ぶんごうもらとりあむ

桜月 翠恋

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3話 モラトリアム3

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あの日から、自分の体の変化について行けずに自室にずっと引き篭もっていた

部屋の外に出るのは両親がいないときだけになってしまった

そんな私の変化を両親は心配していたと思う…でも、流石に今の姿を両親に見せる勇気はない

例えば、これが学校なら1年位引き篭もっていたから、成長期、とかで済ませられると思う
流石に毎日顔を合わせていた父と母には見せられるわけがない…


私に起きた変化は、視力の回復や、体の成長だった

潰されたはずの目は逆に見えるようになっている。こんなことはあの女性が人ではないからできたことだろう
 
他の人は絶対にやらないでほしい
いや、やる人なんていないか。普通にやったら目玉潰れて死ぬからね……


髪の毛はボサボサだった髪はサラサラとしているし、絶壁だった胸は人並み…いや、それより大きくなってるかもしれない。

正直な話、下着が全然合わなくて困っている


こんな突然の変化…両親には見せられない


「本当…どうしよう」


時計を見て、時間を確認する
もうすぐ二人とも仕事へ向かうはず…

二人が居なくなったら、買い物に出よう
流石に服や下着がほしい

そう思い、聞き耳をたてる


「いってらっしゃい、あなた…なんて」

「……結婚して何年もたってるのに、そろそろ慣れたら?」

「だって!何年たっても実感なんてわかないわよ…」

「……行ってくる」


両親のイチャイチャなんて聞きたくなかったが…まぁ、仕方ない…

父が出たあと、数分して母の声が聞こえた


「なずなちゃーん。お母さんも仕事に行ってくるからねぇ」

「は、はーい!わかった!」

「あら!なずなちゃん、今日は大きな声でお返事してくれて嬉しいわ!行ってきます!」


母は心底嬉しそうにくすくす笑いながら外へと出た

暫くして母の足音が遠ざかるのを確認して、こっそりと部屋を出る

そして母の部屋に入り、母の部屋のクローゼットを漁る


母はオーバーサイズのパーカーを好んで着ているので、その中で目立たない黒いパーカーを羽織り、下は仕方ないのでサイズが合う自分の制服のスカートをはいた

靴のサイズまでは変わっていなくてよかった


とりあえず不格好だが、外へは出れるだろう
ブラだけはどうしょうもないので、晒しを巻いて胸を隠した

こんなに邪魔なら、絶壁のままで良かったのに

そう思いながら買い物へと出かけた
















何事もなく買い物が終わり、部屋へと帰る

とりあえずサイズの合う下着と服をゲットした
これでしばらくは大丈夫だろう

「ふふっ、ふふふっ」


私はニヤケが止まらなくなっていた
出先の服屋さんの隣にある本屋さんで見つけてしまったのだ

私のずーっと探していた本!

両親の書斎にもなかったんだよねぇ


「ずーっと読みたかったんだよねぇ~、太宰治先生の」

そこまでいっていたところで持っていた本が光る


「きゃっ!?な、なに!?」


びっくりして本を離し、その場に座り込む
一体何が起きてるの…


『全く、君は酷いことをするもんだ』


知らない男性の声に顔を上げるが誰もいない


「だ、誰?どこにいるのっ」


つい先日もこんな事があった気がする
周りを見渡し、上も見てみるが誰もいない


『こっちだよ、お嬢さん』

下から聞こえた声に、床を見れば手のひらサイズの人が立っていた

それを見て、私はそのまま気を失った

気を失う瞬間、その小さな男の人が何かを叫んでいた気がするが何もわからない

多分色々なことが立て続けに起こってキャパオーバーを起こしたんだろう

あぁ…








私の平穏を返してくれ

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