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しおりを挟む狐が狐王の子孫かも知れないルナールを崇めるのは分からなくもないから良いが、アルザ自身が狐の王になるのかは別だろう。
狐の里でもドライな発言してたしね。
ユーリ»「なんで今なの?」
アルザ»「敵が攻めてくると兵士達から聞いたので私に使ってほしいと言っていました。」
ユーリ»「そうか、まだ来ないだろうけどね。」
アルザ»「この刀は大人用で私には長くて使えないと思うのですが…。」
ユーリ»「気持ちなんじゃない?狐さん達にとってアルザは特別な存在なのかもね。」
アルザ»「ルナールに。ですけど。」
ユーリ»「アルザに。かも知れないじゃない?」
アルザ»「私はお義母様のようにロズ国の方々には何もしていませんので、それは無いでしょう。」
アルザが表立って何かをしたって事は無いけど、アカガネと列ぶロズのシンボル的な存在なんじゃないのかな?ステリアラで絶大な人気らしいし。
不意に今アレ?っと思った事がある。
セイワ国に刀が有るって事は、当時の人が技術を伝えて刀鍛冶師が居るのではないか?
確か包丁等の刃物が存在していた。
もしかしたら技術を受け継いだ者が居るかも知れない。
セギラを訪ねて聞いてみた。
セギラ»「鍛冶師ですか…セイワ刀を作る事は可能でしょう、しかし王女様に献上した刀のような良い物は作れないと思いますが…。」
ユーリ»「鍛冶師は居るって事なんですね?」
セギラ»「はい、べイムが技術を継承しております。」
ユーリ»「べイムって名前を言われても誰かワカラン…。」
セギラ»「陛下とは面識がありますよ、ロズで産まれた双子の父親です。」
ユーリ»「お。あの人か。」
セギラ»「べイムに刀を打たせるのであれば工房が必要になってきますが。」
ユーリ»「私は武器が使えないから刀が欲しいんじゃないんだけども、刀以外は作れないのかな?」
セギラ»「不可能ではないでしょうが、なにせ刀鍛冶師ですので希望に添う物が出来るかは分かりませんよ?」
そりゃそうだろうけど、刀しか作れないとか無いだろ。
ユーリ»「これだけ広い街なんで鍛冶工房は有ると思うんだけど、多分…廃墟だろうからスグ使えないんじゃないかな?」
セギラ»「では時間のある時にでも鍛冶工房を探しておきます。」
ユーリ»「イリエ衆に聞いて彼等が知らなかったら探してみてくれるかな?」
セギラ»「分かりました。」
ユーリ»「それでですね、アルザに渡した刀の他に、もう1本あるの?」
セギラ»「はい、縁(えにし)と言うセイワ刀の存在だけ伝えられております、セイワ国が攻め滅ぼされたおり、帝が討たれた時に持ち去られたとの事です。縁と焔は対刀だったとか。」
ユーリ»「攻めてきた国は今もあるの?」
セギラ»「はい、ギーバレフ帝国で、セイワ国だった領土もその地にあります。」
ユーリ»「そうなんですね、お話ありがとうございます。」
鍛冶師は居るが…。
車の部品を作るにしても、まず鉄が無い。
焼肉で使い倒したガビガビの鉄板ならあるが、刀を作るなら鋼が必要だろう。
うん、ムリ。
あ、グランツとこ行かなきゃ。
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