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第四章 新たな秩序
EP 19
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最強女子会コネクションと、愛の逃避行(?)
【太郎国・城中庭】
「分かりましたわ! 旦那様」
芋の皮を剥き終えたフレアが、スッと立ち上がり、扇子をバシッと開いた。
その瞳は、獲物を見つけた猛禽類のようにギラギラと輝いている。
「え? どうしたの? 急に」
太郎がキョトンとする。
「その壮大な、世界を変えるかもしれない旦那様の野望……この最高の奥様たるフレアが、叶えて差し上げますわ!」
フレアは胸を張った。自信満々だ。
しかし、どうやって? まさか単身で乗り込んで、炎で脅して平和条約を結ばせるつもりか?
「実は私と、ワイズ皇国の女王ラスティアとは……『女子会メンバー』なんですの」
「「「はあ!?」」」
その場にいた全員(太郎、サリー、ライザ、マルス、ヒブネ)の顎が外れかけた。
不死鳥と、魔族の女王が、女子会?
「じょ、女子会って……あの、お茶とかお酒を飲んで喋るだけの……?」
サリーが震える声で尋ねる。
「ええ。定期的に集まってますのよ? 最近のトレンドコスメとか、部下の愚痴とか、恋バナとか」
「事実です」
それまで黙っていたヴァルキュリアが、無表情で肯定した。
「天界の女神ルチアナ様と、魔女王ラスティア、そしてフレア様は、数千年前からの飲み友達です。私も何度か、おつまみの買い出しを頼まれたことがあります」
「そ、そんな繋がりが……」
ライザが頭を抱えた。
世界の命運を握るトップたちが、裏で繋がっていたなんて。外交の常識が崩壊する。
「ですので」
フレアはニッコリと微笑んだ。
「私が、旦那様とラスティアの『交渉の場』を設けますわ。友人としてのコネを使えば、玉座の間への直通パスなんて容易いことですの」
「本当かい!?」
太郎が身を乗り出した。
「ありがとうフレア! それなら話が早い! 早速頼むよ! 僕をワイズ皇国に連れてってくれ!」
芋さえ届けば、想いは通じるはずだ。
「おホホホ♡ 愛しの旦那様の為なら、造作もない事でしてよ」
フレアは太郎の腕に自分の腕を絡ませた。
「待って下さい!」
「太郎様とフレアだけで行くつもりですか!? 危険です!」
サリーとライザが猛抗議した。
「相手は敵国の心臓部ですよ!? 罠かもしれません!」
「それに、フレアさん一人では護衛に不安が……いえ、むしろフレアさんが一番危険(貞操的な意味で)です!」
二人の妻の目は必死だ。
もちろん王の身を案じているのもあるが、それ以上に「二人きりの旅行」を許したくないという嫉妬の炎が燃え盛っている。
「でも……」
太郎が困ったように言うと、ライザが一歩前に出た。
「私達も行きます! 騎士団を連れて……!」
「ダメだ」
太郎は首を横に振った。
「軍を連れて行ったら、それは『侵略』や『威圧』になってしまう。こちらに敵意がない事を示さなくちゃいけないんだ。だから、少人数で、手土産(焼き芋)を持って行くのが一番なんだよ」
「でも……っ!」
「危険です……!」
食い下がる二人を一喝したのは、竜王だった。
「貴様ら。主の覚悟が分からんのか?」
デュークは呆れたように鼻を鳴らした。
「主は、自らの命を賭けて、世界の理を変えようとしているのだ。その第一歩に、女の嫉妬ごときで水を差すな」
「うう……」
痛いところを突かれ、サリーとライザは言葉を詰まらせた。
「大丈夫だって」
太郎は二人の頭をポンポンと撫でた。
「何とかなるさ。話せば分かるって。留守の間、国のことは頼んだよ」
太郎の笑顔には、不思議な安心感があった。
二人は渋々ながらも引き下がるしかなかった。
「分かりました……。お気をつけて」
「必ず、無事に戻ってくださいね……!」
「さぁ旦那様。行きましょう♡ 善は急げですわ!」
フレアは太郎の腰に手を回し、背中に真紅の翼を展開した。
そして、飛び立つ直前。
彼女はクルリと振り返り、涙目のサリーとライザを見下ろした。
その顔には、勝利の笑みが浮かんでいた。
「ざまぁないわね、小娘共♡」
「「っ!?」」
「貴方達が留守番をして指を咥えている間に、私は旦那様と二人っきり……敵地へのスリル満点な『熱い旅(ハネムーン)』を楽しんできますから♡ せいぜい、ハンコ押しでも頑張ってて下さいまし、オ・ホ・ホ・ホ・ホ!」
「キイイイイイイイイイイイッ!!!」
サリーの杖から雷撃が、ライザの剣から衝撃波が放たれたが、フレアはすでに太郎を抱えて空の彼方へ飛び去っていた。
「あのアマ~! 帰ってきたら焼き鳥にしてやりますわ!!」
「絶対に許さん! 覚えとけよ泥棒猫(鳥)ッ!!」
中庭に、敗北した妻たちの絶叫がこだまする。
一方、空の上では。
「なんか下で凄い音がしたけど、大丈夫?」
「えぇ、気のせいですわ旦那様♡ さぁ、愛の逃避行……いえ、平和の旅へ参りましょう!」
太郎とフレア、そして大量のサツマイモを乗せて、一行は魔族国ワイズ皇国へと向かった。
【太郎国・城中庭】
「分かりましたわ! 旦那様」
芋の皮を剥き終えたフレアが、スッと立ち上がり、扇子をバシッと開いた。
その瞳は、獲物を見つけた猛禽類のようにギラギラと輝いている。
「え? どうしたの? 急に」
太郎がキョトンとする。
「その壮大な、世界を変えるかもしれない旦那様の野望……この最高の奥様たるフレアが、叶えて差し上げますわ!」
フレアは胸を張った。自信満々だ。
しかし、どうやって? まさか単身で乗り込んで、炎で脅して平和条約を結ばせるつもりか?
「実は私と、ワイズ皇国の女王ラスティアとは……『女子会メンバー』なんですの」
「「「はあ!?」」」
その場にいた全員(太郎、サリー、ライザ、マルス、ヒブネ)の顎が外れかけた。
不死鳥と、魔族の女王が、女子会?
「じょ、女子会って……あの、お茶とかお酒を飲んで喋るだけの……?」
サリーが震える声で尋ねる。
「ええ。定期的に集まってますのよ? 最近のトレンドコスメとか、部下の愚痴とか、恋バナとか」
「事実です」
それまで黙っていたヴァルキュリアが、無表情で肯定した。
「天界の女神ルチアナ様と、魔女王ラスティア、そしてフレア様は、数千年前からの飲み友達です。私も何度か、おつまみの買い出しを頼まれたことがあります」
「そ、そんな繋がりが……」
ライザが頭を抱えた。
世界の命運を握るトップたちが、裏で繋がっていたなんて。外交の常識が崩壊する。
「ですので」
フレアはニッコリと微笑んだ。
「私が、旦那様とラスティアの『交渉の場』を設けますわ。友人としてのコネを使えば、玉座の間への直通パスなんて容易いことですの」
「本当かい!?」
太郎が身を乗り出した。
「ありがとうフレア! それなら話が早い! 早速頼むよ! 僕をワイズ皇国に連れてってくれ!」
芋さえ届けば、想いは通じるはずだ。
「おホホホ♡ 愛しの旦那様の為なら、造作もない事でしてよ」
フレアは太郎の腕に自分の腕を絡ませた。
「待って下さい!」
「太郎様とフレアだけで行くつもりですか!? 危険です!」
サリーとライザが猛抗議した。
「相手は敵国の心臓部ですよ!? 罠かもしれません!」
「それに、フレアさん一人では護衛に不安が……いえ、むしろフレアさんが一番危険(貞操的な意味で)です!」
二人の妻の目は必死だ。
もちろん王の身を案じているのもあるが、それ以上に「二人きりの旅行」を許したくないという嫉妬の炎が燃え盛っている。
「でも……」
太郎が困ったように言うと、ライザが一歩前に出た。
「私達も行きます! 騎士団を連れて……!」
「ダメだ」
太郎は首を横に振った。
「軍を連れて行ったら、それは『侵略』や『威圧』になってしまう。こちらに敵意がない事を示さなくちゃいけないんだ。だから、少人数で、手土産(焼き芋)を持って行くのが一番なんだよ」
「でも……っ!」
「危険です……!」
食い下がる二人を一喝したのは、竜王だった。
「貴様ら。主の覚悟が分からんのか?」
デュークは呆れたように鼻を鳴らした。
「主は、自らの命を賭けて、世界の理を変えようとしているのだ。その第一歩に、女の嫉妬ごときで水を差すな」
「うう……」
痛いところを突かれ、サリーとライザは言葉を詰まらせた。
「大丈夫だって」
太郎は二人の頭をポンポンと撫でた。
「何とかなるさ。話せば分かるって。留守の間、国のことは頼んだよ」
太郎の笑顔には、不思議な安心感があった。
二人は渋々ながらも引き下がるしかなかった。
「分かりました……。お気をつけて」
「必ず、無事に戻ってくださいね……!」
「さぁ旦那様。行きましょう♡ 善は急げですわ!」
フレアは太郎の腰に手を回し、背中に真紅の翼を展開した。
そして、飛び立つ直前。
彼女はクルリと振り返り、涙目のサリーとライザを見下ろした。
その顔には、勝利の笑みが浮かんでいた。
「ざまぁないわね、小娘共♡」
「「っ!?」」
「貴方達が留守番をして指を咥えている間に、私は旦那様と二人っきり……敵地へのスリル満点な『熱い旅(ハネムーン)』を楽しんできますから♡ せいぜい、ハンコ押しでも頑張ってて下さいまし、オ・ホ・ホ・ホ・ホ!」
「キイイイイイイイイイイイッ!!!」
サリーの杖から雷撃が、ライザの剣から衝撃波が放たれたが、フレアはすでに太郎を抱えて空の彼方へ飛び去っていた。
「あのアマ~! 帰ってきたら焼き鳥にしてやりますわ!!」
「絶対に許さん! 覚えとけよ泥棒猫(鳥)ッ!!」
中庭に、敗北した妻たちの絶叫がこだまする。
一方、空の上では。
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