、俺は心臓が跳ねる……嫌な音を立てて足元が崩れていく気がした。
そう、確固たる証拠だったボイスレコーダーは、今さっき壊されて、粉々の残骸が床に散らばってる。
おそらく、さっきゾーイが俺を庇った時に手から落ちたのだろう……
ああ、そうじゃないだろ、そんな状況整理はどうでもいいんだよ。
今一番重要なことは、俺達にはもう戦えるカードが残っていないってことだ。
『首相! 侵入した子ども七名を、今確保しました! あとは、青髪の子どもが率いる四名のみです!』
「ご苦労。引き続き、捕獲を頼むよ」
そんな時に、またさらにバラバラな俺の心を弄ぶような残酷な知らせが、通信機から響き渡る。
どうして、何でこうなった?
青髪の子どもが率いる四人とは……間違いなく、アラン、デルタ、シン、ソニアのことだ。
四人が捕まってなくて、七人が確保をしたってことは……真由、サトル、菜々美、クレア、ハロルド、モーリス、ジェームズだ。
当たり前だ、あんなにもボロボロの状態だった、すぐに捕まったとしてもおかしくなかったんだ。
「さて……君達の仲間の七名は確保したとのこと。残りの四名も時期に捕まるであろう。ともかく、秘密裏に君達のことを処分すれば真実は闇の中だ」
通信を切ったマイルズは、俺達に悪魔のような笑顔で押しより、再び絶望の宣告を告げた。
「残念だったね? 君達は空島に帰って来たりはしなかった」
何もかも終わりなのか? 俺達には最初から勝ち目なんてなかったのか?
目の前の悪魔のことを、俺達は敵に回しちゃいけなかったのか?
思い上がってた? 十か月間、地上で生き抜いて、強くなったとか、世の中を救えるだとか、勘違いしてたのか?
確実に、この時の俺は心が限界まで折れかかっていたと思う。
というより、ほとんど折れていた。
「……ざけんな」
けど、俺達に希望をいつだってくれたのは、君だったんだ……ゾーイ。
「おや? ここで、君か……何かものを申したいご様子かな? 私からのアドバイスだが、悪あがきも大概に……ッ!?」
小さく零したゾーイの言葉を、耳ざとくマイルズは拾い上げる。
そして、清々しいほどにどこまでもイラつく饒舌を披露していると、ゾーイがマイルズの右手を……拳銃を蹴り上げたのだ。
「望! それ拾え!」
「言われなくても、そうする!」
マイルズの手を離れた拳銃は、綺麗に宙を舞って床に転がった。
これを逃せば次はないと……本能で察した俺は近くの望に声を上げたが、すでに望は拳銃を、その手に掴んでいた。
さすが俺の片割れ! これで一気に形勢逆転だ! そう思って、俺は後ろを振り向いたのだが、すぐに目の前の光景に目を疑った。
「それ以上、あたしの前でふざけた口を開くな。このゲス野郎が……!!」
決して怒ることはなかった、怒ったとしても、それはゾーイの気休めのような可愛いもので……
けど、今はマイルズのことを床に押し倒して殺気を放つ、本気の怒りに満ち溢れたゾーイが、そこにいたのだ。
一連の出来事を、俺は自分の中で上手く整理できずにいた。
「拳銃が、どうし……おじい様……」
「ああ、そうか……確か、シャノンには話していなかったね? 我がローレン家にはね? 来るべき日に向けて、ご先祖様達が残しておいてくれた拳銃が、実に百丁以上眠っているのだよ?」
「ヒイッ……!!」
俺も、隣にいる望も、ただただ呆然と立ち尽くすばかりで、言葉がまったくと言っていいほど出てこなかった。
そんな時、果敢にもローレンさんは震えながらどうにか単語を紡ぎ、マイルズにことのあらましを尋ねたのだが……
それを受けたマイルズはそれは愉快だと隠さず、また饒舌に話す。
その実の祖父の普通じゃない様子に耐えられず、ローレンさんは小さな悲鳴を上げて、目には涙を浮かべていた。
「通信で、拳銃の発砲があったと知らせを聞いてね。まさかと思ったが、念のために金庫から護身用の拳銃を取り出しておいたんだ。まあ、どうやら、それは杞憂だったようだがね……?」
悪い冗談か、はたまた悪夢か……話が理解できないぞ?
百丁以上の拳銃? ローレン家がそれを持ってて……そのローレン家が、空島を支配しようとしてて?
「しかし、まあ察するに、その発砲は空砲だったのだろう? まあ、結果的に、私は事態を深刻に受け止めたおかげで証拠を葬り去り、我が身を守ることに成功したわけだが……ハハハッ! これは実に皮肉な話ではないか!」
マイルズは興奮を抑えきれないとばかりに、執務室中に高笑いを響かせる。
途端に、俺は心臓が跳ねる……嫌な音を立てて足元が崩れていく気がした。
そう、確固たる証拠だったボイスレコーダーは、今さっき壊されて、粉々の残骸が床に散らばってる。
おそらく、さっきゾーイが俺を庇った時に手から落ちたのだろう……
ああ、そうじゃないだろ、そんな状況整理はどうでもいいんだよ。
今一番重要なことは、俺達にはもう戦えるカードが残っていないってことだ。
『首相! 侵入した子ども七名を、今確保しました! あとは、青髪の子どもが率いる四名のみです!』
「ご苦労。引き続き、捕獲を頼むよ」
そんな時に、またさらにバラバラな俺の心を弄ぶような残酷な知らせが、通信機から響き渡る。
どうして、何でこうなった?
青髪の子どもが率いる四人とは……間違いなく、アラン、デルタ、シン、ソニアのことだ。
四人が捕まってなくて、七人が確保をしたってことは……真由、サトル、菜々美、クレア、ハロルド、モーリス、ジェームズだ。
当たり前だ、あんなにもボロボロの状態だった、すぐに捕まったとしてもおかしくなかったんだ。
「さて……君達の仲間の七名は確保したとのこと。残りの四名も時期に捕まるであろう。ともかく、秘密裏に君達のことを処分すれば真実は闇の中だ」
通信を切ったマイルズは、俺達に悪魔のような笑顔で押しより、再び絶望の宣告を告げた。
「残念だったね? 君達は空島に帰って来たりはしなかった」
何もかも終わりなのか? 俺達には最初から勝ち目なんてなかったのか?
目の前の悪魔のことを、俺達は敵に回しちゃいけなかったのか?
思い上がってた? 十か月間、地上で生き抜いて、強くなったとか、世の中を救えるだとか、勘違いしてたのか?
確実に、この時の俺は心が限界まで折れかかっていたと思う。
というより、ほとんど折れていた。
「……ざけんな」
けど、俺達に希望をいつだってくれたのは、君だったんだ……ゾーイ。
「おや? ここで、君か……何かものを申したいご様子かな? 私からのアドバイスだが、悪あがきも大概に……ッ!?」
小さく零したゾーイの言葉を、耳ざとくマイルズは拾い上げる。
そして、清々しいほどにどこまでもイラつく饒舌を披露していると、ゾーイがマイルズの右手を……拳銃を蹴り上げたのだ。
「望! それ拾え!」
「言われなくても、そうする!」
マイルズの手を離れた拳銃は、綺麗に宙を舞って床に転がった。
これを逃せば次はないと……本能で察した俺は近くの望に声を上げたが、すでに望は拳銃を、その手に掴んでいた。
さすが俺の片割れ! これで一気に形勢逆転だ! そう思って、俺は後ろを振り向いたのだが、すぐに目の前の光景に目を疑った。
「それ以上、あたしの前でふざけた口を開くな。このゲス野郎が……!!」
決して怒ることはなかった、怒ったとしても、それはゾーイの気休めのような可愛いもので……
けど、今はマイルズのことを床に押し倒して殺気を放つ、本気の怒りに満ち溢れたゾーイが、そこにいたのだ。
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