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「会談」
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送ったメッセージへの返信は、一時間もしないうちに帰ってきた。
「現状は把握致しました。
早速で申し訳ないのですが・・・ghost lighterさん。
明日、お会いすることは可能でしょうか?
この一件は急を要すると思います。
・・・できれば、都内でお会いしたいのですが、如何でしょうか?」
その後、いくつかのメッセージをやり取りした結果
日曜の午後2時に代々木の駅で待ち合わせということになった。
翌日。
駅に佇む事数分。
服装などは前もって、スマホから連絡を入れておいた。
人通りもそこそこある中、妙な緊張が走る。
おしゃれな人たちが行き交う中、俺は一人の人物に目が行った。
「・・・なんだ・・・ありゃあ・・・。」
見た目からして30代前後だろうか?
リクルートスーツを身にまとう若い女がスマホ片手にふらふらと歩いている。
肩近くまで伸びた髪の毛は、寝起きかという位ぼさぼさで
ひざ丈スカートで歩きずらそうにヒールをカツカツ言わせながら
一人、おろおろとスマホを眺めては周囲を見渡している。
「・・・いや、まさかね・・・。」
メッセージのやり取りだけだが、俺の中の『怪塚さん』の印象は
完全に「男」そのものだった。
女性であるはずがない・・・。
そう思っているのに・・・その女は確実に少しづつ
こちらに近づいてきている。
その女を眺めて数分。
眼が合った。
『やっべ・・・』
慌てて目を逸らしたが、もう遅い。
女は何かを見つけた様に、こちらに直進してくるではないか。
「あ・・・あの・・・ghost lighterさん?」
「・・・はい。」
「よ、良かったぁ・・・冷やかしだったらどうしようかと焦ってたんですよ。
じゃ、話の出来る場所に行きましょう!」
傍から見たらどう映るだろうか・・・。
いかがわしい関係を疑われても可笑しくない・・・。
だが、予想に反し彼女が向かったのはカフェだった。
一安心したのはいいが・・・そうなると気になるのは
明らかに浮いた彼女の姿である・・・。
「早速ですが、今お友達さんはとても危険です!
それは前回のメールでもお話しましたが!
『生霊』を追い払わない事には、二人とも不幸が続いてしまいます!」
「は、はぁ・・・その為の知恵をお貸し頂きたくメッセージしたのですが・・・。」
席に着くなり、注文より先に鼻息荒く彼女は言う。
「勿論ですよ!
ただ・・・一つ、折り入って相談なのですが・・・。」
なんだ?この期に及んで何か要求があるのか。
金か?
身構える俺に、彼女は驚きの一言を放つ。
「今回の一件、投稿の許可が欲しくてですね・・・。」
「は?」
拍子抜けである。
「も、もちろん被害に合われたご友人お二人にも許可をいただいた上で。ですよ?
何時もは、身内で起こった事を投稿しているもので
今回、読者さんから直接お話が舞い込んで、驚いている所なんですよ!
本来、私は投稿がお仕事なので・・・そちらに一枚噛ませてもらえさえすれば
私の方ではうれしい限りなのですが!?」
この数秒で分かった事がある・・・。
今目の前にいる年上の女性は、いわゆる「ヲタク女子」というものに違いない。
得意分野で発揮する、特有の早口というか・・・マシンガントークがそれを物語るのだ。
この人は本物なのだろうか・・・。
急に怪しさを覚えたものであるが・・・現状頼れるのは彼女しかいない。
俺は、彼女との話し合いを続けることにした・・・。
「現状は把握致しました。
早速で申し訳ないのですが・・・ghost lighterさん。
明日、お会いすることは可能でしょうか?
この一件は急を要すると思います。
・・・できれば、都内でお会いしたいのですが、如何でしょうか?」
その後、いくつかのメッセージをやり取りした結果
日曜の午後2時に代々木の駅で待ち合わせということになった。
翌日。
駅に佇む事数分。
服装などは前もって、スマホから連絡を入れておいた。
人通りもそこそこある中、妙な緊張が走る。
おしゃれな人たちが行き交う中、俺は一人の人物に目が行った。
「・・・なんだ・・・ありゃあ・・・。」
見た目からして30代前後だろうか?
リクルートスーツを身にまとう若い女がスマホ片手にふらふらと歩いている。
肩近くまで伸びた髪の毛は、寝起きかという位ぼさぼさで
ひざ丈スカートで歩きずらそうにヒールをカツカツ言わせながら
一人、おろおろとスマホを眺めては周囲を見渡している。
「・・・いや、まさかね・・・。」
メッセージのやり取りだけだが、俺の中の『怪塚さん』の印象は
完全に「男」そのものだった。
女性であるはずがない・・・。
そう思っているのに・・・その女は確実に少しづつ
こちらに近づいてきている。
その女を眺めて数分。
眼が合った。
『やっべ・・・』
慌てて目を逸らしたが、もう遅い。
女は何かを見つけた様に、こちらに直進してくるではないか。
「あ・・・あの・・・ghost lighterさん?」
「・・・はい。」
「よ、良かったぁ・・・冷やかしだったらどうしようかと焦ってたんですよ。
じゃ、話の出来る場所に行きましょう!」
傍から見たらどう映るだろうか・・・。
いかがわしい関係を疑われても可笑しくない・・・。
だが、予想に反し彼女が向かったのはカフェだった。
一安心したのはいいが・・・そうなると気になるのは
明らかに浮いた彼女の姿である・・・。
「早速ですが、今お友達さんはとても危険です!
それは前回のメールでもお話しましたが!
『生霊』を追い払わない事には、二人とも不幸が続いてしまいます!」
「は、はぁ・・・その為の知恵をお貸し頂きたくメッセージしたのですが・・・。」
席に着くなり、注文より先に鼻息荒く彼女は言う。
「勿論ですよ!
ただ・・・一つ、折り入って相談なのですが・・・。」
なんだ?この期に及んで何か要求があるのか。
金か?
身構える俺に、彼女は驚きの一言を放つ。
「今回の一件、投稿の許可が欲しくてですね・・・。」
「は?」
拍子抜けである。
「も、もちろん被害に合われたご友人お二人にも許可をいただいた上で。ですよ?
何時もは、身内で起こった事を投稿しているもので
今回、読者さんから直接お話が舞い込んで、驚いている所なんですよ!
本来、私は投稿がお仕事なので・・・そちらに一枚噛ませてもらえさえすれば
私の方ではうれしい限りなのですが!?」
この数秒で分かった事がある・・・。
今目の前にいる年上の女性は、いわゆる「ヲタク女子」というものに違いない。
得意分野で発揮する、特有の早口というか・・・マシンガントークがそれを物語るのだ。
この人は本物なのだろうか・・・。
急に怪しさを覚えたものであるが・・・現状頼れるのは彼女しかいない。
俺は、彼女との話し合いを続けることにした・・・。
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