真!異世界転生×ユニークスキル 【地球ショッピング】で無双する!?

月神世一

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EP 10

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反省会という名の宴~明日もきっと胃が痛い~
 河原の野営地に、ジュウジュウと脂の焼ける音が響き渡る。
 優太は外科医志望らしい精密な手つきで、ブロック肉や野菜を一口大に切り分けていた。
「優太さん、人参はバター風味で! お砂糖も入れて甘々にしてくださいね!」
 キャルルがアルミホイルに包まれた人参を見つめ、期待に尻尾を振っている。
 優太は「はいはい」と、ポイントで購入したチューブバターとスティックシュガーを投入し、網の上に乗せた。
「優太、タレは? 俺様は塩だけじゃ物足りねぇぞ」
「焼肉のタレがあるだろ。『黄金の味』だ、間違いないぞ」
 優太がボトルの蓋を開けると、フルーツとスパイスの混じり合った濃厚な香りが漂い、イグニスが喉を鳴らす。
「バーベキューぅ……優太さん、デザートは? ケーキはまだですの?」
「まだ肉も食ってないだろ。ほら、焼けるまではその林檎でもかじってろ」
 ルナの口に真っ赤な林檎を押し込む。
 網の上では、カルビが絶妙な焦げ目をつけ、野菜たちが甘い香りを放ち始めた。準備は整った。
 優太はクーラーボックス代わりの氷水から、キンキンに冷えた缶ビールを取り出し、プシュッと開けた。
「よし……。色々とあったが、今日は俺たちのパーティー初勝利だ。ギルドマスターの娘さんも助かったし、まあ、終わり良ければ全て良しってことで」
 優太が缶を掲げる。
 イグニスはタレをたっぷりつけた肉を、キャルルはホイル焼きを、ルナは齧りかけの林檎を掲げた。
「じゃあ、乾杯!」
「「「乾杯!!」」」
「――乾杯♡」
 カチン。
 四人の輪の中に、自然な動作で『五人目』のグラスが混ざった。
「「「「……ん?」」」」
 四人の動きが止まる。
 優太の隣に、いつの間にか見覚えのある美女――女神ルチアナが座り込み、優太のビールを勝手に注いだグラスを揺らしていた。
「ッ!? ど、何処から現れた!?」
 優太が飛びのく。
 イグニスも口から肉を落としそうになった。
「急に出て来やがった! 気配が全くなかったぞ!?」
「気にしない、気にしない。私は酒の有る所なら、時空を超えて何処にでも現れるんだから」
 ルチアナは悪びれもせず、ゴクゴクとビールを飲み干し「プハァ!」とオヤジ臭い息を吐いた。
 キャルルがジト目でボソリと呟く。
「……アル中なのかな」
「聞こえてるわよ、兎ちゃん。これは『神の聖なる給水』よ」
 ルチアナは笑い飛ばすと、網の上の肉を勝手にひっくり返した。
「さあさあ、固くなっちゃうわよ! 食べなさい、飲みなさい! 今日は無礼講よ!」
 ◇
 そこからは、カオスな宴会と反省会が始まった。
「うめぇぇぇ! このタレ! このタレだけで白飯が三杯いける!」
「イグニス、タレを飲むな! ……はぁ、それにしても今回は赤字ギリギリだったな。イグニスが森を燃やそうとしたせいだぞ」
「だってよぉ、木が邪魔だったんだよ」
「あちちっ、人参甘くて美味しいですぅ……。でも優太さん、私、もっと役に立ちたいです。次はもっと稼げる依頼を受けましょう!」
「そうだな、キャルルが一番まともだ……」
「優太さん! この林檎、焼き林檎にしたら絶品になりましたわ! 次は森の木を全部林檎の木に変える魔法を使ってみせます!」
「絶対にするなルナ! お前の魔法は出禁だ!」
 優太はビールを煽りながら、騒がしい仲間たちを見回した。
 大食らいの竜人、天然破壊兵器のエルフ、訳ありの兎耳少女。そして、飲んだくれの女神。
 前途は多難だ。明日の生活費すら怪しい。
 きっと明日も、胃が痛くなるようなトラブルが待っているだろう。
「……まあ、退屈はしなさそうだけどな」
 優太は苦笑し、夜空を見上げた。
 地球とは違う星座が輝いている。
 彼の異世界生活は、まだ始まったばかりだ。
「優太くーん、ビールおかわり! あと枝豆ない?」
「自分で買ってくださいよ女神様!!」
 焚き火の爆ぜる音と笑い声が、夜の森に消えていった。
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