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第二章 新たな旅立ち
EP 16
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英雄の凱旋、そして最強の妻たちのお説教
デーモンロードを粉砕し、アジトを壊滅させた太郎とヒブネは、捕らえられていたエルフたちを連れて地上へ脱出した。
朝日が昇る中、一行はエルフの里へと帰還した。
「みんな! 帰ってきたぞー!」
「とーちゃん! かーちゃん!」
里は涙と歓喜の声に包まれた。
行方不明になっていた家族との再会。抱き合う親子、恋人たち。
その光景を見て、太郎とヒブネは静かに安堵の息をついた。
その夜。
エルフの里では、太郎たちを称える盛大な宴が開かれた。
太郎が提供した大量の酒と食材で、普段は静かな里がお祭り騒ぎとなっていた。
「勇者太郎様! ありがとう!」
「ヒブネ! お前は里の誇りだ!」
エルフたちが口々に感謝を述べ、踊り明かす。
そんな賑やかな宴の片隅で、太郎は切り株に座り、月を見上げながら杯を傾けていた。
「ふぅ……。一件落着だね」
肩の荷が下りた。これでまた平和な日常に戻れる。
そう思った瞬間、背後に二つの影が落ちた。
そして、周囲の気温がスッと下がった気がした。
「……太郎様?」
「ッ!?」
背筋が凍るような、甘く、しかし圧力のある声。
太郎が恐る恐る振り返ると、そこには満面の笑み(目は笑っていない)を浮かべたサリーと、腕を組んで仁王立ちするライザがいた。
「サ、サリー? ライザ? 起きてたの?」
「えぇ、これだけの騒ぎですから。……それより、太郎様」
サリーが一歩近づく。
「何故、私達に黙って行かれたのですか?」
「本当です。置き手紙一つで姿を消すなんて……。もし太郎様の身に何かあったら、どうするおつもりだったのですか?」
ライザも詰め寄る。
デーモンロードより怖い。太郎は脂汗を流しながら後ずさった。
「い、いや! 違うんだ! 君達を仲間外れにしたわけじゃなくて……!」
太郎は必死に弁明した。
「君達には月丸や陽奈の事もあったし……それに、今回の敵は『奴隷』とか『生贄』とか、そういう非道な連中だったんだ。君達みたいな優しい母親に、そんな胸糞の悪いものを見せたく無かったんだよ!」
太郎なりの精一杯の気遣いだった。
それを聞いた二人は、顔を見合わせた。そして、大きなため息をついた後、ふっと表情を緩めた。
「もー! 太郎様ったら!」
サリーが太郎の頬をむにゅっとつねった。
「水臭いですよ! 私達は家族です! どんな時も一緒ですよ!」
「で、でも……」
「私は『無敵の奥様』です! そんな悪党ども、へっちゃらです! むしろ私が消し炭にしてあげましたのに!」
サリーが腰に手を当てて胸を張る。
「私だってそうです」
ライザが太郎の手を握りしめた。
「私は『最強の奥様』として、太郎様の護衛と、子供達の面倒くらい両立してみせますわ。月丸をおんぶしながらでも、デーモンロードくらい斬れますもの」
「えぇ……(それはそれで怖いけど)」
二人の瞳には、揺るぎない信頼と強さがあった。
守られるだけの存在ではない。共に背中を預け、家庭を守り、世界とも戦えるパートナーなのだ。
「……僕が間違っていたよ。君達は強くて、最高の奥さんだ」
太郎は目頭を熱くして、二人(につねられながら)頭を下げた。
「ごめんよぉぉ! 心配かけて本当にごめん! 次からは絶対に連れて行くから!」
「はい、約束ですよ?」
「破ったら、お仕置きですからね」
三人は身を寄せ合い、仲直りのハグをした。
その様子を、遠くからヒブネと長老が微笑ましそうに見守っていた。
「……やはり、あの方々には敵いませんね」
「うむ。サバラー大陸の平和も、この家族がいれば安泰じゃろうて」
宴の焚き火が爆ぜる音と共に、エルフの里の夜は更けていく。
家族の絆を再確認した太郎たちの、賑やかで最強な旅路は、まだまだ続いていくのだった。
デーモンロードを粉砕し、アジトを壊滅させた太郎とヒブネは、捕らえられていたエルフたちを連れて地上へ脱出した。
朝日が昇る中、一行はエルフの里へと帰還した。
「みんな! 帰ってきたぞー!」
「とーちゃん! かーちゃん!」
里は涙と歓喜の声に包まれた。
行方不明になっていた家族との再会。抱き合う親子、恋人たち。
その光景を見て、太郎とヒブネは静かに安堵の息をついた。
その夜。
エルフの里では、太郎たちを称える盛大な宴が開かれた。
太郎が提供した大量の酒と食材で、普段は静かな里がお祭り騒ぎとなっていた。
「勇者太郎様! ありがとう!」
「ヒブネ! お前は里の誇りだ!」
エルフたちが口々に感謝を述べ、踊り明かす。
そんな賑やかな宴の片隅で、太郎は切り株に座り、月を見上げながら杯を傾けていた。
「ふぅ……。一件落着だね」
肩の荷が下りた。これでまた平和な日常に戻れる。
そう思った瞬間、背後に二つの影が落ちた。
そして、周囲の気温がスッと下がった気がした。
「……太郎様?」
「ッ!?」
背筋が凍るような、甘く、しかし圧力のある声。
太郎が恐る恐る振り返ると、そこには満面の笑み(目は笑っていない)を浮かべたサリーと、腕を組んで仁王立ちするライザがいた。
「サ、サリー? ライザ? 起きてたの?」
「えぇ、これだけの騒ぎですから。……それより、太郎様」
サリーが一歩近づく。
「何故、私達に黙って行かれたのですか?」
「本当です。置き手紙一つで姿を消すなんて……。もし太郎様の身に何かあったら、どうするおつもりだったのですか?」
ライザも詰め寄る。
デーモンロードより怖い。太郎は脂汗を流しながら後ずさった。
「い、いや! 違うんだ! 君達を仲間外れにしたわけじゃなくて……!」
太郎は必死に弁明した。
「君達には月丸や陽奈の事もあったし……それに、今回の敵は『奴隷』とか『生贄』とか、そういう非道な連中だったんだ。君達みたいな優しい母親に、そんな胸糞の悪いものを見せたく無かったんだよ!」
太郎なりの精一杯の気遣いだった。
それを聞いた二人は、顔を見合わせた。そして、大きなため息をついた後、ふっと表情を緩めた。
「もー! 太郎様ったら!」
サリーが太郎の頬をむにゅっとつねった。
「水臭いですよ! 私達は家族です! どんな時も一緒ですよ!」
「で、でも……」
「私は『無敵の奥様』です! そんな悪党ども、へっちゃらです! むしろ私が消し炭にしてあげましたのに!」
サリーが腰に手を当てて胸を張る。
「私だってそうです」
ライザが太郎の手を握りしめた。
「私は『最強の奥様』として、太郎様の護衛と、子供達の面倒くらい両立してみせますわ。月丸をおんぶしながらでも、デーモンロードくらい斬れますもの」
「えぇ……(それはそれで怖いけど)」
二人の瞳には、揺るぎない信頼と強さがあった。
守られるだけの存在ではない。共に背中を預け、家庭を守り、世界とも戦えるパートナーなのだ。
「……僕が間違っていたよ。君達は強くて、最高の奥さんだ」
太郎は目頭を熱くして、二人(につねられながら)頭を下げた。
「ごめんよぉぉ! 心配かけて本当にごめん! 次からは絶対に連れて行くから!」
「はい、約束ですよ?」
「破ったら、お仕置きですからね」
三人は身を寄せ合い、仲直りのハグをした。
その様子を、遠くからヒブネと長老が微笑ましそうに見守っていた。
「……やはり、あの方々には敵いませんね」
「うむ。サバラー大陸の平和も、この家族がいれば安泰じゃろうて」
宴の焚き火が爆ぜる音と共に、エルフの里の夜は更けていく。
家族の絆を再確認した太郎たちの、賑やかで最強な旅路は、まだまだ続いていくのだった。
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