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9話 冒険者ギルド
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霊園を後にしてから、シャルロットとソレイユは宿を探した。
しかし、どこも相場は似たり寄ったりで、一人一泊二日で小銀貨五枚である。即ち、二人で小銀貨十枚。その他食事や諸々を含めると、小銀貨十五枚くらい。
小銀貨百枚で小金貨一枚くらいが相場である。
まだシャルロットの手元に、小金貨は七枚ある。ソレイユは、雀の涙。まだ余裕はあるけれど、座して食らえば山も空しである。
なので、宿に入ってからは作戦会議。食い扶持得る方法を話し合った。
その結果、大陸冒険者協会が運営する、フルールの冒険者ギルドに行ってみると言う結論に至った。
冒険者ギルド。
夢と希望が満ち溢れているような響きをした名前だけれども、ようは仕事の斡旋所である。
依頼は、雑用から討伐のような荒事まで様々である。
ただ、冒険者ギルドに行けばその人にあった仕事を斡旋してもらえると言う利点がある。
翌朝。
シャルロットとソレイユは、フルール冒険者ギルドの門を叩いた。ギルドに入る。ギルド会員の印象は、荒くれ者が多そうな印象であった。
シャルロットは、ギルドの受付カウンターに行き、そこにいた受付嬢に尋ねる。
「冒険者になりたいんですけど?」
と。
すると受付嬢は、にっこりと微笑みこう返した。
「承知しました。それではこちらの用紙にご記入ください」
シャルロットは、容姿を見た。
用紙には、氏名、特技を書く欄があった。
氏名――
シャルロットは、家を追い出された立場であったので、とりあえずラストネームは前世のラストネームである『ジプソフィル』と記入した。
シャルロットとソレイユは、用紙を記入した後に、受付嬢にそれを手渡した。
受付嬢は、それを受け取る。
「それでは、簡単な魔力テストと筋力テストを致します」
受付嬢は、棚から水晶玉を取り出した。
「まずは魔力テストです。こちらに、順番に手をかざしてください」
シャルロットは、水晶玉に手をかざす。
全く反応がない。
ソレイユも、水晶玉に手をかざす。
若干淡く光った気がした。
それを見て、受付嬢はこう言った。
「なるほど、分かりました。お二人共、ほとんど魔素の保有量はなさそうですね。では、次に筋力テストです」
受付嬢は、指差す。そこに、持ち手のある金属の塊があった。
受付嬢は、続けてこう言った。
「こちらを持ち上げてみてください。大体、成人男性二人分の重さがあります」
シャルロットもソレイユも、持ち上げてみようと試みるも、びくともしなかった。
それを見た受付嬢は、こう宣言した。
「はい、お疲れ様でした。それでは、お二人様は一番低ランクの青銅ランクからですね。ある程度の魔力が認められるか、重りを持ち上げるだけの筋力があれば、銅ランクからなのですけど……」
と。
そうなのである。
冒険者には、ランクがある。
と言うのは、下から順に、
青銅。
銅。
鉄。
銀。
金
白金。
ミスリル。
オリハルコン。
アダマンタイト。
である。
シャルロットとソレイユは、その中の青銅ランクと宣言された。
受付嬢は、続けてこう言う。
「お二人様は、青銅ランクなので、雑用や採集等のお仕事しか受けられませんがよろしいですか?」
と。
それに対してシャルロットは、こう言った。
「もちろんです」
「は、はあ」
冒険者を志すものは、向上心が高い人が多い。なぜかならば、ランクを上げれば上げるほど、報酬金も地位も名誉も得られるからである。
であるから、それを全く解さないシャルロットの様子を見て、受付嬢は理解ができなかったのである。
それもそのはず、シャルロットは目立ちたくないのである。
と言うのは、前世において聖女の力を開眼してしまったが故に、ほとんど強制的に教会入りし、聖女となった。そして聖女としての一生を強いられたのである。
しかし、本人はそれを望んでいない。
むしろ、ゆっくりとした人生――スローライフを望んでいるのである。
なので、薬草採集等の目立たない仕事で十分である。
上等である。
シャルロットとソレイユは、手数料を払い受付嬢から青銅ランクのライセンスを受け取った。
今から、シャルロットのスローライフを目標とした冒険者人生が始まるのである。
しかし、どこも相場は似たり寄ったりで、一人一泊二日で小銀貨五枚である。即ち、二人で小銀貨十枚。その他食事や諸々を含めると、小銀貨十五枚くらい。
小銀貨百枚で小金貨一枚くらいが相場である。
まだシャルロットの手元に、小金貨は七枚ある。ソレイユは、雀の涙。まだ余裕はあるけれど、座して食らえば山も空しである。
なので、宿に入ってからは作戦会議。食い扶持得る方法を話し合った。
その結果、大陸冒険者協会が運営する、フルールの冒険者ギルドに行ってみると言う結論に至った。
冒険者ギルド。
夢と希望が満ち溢れているような響きをした名前だけれども、ようは仕事の斡旋所である。
依頼は、雑用から討伐のような荒事まで様々である。
ただ、冒険者ギルドに行けばその人にあった仕事を斡旋してもらえると言う利点がある。
翌朝。
シャルロットとソレイユは、フルール冒険者ギルドの門を叩いた。ギルドに入る。ギルド会員の印象は、荒くれ者が多そうな印象であった。
シャルロットは、ギルドの受付カウンターに行き、そこにいた受付嬢に尋ねる。
「冒険者になりたいんですけど?」
と。
すると受付嬢は、にっこりと微笑みこう返した。
「承知しました。それではこちらの用紙にご記入ください」
シャルロットは、容姿を見た。
用紙には、氏名、特技を書く欄があった。
氏名――
シャルロットは、家を追い出された立場であったので、とりあえずラストネームは前世のラストネームである『ジプソフィル』と記入した。
シャルロットとソレイユは、用紙を記入した後に、受付嬢にそれを手渡した。
受付嬢は、それを受け取る。
「それでは、簡単な魔力テストと筋力テストを致します」
受付嬢は、棚から水晶玉を取り出した。
「まずは魔力テストです。こちらに、順番に手をかざしてください」
シャルロットは、水晶玉に手をかざす。
全く反応がない。
ソレイユも、水晶玉に手をかざす。
若干淡く光った気がした。
それを見て、受付嬢はこう言った。
「なるほど、分かりました。お二人共、ほとんど魔素の保有量はなさそうですね。では、次に筋力テストです」
受付嬢は、指差す。そこに、持ち手のある金属の塊があった。
受付嬢は、続けてこう言った。
「こちらを持ち上げてみてください。大体、成人男性二人分の重さがあります」
シャルロットもソレイユも、持ち上げてみようと試みるも、びくともしなかった。
それを見た受付嬢は、こう宣言した。
「はい、お疲れ様でした。それでは、お二人様は一番低ランクの青銅ランクからですね。ある程度の魔力が認められるか、重りを持ち上げるだけの筋力があれば、銅ランクからなのですけど……」
と。
そうなのである。
冒険者には、ランクがある。
と言うのは、下から順に、
青銅。
銅。
鉄。
銀。
金
白金。
ミスリル。
オリハルコン。
アダマンタイト。
である。
シャルロットとソレイユは、その中の青銅ランクと宣言された。
受付嬢は、続けてこう言う。
「お二人様は、青銅ランクなので、雑用や採集等のお仕事しか受けられませんがよろしいですか?」
と。
それに対してシャルロットは、こう言った。
「もちろんです」
「は、はあ」
冒険者を志すものは、向上心が高い人が多い。なぜかならば、ランクを上げれば上げるほど、報酬金も地位も名誉も得られるからである。
であるから、それを全く解さないシャルロットの様子を見て、受付嬢は理解ができなかったのである。
それもそのはず、シャルロットは目立ちたくないのである。
と言うのは、前世において聖女の力を開眼してしまったが故に、ほとんど強制的に教会入りし、聖女となった。そして聖女としての一生を強いられたのである。
しかし、本人はそれを望んでいない。
むしろ、ゆっくりとした人生――スローライフを望んでいるのである。
なので、薬草採集等の目立たない仕事で十分である。
上等である。
シャルロットとソレイユは、手数料を払い受付嬢から青銅ランクのライセンスを受け取った。
今から、シャルロットのスローライフを目標とした冒険者人生が始まるのである。
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