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「人形」
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二日後の月曜日、怪塚さんから送られてきた荷物がある。
小さな封筒に入った「人形」である。
「この人形を、ご友人に渡してください。
その際、同封した御札をご友人の手で直接、人型へ貼り付けるよう指示を。
この人形は変わった方法で出来ていまして。と言っても、和紙なんですけどね。
悪い物を吸い『色が変色』するんです。
人形が完全に変色した時、改めて次のステップに移りますので
ご友人にもその旨をお伝えください。
和紙が変色した頃、改めてご一報くださいね。」
添えられていた手紙には以上の事が書かれていた。
俺は直ぐに、手紙の通りに行動を起こし二人の様子を見ることにした。
火曜日の朝一番で、山代に人形を手渡し
放課後、鈴守宅を訪れ、病床に伏せる鈴守にこれまでの事を話し人形を託した。
すると、さらに二日後の木曜日には鈴守が復帰し、学校に登校してきた。
人形を見せてもらうと、首元と頭頂部の一部が薄く茶褐色に変わっている。
まるで、その一部にだけ乾いた血でも付着したのかと思えるくらいの
見た目から汚い色だ。
そして、それは山代に預けた人形でも同様だった。
唯一の違いは
山代の人形は、足先の方から変色し
その色がより「赤に近い」褐色であることだった。
俺は帰宅後、このことを直ぐに怪塚さんへと報告した。
「変色位置の差は、相手の念がどこに向かっているのか。これの違いです。
色の差は念の深さや性質で変わります。
恐らく、一週間もしないうちに、和紙全体が変色してしまうことでしょう。
後日、次のステップに必要な道具をそちらに送りますので
引き続き、ghost lighterさんが私の代わりに作業を続けてください。」
彼女の言う通り、二人の持つ人形は
日に日に変色のスピードが増し、あれよあれよと全体が汚い色に覆われた。
「二人とも、人形・・・持ってきた?」
「うん。」
「これね。」
「よし、それじゃ人形はこっちで回収しておく。」
「灯谷、ソレどうするの?」
「もう、指示は受けてあるから・・・その手順に沿って処理するだけだよ。」
「だから、その手順が何なのって・・・。」
「それは・・・言えない。言っちゃいけない事になってる。」
「どういうこと?」
「二人にこの手順を明かせば、効果が見込めない可能性がある。という事らしい。
だから・・・ゴメンネ。
二人は、このまま自宅に帰るなり遊びに行ったりしても平気だからね。」
怪塚さんが、送ってきた道具と手紙には
今後の流れが記されており、それは俺個人が一人で行わなければならないそうだ。
なぜその様な事になったのかは、含みのある文面で誤魔化されていたが・・・。
とにかく、二人にこのことを話せば
今後の処置そのものが、無意味になってしまう。と強く念押しされた文章であった為
これ以上の事が言えないのが現状だ。
とはいえ、すべてを知っている立場で
この人形二枚を手に、自宅へ帰るのは・・・些か不安である・・・。
小さな封筒に入った「人形」である。
「この人形を、ご友人に渡してください。
その際、同封した御札をご友人の手で直接、人型へ貼り付けるよう指示を。
この人形は変わった方法で出来ていまして。と言っても、和紙なんですけどね。
悪い物を吸い『色が変色』するんです。
人形が完全に変色した時、改めて次のステップに移りますので
ご友人にもその旨をお伝えください。
和紙が変色した頃、改めてご一報くださいね。」
添えられていた手紙には以上の事が書かれていた。
俺は直ぐに、手紙の通りに行動を起こし二人の様子を見ることにした。
火曜日の朝一番で、山代に人形を手渡し
放課後、鈴守宅を訪れ、病床に伏せる鈴守にこれまでの事を話し人形を託した。
すると、さらに二日後の木曜日には鈴守が復帰し、学校に登校してきた。
人形を見せてもらうと、首元と頭頂部の一部が薄く茶褐色に変わっている。
まるで、その一部にだけ乾いた血でも付着したのかと思えるくらいの
見た目から汚い色だ。
そして、それは山代に預けた人形でも同様だった。
唯一の違いは
山代の人形は、足先の方から変色し
その色がより「赤に近い」褐色であることだった。
俺は帰宅後、このことを直ぐに怪塚さんへと報告した。
「変色位置の差は、相手の念がどこに向かっているのか。これの違いです。
色の差は念の深さや性質で変わります。
恐らく、一週間もしないうちに、和紙全体が変色してしまうことでしょう。
後日、次のステップに必要な道具をそちらに送りますので
引き続き、ghost lighterさんが私の代わりに作業を続けてください。」
彼女の言う通り、二人の持つ人形は
日に日に変色のスピードが増し、あれよあれよと全体が汚い色に覆われた。
「二人とも、人形・・・持ってきた?」
「うん。」
「これね。」
「よし、それじゃ人形はこっちで回収しておく。」
「灯谷、ソレどうするの?」
「もう、指示は受けてあるから・・・その手順に沿って処理するだけだよ。」
「だから、その手順が何なのって・・・。」
「それは・・・言えない。言っちゃいけない事になってる。」
「どういうこと?」
「二人にこの手順を明かせば、効果が見込めない可能性がある。という事らしい。
だから・・・ゴメンネ。
二人は、このまま自宅に帰るなり遊びに行ったりしても平気だからね。」
怪塚さんが、送ってきた道具と手紙には
今後の流れが記されており、それは俺個人が一人で行わなければならないそうだ。
なぜその様な事になったのかは、含みのある文面で誤魔化されていたが・・・。
とにかく、二人にこのことを話せば
今後の処置そのものが、無意味になってしまう。と強く念押しされた文章であった為
これ以上の事が言えないのが現状だ。
とはいえ、すべてを知っている立場で
この人形二枚を手に、自宅へ帰るのは・・・些か不安である・・・。
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