スキル『100円ショップ』で異世界暮らし。素材回収でポイント貯めて、美味しいご飯と便利グッズで美少女たちとスローライフを目指します

月神世一

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第四章 新たな秩序

EP 39

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ラーメンの次はダンジョンで、愛の力試し
​【太郎国・城下町 ラーメン店『麺屋・タロウ』】
​「ふぅ、食った食った」
​空になった丼を置き、竜王デュークは満足げに髭を拭った。
​「しかし主よ。豚骨も捨てがたいが……我は思うのだ。次はもっとこう、クリーミーで上品なコクのある『鶏白湯(とりぱいたん)』に挑戦すべきだろうな」
​「えー? 僕は断然『煮干し系』が良いなー! ご主人!」
狼王フェリルが爪楊枝を咥えながら反論する。
「あの魚介の香りがガツンと来る感じ? あれこそ至高だよ」
​もはや完全にラーメン通(ラオタ)と化した最強種たちの議論を聞きながら、太郎はお冷を一口飲んだ。
​「そうだなぁ……どっちも美味しいよね」
​太郎はふと、前回の会話を思い出した。
​「あ、そういえばデューク。君達が言っていた『天魔窟(てんまくつ)』なんだけど……」
​「あぁ。あの地下100階層ある、超高難易度ダンジョンの事か」
デュークが頷く。
​「キュルリンって妖精が管理してる管轄なんだよねー。あそこ、罠がエグいんだよ」
フェリルが嫌そうな顔をした。
​太郎はニヤリと笑った。その目に、かつて世界を旅した冒険者の色が宿る。
​「元冒険者として、話を聞いて面白そうだと思ってね。……僕達で挑戦しようかなって」
​その言葉に反応したのは、太郎の両脇を固める妻たちだった。
​「まぁ! 久しぶりの冒険ね♡」
サリーが目を輝かせ、愛用の杖をくるりと回した。
「ふふっ、燃えてきましたわ。『無敵の奥様』の力、太郎様にたっぷりと見せて上げますわ!」
​「腕が鳴ります」
ライザが剣の柄に手を掛け、キリッとした表情を見せる。
「ここ最近は事務仕事ばかりでしたからね。『最強の奥様』として、魔物を千切りにして差し上げましょう」
​「まぁ♡ 1階から挑戦する気ですか?」
フレアも負けじと太郎の腕に抱きついた。
「では私もご一緒に。『最高の奥様』なので、どんな強敵が来ても旦那様には指一本触れさせませんことよ♡」
​妻たちの間で、バチバチと火花が散る。
どうやらダンジョン攻略は、誰が一番太郎の役に立つかという「妻力(つまぢから)アピール合戦」になるようだ。
​デュークは呆れたように言った。
​「物好きな奴らだ。わざわざ1階から行くのか? 我のVIPカードを使えば、即座に最下層の遊楽施設に行けるのに」
​「それじゃあ、つまんないだろ?」
太郎は即答した。
​「いきなりゴールについても、達成感がないよ。罠を回避したり、地図を埋めたり、強敵と戦ってハラハラしたり……その道中を楽しむのが『冒険』ってもんだよ」
​「……ふん。相変わらずだな、主は」
デュークは苦笑した。効率よりもロマン。それがこの男だ。
​「ま、いいんじゃない?」
ジャージ姿の創造神ルチアナが、欠伸をしながら割り込んだ。
​「太郎君たちが汗水垂らして攻略してる間、私達は最下層でパチ……じゃない、優雅にお食事して待ってるから♡」
​「ルチアナ様……」
ヴァルキュリアがジト目で睨む。
「本音がダダ漏れです。大体、貴女のそのパチンコ等の遊興費で、神界の事業予算が幾つか潰れてるんですからね? 今日は低貸しで遊んで下さい」
​「えぇ~!? ケチ~!」
​「全く……。神がギャンブル狂いとは、嘆かわしいわね」
ラスティアが冷ややかに言った。
「私はエステで肌を整えてくるわ。最近乾燥気味だし」
​「ラスティア様は人の事言えねぇでしょ」
すかさずルーベンスがツッコんだ。
「貴方のエステ代のせいで、俺のボーナスが査定中なんですが?」
​管理者サイドのダメな大人たちは、どっちもどっちだった。
​「ではな、主。我等は先に行ってるぞ」
デュークが立ち上がり、空間転移のゲートを開いた。
​「うんうん。夫婦水入らず……というか、夫婦+愛人(とり)の旅を邪魔しちゃ悪いしね!」
フェリルがニシシと笑って手を振る。
​「誰が愛人ですかッ! 正妻ですわよ!」
フレアが叫ぶ中、最強種と管理者一行はゲートの彼方へ消えていった。
​残されたのは、太郎と、やる気満々の三人の妻たち。
​「よし! じゃあ僕たちも行こうか!」
「はい! 太郎様!」
​こうして、世にも恐ろしいS級ダンジョン『天魔窟』は、太郎一家による「少しハードなピクニック会場」と化すのであった。
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