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24話 エレナ・テ・ラ
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赤竜――エレナ・テ・ラは穀潰しであった。
あれからエレナが仲間に加わり、シロガネ山を下山した。
フルールの町に入る際、エレナは変化の魔法を使用して人間に化けた。赤髪の美しい女性の姿であった。
シャルロットは、報酬の小金貨百五十枚を持って不動産屋に行く。
道中、皮袋に入った小金貨がとにかく重かったので、度々休憩を挟みながら不動産屋に向かった。
契約を取り付けてから、冒険者ギルドの酒場で打ち上げを行った。
その時のエレナの飲み食いっぷりは凄まじいものがあった。
そうなのである。
暴飲暴食。
エレナの飲み食いっぷりを表現するには、その言葉が最も適切であった。
特にエレナは、葡萄酒を好んで飲んだ。
エレナ以外のパーティメンバーがドン引きする中、大量の料理と一樽分の葡萄酒を飲み干して、彼女はこう言うのであった。
「やっと腹八分目になったのじゃ」
と。
まあ、仕方がないとも言える。
なぜかならば、エレナは巨大な竜である。
変化の魔法で人間に擬態しているといっても、質量まで軽くなるわけではない。即ち代謝は以前のままなのである。
それ故に、その巨体に見合った大量の食料は必要なのである。
シャルロットは頭を抱えた。
せっかく広い屋敷を購入したのに、エレナを仲間にしたことによって余計な出費が出てしまう。
シャルロットは、財布の中身を確認した。竜退治の報酬以外に副業の薬売りでコツコツ貯めたお小遣いが、ほとんどなくなってしまった。
食後。
宿に帰る道中。
シャルロットは、エレナにこう提案した。
「エレナも冒険者やってくれない?」
と。
するとエレナは、こう返事するのであった。
「冒険者の登録なら過去にやっておるぞ」
と。
ところで、エレナの言葉遣いはシロガネ山から下山してからすっかり砕けているのであった。彼女曰く、気が抜けたらキャラを作るのに疲れたとのことらしい。
厳かに話してみたり、丁寧に話してみたり大変そうである。
ともかく、シャルロットはエレナの冒険者のランクを確認した。
「今、ランクどれくらいなの?」
「えっと、確かなんじゃったかのう。アダマンタイトとか言ったかのう」
大陸冒険者協会の定める冒険者のランクの中で、最も高いランクであった。
シャルロットは問う。
「なんでそんなランク持ってるの?」
「確か、百年ほど前に戯れで人間の町に降り立ったことがあるのじゃ。その時に冒険者になってみたのじゃ」
「ふーん」
「当時は、大魔法使いエレナと言われておったぞ」
「大魔法使いエレナ……か」
シャルロットは、その名前に心当たりがあった。
確か、伝説的魔法使いの一人。
世界最高峰の大魔法使い。
そういうふうに、シャルロットはメシャント家にいた時に聞かされていた。
ルークは、注釈した。
「大魔法使いエレナと言ったら、教皇サンセリテ様に並ぶ大魔法使いですよ! 五十年ほど昔に突如として姿を見せなくなったそうです」
「なるほど」
サンセリテに並ぶ魔法使い。
シャルロットは目を細めた。ミュゲ・ジプソフィルのかつての仲間――大魔法使いサンセリテと肩を並べる魔法使いには見えなかったのである。
そう。
かつての大魔法使いサンセリテは、強かった。
とても、赤竜エレナ・テ・ラとは比べものにならないほどに――
「ほんとかなぁ?」
「ほんとなのじゃ!」
「じゃあ証拠は?」
「これじゃ」
エレナは、一枚の小さなプレートを見せた。アダマンタイト製のプレートであった。
リュンヌは、そのプレートを覗き込んだ。
「ちょっと持ってみてもいいですか?」
「構わんぞ」
リュンヌは、つまんでプレートの隅々を見た。
「シャルロットさん、多分これ本物のアダマンタイトのライセンスプレートと思います。すごく重いし光沢感がよく似てます」
と。
そしてこうも続けた。
「型が古いですね。確かに仰るように昔の冒険者のライセンスプレートですね」
「だからそう言ったじゃろ」
エレナの言っていることは本当だったようだ。
とは言え、このライセンスプレートを既に失効しているだろう。なぜかならば、大魔法使いエレナ自体百年前の魔法使いである。
竜は寿命が長いから、百年と言う月日はなんでもない。しかし人間にとってのその月日は、ほとんどの人にとっての一生涯である。
大陸冒険者協会では、大魔法使いエレナはおそらく死んだことになっているだろう。
シャルロットは提案する。
「これは古いライセンスプレートだから、新しく冒険者登録しないといけないだろうね」
「そうなのか……人間の社会と言うのは面倒臭いのう」
後日、エレナは新たに冒険者登録をする為に、冒険者ギルドに向かった。
簡易的な魔力及び筋力測定ではこのような結果であった。
魔力を測定する水晶は、エレナの魔素が大きすぎて爆発した。
筋力を測定する為の重りは、引っ張る際に取手部分を引き抜いて破壊してしまった。
測定不能と言うことで、エレナには青銅ランクが与えられた。
あれからエレナが仲間に加わり、シロガネ山を下山した。
フルールの町に入る際、エレナは変化の魔法を使用して人間に化けた。赤髪の美しい女性の姿であった。
シャルロットは、報酬の小金貨百五十枚を持って不動産屋に行く。
道中、皮袋に入った小金貨がとにかく重かったので、度々休憩を挟みながら不動産屋に向かった。
契約を取り付けてから、冒険者ギルドの酒場で打ち上げを行った。
その時のエレナの飲み食いっぷりは凄まじいものがあった。
そうなのである。
暴飲暴食。
エレナの飲み食いっぷりを表現するには、その言葉が最も適切であった。
特にエレナは、葡萄酒を好んで飲んだ。
エレナ以外のパーティメンバーがドン引きする中、大量の料理と一樽分の葡萄酒を飲み干して、彼女はこう言うのであった。
「やっと腹八分目になったのじゃ」
と。
まあ、仕方がないとも言える。
なぜかならば、エレナは巨大な竜である。
変化の魔法で人間に擬態しているといっても、質量まで軽くなるわけではない。即ち代謝は以前のままなのである。
それ故に、その巨体に見合った大量の食料は必要なのである。
シャルロットは頭を抱えた。
せっかく広い屋敷を購入したのに、エレナを仲間にしたことによって余計な出費が出てしまう。
シャルロットは、財布の中身を確認した。竜退治の報酬以外に副業の薬売りでコツコツ貯めたお小遣いが、ほとんどなくなってしまった。
食後。
宿に帰る道中。
シャルロットは、エレナにこう提案した。
「エレナも冒険者やってくれない?」
と。
するとエレナは、こう返事するのであった。
「冒険者の登録なら過去にやっておるぞ」
と。
ところで、エレナの言葉遣いはシロガネ山から下山してからすっかり砕けているのであった。彼女曰く、気が抜けたらキャラを作るのに疲れたとのことらしい。
厳かに話してみたり、丁寧に話してみたり大変そうである。
ともかく、シャルロットはエレナの冒険者のランクを確認した。
「今、ランクどれくらいなの?」
「えっと、確かなんじゃったかのう。アダマンタイトとか言ったかのう」
大陸冒険者協会の定める冒険者のランクの中で、最も高いランクであった。
シャルロットは問う。
「なんでそんなランク持ってるの?」
「確か、百年ほど前に戯れで人間の町に降り立ったことがあるのじゃ。その時に冒険者になってみたのじゃ」
「ふーん」
「当時は、大魔法使いエレナと言われておったぞ」
「大魔法使いエレナ……か」
シャルロットは、その名前に心当たりがあった。
確か、伝説的魔法使いの一人。
世界最高峰の大魔法使い。
そういうふうに、シャルロットはメシャント家にいた時に聞かされていた。
ルークは、注釈した。
「大魔法使いエレナと言ったら、教皇サンセリテ様に並ぶ大魔法使いですよ! 五十年ほど昔に突如として姿を見せなくなったそうです」
「なるほど」
サンセリテに並ぶ魔法使い。
シャルロットは目を細めた。ミュゲ・ジプソフィルのかつての仲間――大魔法使いサンセリテと肩を並べる魔法使いには見えなかったのである。
そう。
かつての大魔法使いサンセリテは、強かった。
とても、赤竜エレナ・テ・ラとは比べものにならないほどに――
「ほんとかなぁ?」
「ほんとなのじゃ!」
「じゃあ証拠は?」
「これじゃ」
エレナは、一枚の小さなプレートを見せた。アダマンタイト製のプレートであった。
リュンヌは、そのプレートを覗き込んだ。
「ちょっと持ってみてもいいですか?」
「構わんぞ」
リュンヌは、つまんでプレートの隅々を見た。
「シャルロットさん、多分これ本物のアダマンタイトのライセンスプレートと思います。すごく重いし光沢感がよく似てます」
と。
そしてこうも続けた。
「型が古いですね。確かに仰るように昔の冒険者のライセンスプレートですね」
「だからそう言ったじゃろ」
エレナの言っていることは本当だったようだ。
とは言え、このライセンスプレートを既に失効しているだろう。なぜかならば、大魔法使いエレナ自体百年前の魔法使いである。
竜は寿命が長いから、百年と言う月日はなんでもない。しかし人間にとってのその月日は、ほとんどの人にとっての一生涯である。
大陸冒険者協会では、大魔法使いエレナはおそらく死んだことになっているだろう。
シャルロットは提案する。
「これは古いライセンスプレートだから、新しく冒険者登録しないといけないだろうね」
「そうなのか……人間の社会と言うのは面倒臭いのう」
後日、エレナは新たに冒険者登録をする為に、冒険者ギルドに向かった。
簡易的な魔力及び筋力測定ではこのような結果であった。
魔力を測定する水晶は、エレナの魔素が大きすぎて爆発した。
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測定不能と言うことで、エレナには青銅ランクが与えられた。
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