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第二章 新たな旅立ち
EP 15
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紅黒の龍、英雄の激怒
地下空間に、デーモンロードの耳障りな罵声が響き渡る。
「下等生物どもが! 我が儀式の邪魔をした罪、万死に値するぞ! その魂、永遠に苦痛の中でのたうち回らせてくれるわ!!」
唾を飛ばして喚き散らす異形の怪物。
だが、太郎にとって、そんな言葉はどうでも良かった。
太郎は弓を下ろしたまま、デーモンロードから視線を外し、鉄格子の奥を見た。
そこには、ボロボロの衣服を纏い、痩せこけたエルフたちがいる。
頬には殴られた痕、腕には鎖で擦れた傷、そして目には絶望と恐怖の色。
理不尽に攫われ、自由を奪われ、ただ消費される家畜のように扱われた彼らの痛み。
(…………)
太郎の心臓が、ドクンと冷たく脈打った。
かつて魔神王と戦った時は「みんなを守るため」の戦いだった。
だが今は違う。これは純粋な「怒り」だ。
平和に暮らしていた人々を踏みにじり、それを愉悦とする悪への、底知れぬ憎悪。
「無視をするなァァァ!!」
デーモンロードが激昂し、両手の間に巨大な闇の球体を生成した。
空間が歪むほどの高密度のエネルギーだ。
「許さないぞ! 貴様ら! 塵一つ残さず消し去ってやる!!」
「……許さない、か」
太郎がポツリと呟いた。
ゆっくりと『雷霆』を構える。
主の心に呼応するように、伝説の弓が軋みを上げた。
『……警告……主の感情値、臨界点を突破……』
雷霆の装飾が変形し、普段の清浄な青白い光ではなく、禍々しいほどの赤黒いスパークを放ち始める。
つがえられた必殺の矢に、太郎の激情が奔流となって注ぎ込まれる。
矢は赤熱し、やがてドス黒いオーラを纏って**紅黒(こうこく)**に輝き始めた。
「死ねぇぇぇぇぇッ!!」
デーモンロードが腕を振り抜く。
巨大な闇のエネルギー波が、全てを飲み込む濁流となって太郎に迫る。
ヒブネが悲鳴を上げかけた、その時。
「許さないのは……こっちだッ!!」
太郎の咆哮と共に、弦が放たれた。
ズガァァァァァァァンッ!!
放たれた矢は、もはや矢の形をしていなかった。
それは、主の怒りを具現化した、紅黒い龍へと化した。
その顎(あぎと)は全てを食らい尽くす絶望の形。
紅黒の龍は、迫りくる闇のエネルギー波に正面から突っ込んだ。
衝突の衝撃はない。
龍は闇のエネルギーごと、その巨大な口で飲み込み、咀嚼し、さらに加速した。
「な、なにッ……!?」
デーモンロードが目を見開く。
自らの最強の攻撃が食い破られ、目の前に紅黒い絶望が迫っている。
「バ、バカナァァァァァァ!!」
回避など不可能。
紅黒の龍はデーモンロードの巨体を頭から貫き、その背後にある地下空間の岩盤ごと穿った。
一瞬の静寂。
そして――。
ドゴォォォォォォォォォォォンッッ!!!
地下要塞全体を揺るがす大爆発。
デーモンロードの体は細胞の一片すら残らず消滅し、爆炎の中に消えた。
あまりの威力に天井が崩れかけ、瓦礫がパラパラと落ちてくる。
爆風が収まると、そこには黒焦げになった地面と、弓を下ろして静かに息を吐く太郎の姿だけがあった。
圧倒的な暴力。慈悲なき鉄槌。
それが、本気で怒らせてはいけない男、佐藤太郎の真の力だった。
地下空間に、デーモンロードの耳障りな罵声が響き渡る。
「下等生物どもが! 我が儀式の邪魔をした罪、万死に値するぞ! その魂、永遠に苦痛の中でのたうち回らせてくれるわ!!」
唾を飛ばして喚き散らす異形の怪物。
だが、太郎にとって、そんな言葉はどうでも良かった。
太郎は弓を下ろしたまま、デーモンロードから視線を外し、鉄格子の奥を見た。
そこには、ボロボロの衣服を纏い、痩せこけたエルフたちがいる。
頬には殴られた痕、腕には鎖で擦れた傷、そして目には絶望と恐怖の色。
理不尽に攫われ、自由を奪われ、ただ消費される家畜のように扱われた彼らの痛み。
(…………)
太郎の心臓が、ドクンと冷たく脈打った。
かつて魔神王と戦った時は「みんなを守るため」の戦いだった。
だが今は違う。これは純粋な「怒り」だ。
平和に暮らしていた人々を踏みにじり、それを愉悦とする悪への、底知れぬ憎悪。
「無視をするなァァァ!!」
デーモンロードが激昂し、両手の間に巨大な闇の球体を生成した。
空間が歪むほどの高密度のエネルギーだ。
「許さないぞ! 貴様ら! 塵一つ残さず消し去ってやる!!」
「……許さない、か」
太郎がポツリと呟いた。
ゆっくりと『雷霆』を構える。
主の心に呼応するように、伝説の弓が軋みを上げた。
『……警告……主の感情値、臨界点を突破……』
雷霆の装飾が変形し、普段の清浄な青白い光ではなく、禍々しいほどの赤黒いスパークを放ち始める。
つがえられた必殺の矢に、太郎の激情が奔流となって注ぎ込まれる。
矢は赤熱し、やがてドス黒いオーラを纏って**紅黒(こうこく)**に輝き始めた。
「死ねぇぇぇぇぇッ!!」
デーモンロードが腕を振り抜く。
巨大な闇のエネルギー波が、全てを飲み込む濁流となって太郎に迫る。
ヒブネが悲鳴を上げかけた、その時。
「許さないのは……こっちだッ!!」
太郎の咆哮と共に、弦が放たれた。
ズガァァァァァァァンッ!!
放たれた矢は、もはや矢の形をしていなかった。
それは、主の怒りを具現化した、紅黒い龍へと化した。
その顎(あぎと)は全てを食らい尽くす絶望の形。
紅黒の龍は、迫りくる闇のエネルギー波に正面から突っ込んだ。
衝突の衝撃はない。
龍は闇のエネルギーごと、その巨大な口で飲み込み、咀嚼し、さらに加速した。
「な、なにッ……!?」
デーモンロードが目を見開く。
自らの最強の攻撃が食い破られ、目の前に紅黒い絶望が迫っている。
「バ、バカナァァァァァァ!!」
回避など不可能。
紅黒の龍はデーモンロードの巨体を頭から貫き、その背後にある地下空間の岩盤ごと穿った。
一瞬の静寂。
そして――。
ドゴォォォォォォォォォォォンッッ!!!
地下要塞全体を揺るがす大爆発。
デーモンロードの体は細胞の一片すら残らず消滅し、爆炎の中に消えた。
あまりの威力に天井が崩れかけ、瓦礫がパラパラと落ちてくる。
爆風が収まると、そこには黒焦げになった地面と、弓を下ろして静かに息を吐く太郎の姿だけがあった。
圧倒的な暴力。慈悲なき鉄槌。
それが、本気で怒らせてはいけない男、佐藤太郎の真の力だった。
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