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第三章 世界の秩序
EP 46
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分断された戦場と、涙の槍
【タロウ城・中庭】
出撃の刻。
太郎は、目の前に立つ巨躯の男を見上げた。
「じゃあな、デューク。気を付けてな。……あと、向こうに着いたらリリカーナ女王によろしく」
「フン、誰に向かって言っておるのか。我は竜王ぞ」
デュークは鼻で笑うと、一歩後ろに下がった。
次の瞬間、まばゆい光と共にその姿が膨れ上がる。
グオォォォォォォォ……!!
現れたのは、城をも見下ろす巨大な黄金のドラゴン。
その背中に、フレアとフェリルが軽々と飛び乗った。
「旦那様! お土産は魔族の首でよろしいかしら?」
「行ってくるよご主人! 美味しい魚あるといいな!」
「じゃあな、行くぞ!」
バサァッ!!
竜王の巨大な翼が羽ばたき、突風が巻き起こる。
三柱の最強種は、矢のような速度で天高く舞い上がり、南の空――シーラン国の方角へと消えていった。
それを見届けた太郎は、表情を引き締めて振り返った。
「よし! 僕達は北だ! エルフの里へ急ぐぞ!」
「「「はいッ!!」」」
太郎、サリー、ライザ、ヒブネ、サクヤ、そしてヴァルキュリア。
六騎の馬(ヴァルキュリアは自力飛行の方が速いが、スタミナ温存のため騎乗)は、土煙を上げて城門を飛び出した。
【エルフの里・外縁部】
数時間の早駆けの末、森の空気は焦げ臭いものへと変わっていた。
美しい緑に包まれていたはずのエルフの里は、今や黒煙と悲鳴に包まれた戦場と化していた。
「な……っ!」
先頭を走っていたヒブネが絶句した。
入り口の巨木はへし折られ、美しい家々が魔族の放つ火矢で燃えている。
同胞たちが逃げ惑い、それを醜悪なオークやゴブリンの軍勢が笑いながら追い回している。
「あぁ……私の里が……」
ヒブネの美貌が、憤怒に歪んだ。
「貴様ら……よくも……! 私の里を、同胞達を汚したなァァァ!!」
「ヒブネ!?」
ヒブネは馬から飛び降りると、愛槍を握りしめて単身突撃した。
冷静な判断力を持つ彼女とは思えない、激情に駆られた特攻だ。
「死ねぇぇぇ!! 魔族共おおおお!!」
ズバッ! ドスッ!
ヒブネの槍が唸りを上げ、オークの喉を貫き、ゴブリンを薙ぎ払う。
しかし、敵の数は多い。殺気立った彼女を囲むように、武装したオーガたちが集まってくる。
「ヒブネさん! お待ち下さい! 孤立します!」
ライザが馬上で叫び、自らも飛び降りた。
「はぁぁぁッ!!」
『竜殺しの魔剣』が一閃。ヒブネの背後から襲いかかろうとした魔物を両断する。
「ライザ……!」
「気持ちは分かります! ですが、今は連携を!」
二人の女戦士が背中合わせになり、前線を支える。
太郎も到着し、惨状を目の当たりにした。
「酷い……。ここまで蹂躙されているなんて」
「太郎様! 上空から失礼します!」
ヴァルキュリアの声だ。
彼女はすでに馬を捨て、背中の光翼を展開して天空へと舞い上がっていた。
これぞ神兵騎士団長の本領発揮である。
「薄汚い魔族ども! 天罰を受けるがいい!」
ヴァルキュリアが翼を広げると、そこから無数の黄金の羽根が生成された。
「『ゴールド・フェザー』!!」
ヒュヒュヒュヒュッ!!
光の雨が降り注ぐ。
羽根一本一本が鋭利な刃となり、地上の魔族たちの頭上を正確に貫いた。
「ギャァァァ!?」
「空だ! 空から攻撃が!?」
敵陣が混乱する隙に、ヴァルキュリアは戦場を俯瞰し、太郎の元へ急降下した。
「太郎殿! 状況確認しました!」
「報告を!」
「里の長老や非戦闘員たちは、里の最奥にある『世界樹の祠』に身を潜めています! 現在、残った防人達と太郎国軍の常駐兵が結界を張り、死守している様子! ですが、結界が破られるのも時間の問題かと!」
「分かった! 優先順位は避難民の保護だ!」
太郎は瞬時に戦況図を描き、指示を飛ばした。
「サリー! 君は回復魔法のエキスパートだ。怪我をして動けない人達の治療を頼む!」
「任せてくださいわ! 一人も死なせません!」
「サクヤ! 君もエルフだ、里の地理には詳しいだろう? サリーの護衛と、避難誘導の手助けを!」
「承知いたしました。……同胞を傷つけた罪、料理(物理)して差し上げますわ」
サクヤの瞳の奥にも、静かな怒りの炎が宿っている。
「ヴァルキュリア! 君は空からの機動力を活かして全体を見つつ、苦戦している防人達への火力支援(カバー)を頼む! 何か戦況が変わったらすぐに僕に報告を!」
「御意!!」
ヴァルキュリアが再び空へ舞い戻る。
「ヒブネ、ライザ! 前線を押し上げて道を作るぞ!」
「はいッ!!」
「行くぞ……!」
太郎は背中の『真・雷霆』を握りしめた。
里の中での使用は危険すぎるが、出力調整を誤らなければ、最強の援護射撃になるはずだ。
「ここから先は、太郎国の管轄だ! 一匹たりとも逃がすな!!」
王の号令と共に、反撃の火蓋が切って落とされた。
【タロウ城・中庭】
出撃の刻。
太郎は、目の前に立つ巨躯の男を見上げた。
「じゃあな、デューク。気を付けてな。……あと、向こうに着いたらリリカーナ女王によろしく」
「フン、誰に向かって言っておるのか。我は竜王ぞ」
デュークは鼻で笑うと、一歩後ろに下がった。
次の瞬間、まばゆい光と共にその姿が膨れ上がる。
グオォォォォォォォ……!!
現れたのは、城をも見下ろす巨大な黄金のドラゴン。
その背中に、フレアとフェリルが軽々と飛び乗った。
「旦那様! お土産は魔族の首でよろしいかしら?」
「行ってくるよご主人! 美味しい魚あるといいな!」
「じゃあな、行くぞ!」
バサァッ!!
竜王の巨大な翼が羽ばたき、突風が巻き起こる。
三柱の最強種は、矢のような速度で天高く舞い上がり、南の空――シーラン国の方角へと消えていった。
それを見届けた太郎は、表情を引き締めて振り返った。
「よし! 僕達は北だ! エルフの里へ急ぐぞ!」
「「「はいッ!!」」」
太郎、サリー、ライザ、ヒブネ、サクヤ、そしてヴァルキュリア。
六騎の馬(ヴァルキュリアは自力飛行の方が速いが、スタミナ温存のため騎乗)は、土煙を上げて城門を飛び出した。
【エルフの里・外縁部】
数時間の早駆けの末、森の空気は焦げ臭いものへと変わっていた。
美しい緑に包まれていたはずのエルフの里は、今や黒煙と悲鳴に包まれた戦場と化していた。
「な……っ!」
先頭を走っていたヒブネが絶句した。
入り口の巨木はへし折られ、美しい家々が魔族の放つ火矢で燃えている。
同胞たちが逃げ惑い、それを醜悪なオークやゴブリンの軍勢が笑いながら追い回している。
「あぁ……私の里が……」
ヒブネの美貌が、憤怒に歪んだ。
「貴様ら……よくも……! 私の里を、同胞達を汚したなァァァ!!」
「ヒブネ!?」
ヒブネは馬から飛び降りると、愛槍を握りしめて単身突撃した。
冷静な判断力を持つ彼女とは思えない、激情に駆られた特攻だ。
「死ねぇぇぇ!! 魔族共おおおお!!」
ズバッ! ドスッ!
ヒブネの槍が唸りを上げ、オークの喉を貫き、ゴブリンを薙ぎ払う。
しかし、敵の数は多い。殺気立った彼女を囲むように、武装したオーガたちが集まってくる。
「ヒブネさん! お待ち下さい! 孤立します!」
ライザが馬上で叫び、自らも飛び降りた。
「はぁぁぁッ!!」
『竜殺しの魔剣』が一閃。ヒブネの背後から襲いかかろうとした魔物を両断する。
「ライザ……!」
「気持ちは分かります! ですが、今は連携を!」
二人の女戦士が背中合わせになり、前線を支える。
太郎も到着し、惨状を目の当たりにした。
「酷い……。ここまで蹂躙されているなんて」
「太郎様! 上空から失礼します!」
ヴァルキュリアの声だ。
彼女はすでに馬を捨て、背中の光翼を展開して天空へと舞い上がっていた。
これぞ神兵騎士団長の本領発揮である。
「薄汚い魔族ども! 天罰を受けるがいい!」
ヴァルキュリアが翼を広げると、そこから無数の黄金の羽根が生成された。
「『ゴールド・フェザー』!!」
ヒュヒュヒュヒュッ!!
光の雨が降り注ぐ。
羽根一本一本が鋭利な刃となり、地上の魔族たちの頭上を正確に貫いた。
「ギャァァァ!?」
「空だ! 空から攻撃が!?」
敵陣が混乱する隙に、ヴァルキュリアは戦場を俯瞰し、太郎の元へ急降下した。
「太郎殿! 状況確認しました!」
「報告を!」
「里の長老や非戦闘員たちは、里の最奥にある『世界樹の祠』に身を潜めています! 現在、残った防人達と太郎国軍の常駐兵が結界を張り、死守している様子! ですが、結界が破られるのも時間の問題かと!」
「分かった! 優先順位は避難民の保護だ!」
太郎は瞬時に戦況図を描き、指示を飛ばした。
「サリー! 君は回復魔法のエキスパートだ。怪我をして動けない人達の治療を頼む!」
「任せてくださいわ! 一人も死なせません!」
「サクヤ! 君もエルフだ、里の地理には詳しいだろう? サリーの護衛と、避難誘導の手助けを!」
「承知いたしました。……同胞を傷つけた罪、料理(物理)して差し上げますわ」
サクヤの瞳の奥にも、静かな怒りの炎が宿っている。
「ヴァルキュリア! 君は空からの機動力を活かして全体を見つつ、苦戦している防人達への火力支援(カバー)を頼む! 何か戦況が変わったらすぐに僕に報告を!」
「御意!!」
ヴァルキュリアが再び空へ舞い戻る。
「ヒブネ、ライザ! 前線を押し上げて道を作るぞ!」
「はいッ!!」
「行くぞ……!」
太郎は背中の『真・雷霆』を握りしめた。
里の中での使用は危険すぎるが、出力調整を誤らなければ、最強の援護射撃になるはずだ。
「ここから先は、太郎国の管轄だ! 一匹たりとも逃がすな!!」
王の号令と共に、反撃の火蓋が切って落とされた。
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『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』
※別サイトにも掲載しています。
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