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EP 16
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モンスターハウス? いいえ、食材庫です
快適なキャンプ泊を終え、優太たちは順調に階層を下っていた。
目指すは最深部の100階。現在は50階層付近だ。
「ふふふ……。ここまではキャンプ気分で楽しめたみたいだけど、ここからは地獄を見せてあげるよ!」
ダンジョンのどこかから、妖精キュルリンの悔しそうな声が響く。
すると、優太たちが足を踏み入れた巨大なドーム状の部屋の扉が、ズドォォォン!! という重低音と共に閉ざされた。
ウゥゥゥゥゥゥ!!
けたたましいサイレンのような音が鳴り響き、壁の松明が一斉に赤く変色する。
「な、なんだ!? 警報!?」
「優太さん、見てください! 壁から……!」
キャルルが指差す先、壁や床に無数に開いた穴から、黒い影が次々と湧き出してきた。
豚の顔を持つ巨漢の戦士――オークだ。
それだけではない。鎧を着たオーク・ジェネラル、杖を持ったオーク・メイジ。その数、およそ百体以上。
部屋を埋め尽くすほどの魔物の群れが、優太たちを取り囲んだ。
『へへーん! これぞ冒険者の墓場、モンスターハウスだよ! 数で押し潰されてペチャンコになっちゃえ!』
キュルリンの高笑いが響く。
普通の冒険者パーティなら、絶望して失禁するレベルの物量差だ。
優太も流石に顔を引きつらせた。
「おいおい、冗談だろ……? いくらなんでも多すぎる! 全員、円陣を組んで防御態勢を……」
優太が指示を出そうと振り返った、その時だ。
ジュルリ。
汚い音がした。
見ると、イグニスが滝のようなよだれを流し、血走った目でオークの群れを見つめていた。
「……肉だ」
「え?」
「優太! 見ろ! 肉が歩いてるぞ! しかもあいつら、いい感じに筋肉がついてて脂も乗ってやがる!」
イグニスにとって、目の前の光景は「死の包囲網」ではなく「食べ放題バイキング」にしか見えていなかった。
「あ、あら……。本当ですわ。あの豚さんたち、丸焼きにしたら香ばしそうですわね……」
ルナまでもが、うっとりとした顔で杖を構える。彼女の目も完全に「食材を見る目」だ。
「ちょ、お前ら!? 相手は魔物だぞ!?」
「関係ねぇ! 動く肉は全部食料だァァァッ!! いただきまーす!!」
イグニスが爆発的な脚力で飛び出した。
斧を一閃。
先頭にいたオーク・ジェネラルが、反応する間もなく真っ二つにされる。
だが、それは単なる攻撃ではなかった。
「ここがロース! ここがバラ! ここがヒレ肉ゥ!」
空中で回転しながら、イグニスは神業のような斧捌きでオークを瞬時に「解体」し、骨と肉に分けてしまったのだ。
「ブヒッ!? ブヒィィィ!?」
仲間が一瞬で精肉された光景を見て、オークたちが悲鳴を上げる。
そこへ、ルナが追い打ちをかける。
「生肉はあたりますわよ! 私が調理して差し上げます! 調理魔法――『グリル・フレア(中火)』!」
ボッ!
ルナの杖から放たれたのは、敵を灰にする爆炎ではなく、肉の表面をカリッと焼き、中に肉汁を閉じ込める絶妙な火加減の熱風だった。
香ばしい匂いがダンジョンに充満する。
「おほほ! ウェルダンですわ!」
「ナイスだルナ! 次だ! おかわりは山ほどあるぞ!」
イグニスとルナが、狂気じみた笑顔でオークの群れに突っ込んでいく。
「ブ、ブヒィィィィ!!(助けてくれぇぇぇ!!)」
「ブゴォォォォ!!(こいつら捕食者だぁぁぁ!!)」
立場は完全に逆転した。
オークたちは武器を捨て、扉を叩いて逃げようとするが、扉はキュルリンの罠によって固く閉ざされている。
密室で行われる一方的な「加工」と「調理」。
そこはモンスターハウスではなく、巨大な厨房と化していた。
「……すごい」
キャルルが呆然と呟く。
優太は諦めたように溜息をつき、【地球ショッピング】のウィンドウを開いた。
「……仕方ない。俺の仕事をするか」
数分後。
部屋の中央には、こんがりと焼けたオーク肉の山が築かれていた。
生き残ったオークたちは、部屋の隅でガタガタと震えながら抱き合っている。
「優太! 焼き上がったぞ! 味付けを頼む!」
満面の笑みのイグニス。
優太は虚無の瞳で、業務用の巨大ボトルを取り出した。
「はいよ。『スタミナ源たれ(青森県産)』だ。ニンニクが効いてて美味いぞ」
ドボドボドボと、肉の山にタレをかける。
ジューッという音と共に、食欲をそそる強烈な香りが立ち上る。
「うおおおお! この匂いだけで白飯がいける!」
「いただきますわ!」
三人はモンスターハウスのど真ん中で、オーク肉にかぶりついた。
隅で震えるオークたちが「次は自分たちが食われるのか」という恐怖の視線を送っているが、優太たちは気にしない(美味しいので)。
「ん~っ! オーク肉ってちょっと臭みがありますけど、このタレがかかると絶品になりますね!」
キャルルも口の周りをタレだらけにして頬張る。
優太はビール(ノンアルコール)を飲みながら、天井の監視カメラ(魔法の目)に向かって親指を立てた。
「ごちそうさん。食材提供ありがとうな、キュルリン」
『うぎゃあああああああ!! ボクの可愛いモンスターたちがぁぁぁ!! 覚えてろぉぉぉ!!』
絶叫と共に、次の階層への扉が開いた。
優太たちは満腹のお腹をさすりながら、食後の運動がてら、再び歩き出すのだった。
快適なキャンプ泊を終え、優太たちは順調に階層を下っていた。
目指すは最深部の100階。現在は50階層付近だ。
「ふふふ……。ここまではキャンプ気分で楽しめたみたいだけど、ここからは地獄を見せてあげるよ!」
ダンジョンのどこかから、妖精キュルリンの悔しそうな声が響く。
すると、優太たちが足を踏み入れた巨大なドーム状の部屋の扉が、ズドォォォン!! という重低音と共に閉ざされた。
ウゥゥゥゥゥゥ!!
けたたましいサイレンのような音が鳴り響き、壁の松明が一斉に赤く変色する。
「な、なんだ!? 警報!?」
「優太さん、見てください! 壁から……!」
キャルルが指差す先、壁や床に無数に開いた穴から、黒い影が次々と湧き出してきた。
豚の顔を持つ巨漢の戦士――オークだ。
それだけではない。鎧を着たオーク・ジェネラル、杖を持ったオーク・メイジ。その数、およそ百体以上。
部屋を埋め尽くすほどの魔物の群れが、優太たちを取り囲んだ。
『へへーん! これぞ冒険者の墓場、モンスターハウスだよ! 数で押し潰されてペチャンコになっちゃえ!』
キュルリンの高笑いが響く。
普通の冒険者パーティなら、絶望して失禁するレベルの物量差だ。
優太も流石に顔を引きつらせた。
「おいおい、冗談だろ……? いくらなんでも多すぎる! 全員、円陣を組んで防御態勢を……」
優太が指示を出そうと振り返った、その時だ。
ジュルリ。
汚い音がした。
見ると、イグニスが滝のようなよだれを流し、血走った目でオークの群れを見つめていた。
「……肉だ」
「え?」
「優太! 見ろ! 肉が歩いてるぞ! しかもあいつら、いい感じに筋肉がついてて脂も乗ってやがる!」
イグニスにとって、目の前の光景は「死の包囲網」ではなく「食べ放題バイキング」にしか見えていなかった。
「あ、あら……。本当ですわ。あの豚さんたち、丸焼きにしたら香ばしそうですわね……」
ルナまでもが、うっとりとした顔で杖を構える。彼女の目も完全に「食材を見る目」だ。
「ちょ、お前ら!? 相手は魔物だぞ!?」
「関係ねぇ! 動く肉は全部食料だァァァッ!! いただきまーす!!」
イグニスが爆発的な脚力で飛び出した。
斧を一閃。
先頭にいたオーク・ジェネラルが、反応する間もなく真っ二つにされる。
だが、それは単なる攻撃ではなかった。
「ここがロース! ここがバラ! ここがヒレ肉ゥ!」
空中で回転しながら、イグニスは神業のような斧捌きでオークを瞬時に「解体」し、骨と肉に分けてしまったのだ。
「ブヒッ!? ブヒィィィ!?」
仲間が一瞬で精肉された光景を見て、オークたちが悲鳴を上げる。
そこへ、ルナが追い打ちをかける。
「生肉はあたりますわよ! 私が調理して差し上げます! 調理魔法――『グリル・フレア(中火)』!」
ボッ!
ルナの杖から放たれたのは、敵を灰にする爆炎ではなく、肉の表面をカリッと焼き、中に肉汁を閉じ込める絶妙な火加減の熱風だった。
香ばしい匂いがダンジョンに充満する。
「おほほ! ウェルダンですわ!」
「ナイスだルナ! 次だ! おかわりは山ほどあるぞ!」
イグニスとルナが、狂気じみた笑顔でオークの群れに突っ込んでいく。
「ブ、ブヒィィィィ!!(助けてくれぇぇぇ!!)」
「ブゴォォォォ!!(こいつら捕食者だぁぁぁ!!)」
立場は完全に逆転した。
オークたちは武器を捨て、扉を叩いて逃げようとするが、扉はキュルリンの罠によって固く閉ざされている。
密室で行われる一方的な「加工」と「調理」。
そこはモンスターハウスではなく、巨大な厨房と化していた。
「……すごい」
キャルルが呆然と呟く。
優太は諦めたように溜息をつき、【地球ショッピング】のウィンドウを開いた。
「……仕方ない。俺の仕事をするか」
数分後。
部屋の中央には、こんがりと焼けたオーク肉の山が築かれていた。
生き残ったオークたちは、部屋の隅でガタガタと震えながら抱き合っている。
「優太! 焼き上がったぞ! 味付けを頼む!」
満面の笑みのイグニス。
優太は虚無の瞳で、業務用の巨大ボトルを取り出した。
「はいよ。『スタミナ源たれ(青森県産)』だ。ニンニクが効いてて美味いぞ」
ドボドボドボと、肉の山にタレをかける。
ジューッという音と共に、食欲をそそる強烈な香りが立ち上る。
「うおおおお! この匂いだけで白飯がいける!」
「いただきますわ!」
三人はモンスターハウスのど真ん中で、オーク肉にかぶりついた。
隅で震えるオークたちが「次は自分たちが食われるのか」という恐怖の視線を送っているが、優太たちは気にしない(美味しいので)。
「ん~っ! オーク肉ってちょっと臭みがありますけど、このタレがかかると絶品になりますね!」
キャルルも口の周りをタレだらけにして頬張る。
優太はビール(ノンアルコール)を飲みながら、天井の監視カメラ(魔法の目)に向かって親指を立てた。
「ごちそうさん。食材提供ありがとうな、キュルリン」
『うぎゃあああああああ!! ボクの可愛いモンスターたちがぁぁぁ!! 覚えてろぉぉぉ!!』
絶叫と共に、次の階層への扉が開いた。
優太たちは満腹のお腹をさすりながら、食後の運動がてら、再び歩き出すのだった。
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【キャラクター】
マヤ
・主人公(元は如月真也という名前の男)
・銀髪翠眼の少女
・魔物使い
マッシュ
・しゃべるうさぎ
・もふもふ
・高位の魔物らしい
オリガ
・ダークエルフ
・黒髪金眼で褐色肌
・魔力と魔法がすごい
【作者から】
毎日投稿を目指してがんばります。
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それでは気が向いた時にでもお付き合いください〜。
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