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「弟子入り」
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ある場所で、一堂に会する4人。
ガラステーブルを挟み、奥に瀬野・怪塚と席を陣取り
手前には、俺と鈴守が並ぶ。
ここは、瀬野が仕事で使っているというオフィスだそうだ。
一番に口を開いたのは瀬野だった。
「今日は集まってくれてありがとう。
それぞれ、話したい事や聞きたい事も多いかと思う。
だけどまず初めに、言わねばならない。そっちの君・・・女の子。
・・・視える子なんだね?」
「・・・。」
鈴守は黙ったままだった。
表情を見るに「訳が分からない」という思いなのだろう。
「ほぉ・・・無意識だったのかい?だとしたら余計に凄い事だ。
普通は、途中で気付きそうなもんだけど・・・。視線とかで・・・さ。」
そう、鈴守は気付いていなかったのだ。
自分が「普通、視えない物」が「視えている」ことに。
それは即ち・・・。
「君の周囲で見ていたものは、基本的には浮遊霊。
浮遊霊はね、その大半が生前と同じ活動をしていて自分が亡くなったことに気付いていない。
自分でも気付いていないんだ、場合によってはその思いの丈次第では
視える人でも生きているのか死んでいるのか区別のつきにくい場合がある。」
「それじゃ、俺に何か強い思いが残っているってことですか?」
「いや、ソレもあるだろうけどさ。
彼女の場合、それよりも・・・単に経験不足さ。
無知ゆえの判断の鈍さだね。
それに加えて、彼女は他人様への興味が薄いのかな。
自分がどう見られているか、気にしてなかったんだろう。
年頃の女の子にしちゃ、肝の据わった子だよね。」
それはもう、見た目からお察しだろう・・・。
「でもね、そのままだと危険だよ?
彼らは善人ばかりじゃない。それは生きてる人間だって同じだけどね。
彼らは無念を持っている。その分、執着は凶悪だ。
君はそれを見分ける力をつけなきゃならない。でなきゃ今回の様な事がまた起きる。
次は命を失うかもしれない。」
瀬野の言葉を聞いた鈴守の顔は引き攣っていた。
無理もない、いきなり霊だなんだと言われた挙句
次は死ぬかもしれないだ等と宣告されれば誰だって理解に苦しむものだ。
と、自分の中で解説している俺が、もうすでに死んでいると言うのだから
何とも言いにくい状況である・・・。
「そこで、君たちには
僕の6番目のお弟子さんに成って貰います。
と言っても、実際生きているのはお嬢さん一人だから・・・
君たちはしばらくニコイチでヒヨッ子とします。
お弟子さんと言っても、何かをして欲しい訳じゃないんだ。
君たちは、自分たちの置かれた状況・能力を正しく知る必要がある。
・・・何か困った時、その時は僕を頼ればいいってだけさ。簡単だろ?」
へらへらと笑う男に、俺たちは一種の不安感を覚えつつ
話は本題へと入っていくのである・・・。
ガラステーブルを挟み、奥に瀬野・怪塚と席を陣取り
手前には、俺と鈴守が並ぶ。
ここは、瀬野が仕事で使っているというオフィスだそうだ。
一番に口を開いたのは瀬野だった。
「今日は集まってくれてありがとう。
それぞれ、話したい事や聞きたい事も多いかと思う。
だけどまず初めに、言わねばならない。そっちの君・・・女の子。
・・・視える子なんだね?」
「・・・。」
鈴守は黙ったままだった。
表情を見るに「訳が分からない」という思いなのだろう。
「ほぉ・・・無意識だったのかい?だとしたら余計に凄い事だ。
普通は、途中で気付きそうなもんだけど・・・。視線とかで・・・さ。」
そう、鈴守は気付いていなかったのだ。
自分が「普通、視えない物」が「視えている」ことに。
それは即ち・・・。
「君の周囲で見ていたものは、基本的には浮遊霊。
浮遊霊はね、その大半が生前と同じ活動をしていて自分が亡くなったことに気付いていない。
自分でも気付いていないんだ、場合によってはその思いの丈次第では
視える人でも生きているのか死んでいるのか区別のつきにくい場合がある。」
「それじゃ、俺に何か強い思いが残っているってことですか?」
「いや、ソレもあるだろうけどさ。
彼女の場合、それよりも・・・単に経験不足さ。
無知ゆえの判断の鈍さだね。
それに加えて、彼女は他人様への興味が薄いのかな。
自分がどう見られているか、気にしてなかったんだろう。
年頃の女の子にしちゃ、肝の据わった子だよね。」
それはもう、見た目からお察しだろう・・・。
「でもね、そのままだと危険だよ?
彼らは善人ばかりじゃない。それは生きてる人間だって同じだけどね。
彼らは無念を持っている。その分、執着は凶悪だ。
君はそれを見分ける力をつけなきゃならない。でなきゃ今回の様な事がまた起きる。
次は命を失うかもしれない。」
瀬野の言葉を聞いた鈴守の顔は引き攣っていた。
無理もない、いきなり霊だなんだと言われた挙句
次は死ぬかもしれないだ等と宣告されれば誰だって理解に苦しむものだ。
と、自分の中で解説している俺が、もうすでに死んでいると言うのだから
何とも言いにくい状況である・・・。
「そこで、君たちには
僕の6番目のお弟子さんに成って貰います。
と言っても、実際生きているのはお嬢さん一人だから・・・
君たちはしばらくニコイチでヒヨッ子とします。
お弟子さんと言っても、何かをして欲しい訳じゃないんだ。
君たちは、自分たちの置かれた状況・能力を正しく知る必要がある。
・・・何か困った時、その時は僕を頼ればいいってだけさ。簡単だろ?」
へらへらと笑う男に、俺たちは一種の不安感を覚えつつ
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