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「儀式」
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その日の深夜。
俺は家族にバレない様に、自宅を飛び出し
自宅近所の神社を目指した。
理由は、怪塚さんから指示されていた「処理」を行うためだ。
何、簡単なことだ。
深夜に神社で「ある儀式」を行うこと。
これだけだ。
その「儀式」とは、かの有名な呪術法「丑の刻参り」を真似た呪術である。
・・・正確には「呪詛返し」だそうだが・・・。
「呪詛返し」とは、自身にかけられた呪いを「相手に送り返す」というもので
怨みや憎しみを持てば持つほど、自分自身が不幸になっていく。というものである。
この場合、対外「不幸になったのはあいつのせいだ」とさらに怨みを募らせる輩が多い為
酷い場合、不慮の事故などで死に至ることもあるそうだ。
自分の過ちに気付き、醜い部分を受け入れた者だけが救われる。
恐ろしい「教訓の儀式」である。
今回の手順は以下の通りだ。
・札の貼られた人形を、神社や寺などのご神木に打ち付ける。
・この時、最初に変色した部分に釘を打ち込むこと。
・時刻は「丑の刻」。
・この儀式は、人に見られてはいけない。(または話してはいけない。)
他にも、細々としたルールが手紙には書き綴られていた。
そのすべての準備を終え、俺は神社へ向かった。
怪塚さんから送られてきた荷物は
五寸釘数本と、木槌のみ。
まさか、この年齢で擦れたOLの様な事をするハメになるとは。
だが、これで二人が助かるのなら「変質者」の汚名くらい幾らでも被ろう。
一人、黙々と作業を終えた俺は帰路に就く。
道中誰にも会わなかったことは幸いだ。
家族も、寝入ったまま起きてこない。完全犯罪成功だ。
そう思いながら、自室に戻る際
俺はふと、後ろを振り返った。
「・・・あれ・・・。家、こんな侘しかったっけ?」
夜中という特殊な環境のせいだろうか。
自宅の廊下やリビング、目に映るすべての景色が「重苦しく」感じた。
疑問を抱えつつ、俺は自室へ戻り就寝したのである。
それから数日。
あれ以来、山代・鈴守には変わったことは起きていない。
山代の配信には「噂の視聴者」は姿を見せなくなり
現在、世間では一人の男がニュースとなっている。
「某有名迷惑系配信者が、ネットストーカーで告発され
逮捕された挙句、拘置所で自殺を図った。」
というニュースだ。
これが、山代との因果関係を示すものであるかどうかは定かではない。
だが、現に山代の配信は平和となり
彼女自身のケガも、順調に回復しているそうだ・・・。
俺は、この一連の流れを改めて怪塚さんへ報告。
お礼のメッセージとした。
「こんにちは、ghost lighterさん。
嬉しい報告、ありがとうございます。
・・・時に、今回被害に合われたご友人ですが・・・
もしよければ、ご本人たちの許可を得て、お写真を送っていただけませんか?
写真からでも、生霊の念が消えたことを確認したいのですが・・・。」
願ってもない申し出だった。
確かに、俺には変なモノを見る力がある。
しかし、これまでの人生において「念」などというあやふやな物に関わった事はない。
それらの知識がある人物に見てもらった方が、安心でsる。
俺は、すぐに二人へ連絡し「自撮り写真」を送ってもらい、そのまま転送した。
返信が返ってきたのは、2時間後。
「・・・お気の毒に・・・。」
この一言だけだった。
俺は家族にバレない様に、自宅を飛び出し
自宅近所の神社を目指した。
理由は、怪塚さんから指示されていた「処理」を行うためだ。
何、簡単なことだ。
深夜に神社で「ある儀式」を行うこと。
これだけだ。
その「儀式」とは、かの有名な呪術法「丑の刻参り」を真似た呪術である。
・・・正確には「呪詛返し」だそうだが・・・。
「呪詛返し」とは、自身にかけられた呪いを「相手に送り返す」というもので
怨みや憎しみを持てば持つほど、自分自身が不幸になっていく。というものである。
この場合、対外「不幸になったのはあいつのせいだ」とさらに怨みを募らせる輩が多い為
酷い場合、不慮の事故などで死に至ることもあるそうだ。
自分の過ちに気付き、醜い部分を受け入れた者だけが救われる。
恐ろしい「教訓の儀式」である。
今回の手順は以下の通りだ。
・札の貼られた人形を、神社や寺などのご神木に打ち付ける。
・この時、最初に変色した部分に釘を打ち込むこと。
・時刻は「丑の刻」。
・この儀式は、人に見られてはいけない。(または話してはいけない。)
他にも、細々としたルールが手紙には書き綴られていた。
そのすべての準備を終え、俺は神社へ向かった。
怪塚さんから送られてきた荷物は
五寸釘数本と、木槌のみ。
まさか、この年齢で擦れたOLの様な事をするハメになるとは。
だが、これで二人が助かるのなら「変質者」の汚名くらい幾らでも被ろう。
一人、黙々と作業を終えた俺は帰路に就く。
道中誰にも会わなかったことは幸いだ。
家族も、寝入ったまま起きてこない。完全犯罪成功だ。
そう思いながら、自室に戻る際
俺はふと、後ろを振り返った。
「・・・あれ・・・。家、こんな侘しかったっけ?」
夜中という特殊な環境のせいだろうか。
自宅の廊下やリビング、目に映るすべての景色が「重苦しく」感じた。
疑問を抱えつつ、俺は自室へ戻り就寝したのである。
それから数日。
あれ以来、山代・鈴守には変わったことは起きていない。
山代の配信には「噂の視聴者」は姿を見せなくなり
現在、世間では一人の男がニュースとなっている。
「某有名迷惑系配信者が、ネットストーカーで告発され
逮捕された挙句、拘置所で自殺を図った。」
というニュースだ。
これが、山代との因果関係を示すものであるかどうかは定かではない。
だが、現に山代の配信は平和となり
彼女自身のケガも、順調に回復しているそうだ・・・。
俺は、この一連の流れを改めて怪塚さんへ報告。
お礼のメッセージとした。
「こんにちは、ghost lighterさん。
嬉しい報告、ありがとうございます。
・・・時に、今回被害に合われたご友人ですが・・・
もしよければ、ご本人たちの許可を得て、お写真を送っていただけませんか?
写真からでも、生霊の念が消えたことを確認したいのですが・・・。」
願ってもない申し出だった。
確かに、俺には変なモノを見る力がある。
しかし、これまでの人生において「念」などというあやふやな物に関わった事はない。
それらの知識がある人物に見てもらった方が、安心でsる。
俺は、すぐに二人へ連絡し「自撮り写真」を送ってもらい、そのまま転送した。
返信が返ってきたのは、2時間後。
「・・・お気の毒に・・・。」
この一言だけだった。
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