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「代行」 前編
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「実はね、僕・・・そろそろお祓いとか、そういうの?引退しようと思ってるんだよね。」
瀬野の一言だった。
「優秀なお弟子さんも、何人か増えた事だし
僕は本業に集中しようかなってね。
・・・これまで、副業の部分に関してはほとんど実入りが無かったのよ。
だって、考えてもご覧よ。幽霊だなんて身も蓋もない話に
誰がお金を払うっていうの?前金で金を取るなんて・・・そりゃもう立派な詐欺だよ。
成功報酬って形でやってた部分もあるんだけどさ、正直、金額設定がシビアでねぇ~。」
相も変わらず饒舌にしゃべるオッサンを前に、俺たちは終始黙っていた。
「だからね、副業の部分に関しては
お弟子さんたちに引き継いで、独立した事業にしたかったんだよね。」
話としては理解できるが・・・今、なぜその話をするのか
そこだけが謎だった。
「何、簡単な事だよ。新しいお弟子さんを祝って
一仕事して貰おうってのが今の段階ね。」
「は?」
「へ?」
鈴守と疑問符の声が重なる。
「これは、他でもない。学生の君たちにしか頼めない。」
話を要約すると
俺たちの通っている高校に、どうやら不穏な気配を感じると瀬野は言う。
その正体を探ること。
これが、俺たちに任された初仕事だった。
そして・・・。
日中、学校では霊体であることを最大限に生かし
授業中だろうが何だろうが、お構いなしに学校中を探索。
授業を終えた鈴守と情報共有を行うというのが日課になった。
凡そ一ヶ月の調査を経て、分かった事。
・・・それは、亡くなった山代と保健医の死が・・・無関係ではなかった。という事実だった。
例の一件から、山代は無くなる直前に部活仲間から「お守り」を受け取って居た事が分かった。
が、しかし。
その直後、彼女は失踪を遂げた・・・。
そして、保健医の教諭は陸上部の顧問をしていたのだ。
調べた所、山代が怪我を負ってから
献身的に処置などを行い、彼女の復帰を待っていた。
だが、それと同時に
秋に行われるハズの大会では、彼女の復帰が絶望的と判断し
保健医は別のメンバーをレギュラーに据えた。
レギュラー入りを果たした生徒の名前は「小暮」。
自身のレギュラー入りを祝し、部内の仲間や顧問に必勝祈願のお守りを渡していたという。
・・・そう、山代も彼女からお守りを貰っていた一人だった。
そして、保健医の教諭も・・・。
他にも数名、お守りを受け取った生徒は確認されたが・・・
奇しくも、山代と保健医をつなぐ接点が、これで出来上がってしまったのだ・・・。
瀬野の一言だった。
「優秀なお弟子さんも、何人か増えた事だし
僕は本業に集中しようかなってね。
・・・これまで、副業の部分に関してはほとんど実入りが無かったのよ。
だって、考えてもご覧よ。幽霊だなんて身も蓋もない話に
誰がお金を払うっていうの?前金で金を取るなんて・・・そりゃもう立派な詐欺だよ。
成功報酬って形でやってた部分もあるんだけどさ、正直、金額設定がシビアでねぇ~。」
相も変わらず饒舌にしゃべるオッサンを前に、俺たちは終始黙っていた。
「だからね、副業の部分に関しては
お弟子さんたちに引き継いで、独立した事業にしたかったんだよね。」
話としては理解できるが・・・今、なぜその話をするのか
そこだけが謎だった。
「何、簡単な事だよ。新しいお弟子さんを祝って
一仕事して貰おうってのが今の段階ね。」
「は?」
「へ?」
鈴守と疑問符の声が重なる。
「これは、他でもない。学生の君たちにしか頼めない。」
話を要約すると
俺たちの通っている高校に、どうやら不穏な気配を感じると瀬野は言う。
その正体を探ること。
これが、俺たちに任された初仕事だった。
そして・・・。
日中、学校では霊体であることを最大限に生かし
授業中だろうが何だろうが、お構いなしに学校中を探索。
授業を終えた鈴守と情報共有を行うというのが日課になった。
凡そ一ヶ月の調査を経て、分かった事。
・・・それは、亡くなった山代と保健医の死が・・・無関係ではなかった。という事実だった。
例の一件から、山代は無くなる直前に部活仲間から「お守り」を受け取って居た事が分かった。
が、しかし。
その直後、彼女は失踪を遂げた・・・。
そして、保健医の教諭は陸上部の顧問をしていたのだ。
調べた所、山代が怪我を負ってから
献身的に処置などを行い、彼女の復帰を待っていた。
だが、それと同時に
秋に行われるハズの大会では、彼女の復帰が絶望的と判断し
保健医は別のメンバーをレギュラーに据えた。
レギュラー入りを果たした生徒の名前は「小暮」。
自身のレギュラー入りを祝し、部内の仲間や顧問に必勝祈願のお守りを渡していたという。
・・・そう、山代も彼女からお守りを貰っていた一人だった。
そして、保健医の教諭も・・・。
他にも数名、お守りを受け取った生徒は確認されたが・・・
奇しくも、山代と保健医をつなぐ接点が、これで出来上がってしまったのだ・・・。
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