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1st prologue

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「あっぁんっ」

義妹アデルの部屋から艶かしい声と獣のような息遣いが聞こえる。

彼女の部屋の扉が少し開いており私は端ない事をしていると自身をに恥じながら、その隙間から、そっと覗いた…

ソファーに座るルソー私の婚約者に跨り身体を仰け反り恍惚に喘ぐ義妹アデルと彼女のドレスをたくし上げ臀部を鷲掴みしながら男根で彼女を上下に動かして貫く婚約者ルソーの姿…

「はぁぁん…ねぇルソー様ぁ胸ばかり舐めないでキスをください」

「あぁ…可愛いアデル…君の子宮なかはなんて気持ち良いんだ…ほら舌を出して」

淑女の恥じらいもなく欲望を強請り、また、それを与える婚約者ルソーの情交が私の視界に飛び込む。

婚約者と義妹の裏切りに私はショックで固まったが、直ぐに我に返り、そっと扉を閉め、その場を去った。

自室にもどり頭の中を整理する。
涙は全く流れずショックは起きたが、私は婚約者ルソーを愛してない。

お父様の妹叔母が無理矢理、私に押し付けた婚約者って事以外、彼に対して存在意義は私には無かった。
貴族間の結婚は政略結婚利害関係の上に成り立っているものと理解していたから。


ーーーー数ヶ月後ーーーー

「お姉様、わたくしアデルが侯爵家この家を継ぎますわ。だから、お姉様は、この家を出ていってくださいましっ!」

かなり高圧的にルソーに肩を抱かれアデルが言い放ち、更に言い続けた。

「お姉様には申し訳ないけど、見ての通り私とルソー様は愛し合っているの、それに私のお腹の中には彼の子供もいるの」

優しく膨らんだ下腹部を撫でながら勝ち誇るように私を見下す。

〝侯爵家の血筋〟は私なのに義妹のアデルが継ぐのは本来、無理な話…
私は父であるモーリスに視線を向けると目を逸らしアデルの言葉を肯定する。

「ライラよ、アデルは後継者を授かり、お前は婚約破棄され、更にお前は侯爵家の令嬢としての役割も果たしてない穀潰しだ‼︎よって、お前を除籍し、修道院に送る」

私は実の父親からも、愛されず見放され絶望した。
そして、このシナリオは、お母様が亡くなったてから、すでに仕組まれていた事を知ることになる…


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

〝ガタゴト ガタゴト〟

戒律の厳しいと言われる修道院に向かうべく悪路を進み行く。
馬車に揺られながら遠くの景色を私はボーっ眺める。

絶望の淵にいる私の心とはかけ離れ、青空と遠くから海の景色が何とも綺麗に広がる。

「私は何を間違えたのかしら…周りの声に耳を傾け守ったのに…………」

‼︎‼︎‼︎

私は漸く気付いた…私はだけで自身の置かれた状況に諦めてのだ

「ハハハハハ」

気付いたところで、もう遅い…私は乾いた声で揺れる馬車の中で笑うしかなかった。

今から足掻いても修道院に行く事には変わりない…

結局、最後まで諦めていた…

ガタン‼︎

突然、馬車が大きく傾いたら扉が開き私は外に放り出された…

私の視界には広がる青空と青褪めた顔で見下ろす御者と馬がスローモーションで見えた刹那、背中を打ちつけ激しい痛みが一瞬しドクドクと血液が流れ落ちる…

最期に私の瞳に映し出されのは雲一つない鮮やかな青空を自由に飛び回る鳥の姿だった…

私は全てを諦め、努力すらしなかった情けない人生に幕を閉じた事を知った。

あぁ…もし、うまく立ち回れるかしら…


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