転生したらドラゴンに拾われた

hiro

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最果ての森編

4. 検証

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 ぱちくり。目が覚めた。
 外は真っ暗だ。

 腹一杯食べてぐっすり眠って、体力充実!

 この世界に転生して、ようやく色々と考える時間が取れそうだ。

 まず、僕は転生して名前が無くなった。
 この体の元々の持ち主がいたとして、その人の名前が何かは知らないが、今の僕には無いということはステータスで明らかだ。
 自分で名前を付けようか?
 前世の名前でもいいが、この世界には馴染みのない響きかもしれない。
 うーん、とりあえず保留にしとこう。

 次に、この世界には魔法がある。
 ライトノベル愛読家としては、是非とも使えるようになりたい。
 習得方法を調べないとな。

 スキルに関しても、後天的に取得可能なのかを知りたい。
 成長力促進なんてチートな雰囲気があるが、他のスキルも獲得できたら嬉しい。

 そういえば、どの小説でも、魔法を使うには魔力が必要だったよな?

 僕には魔力があるのだろうか。

 うーーーん、魔力···魔力···

 どうやったら分かるんだ?

 あのイケメンが空を飛んだとき、どんな感じだったっけ?
 衝撃的過ぎてあまり覚えてないわ。

 とりあえず体内に意識を向けてみる。

 魔力···魔力···

 身体中を巡っているのだろうか?
 血液みたいな感じ?

 魔力···魔力···

 何かが体内を流れている感覚がする。

 イメージを続けていると、自分のイメージと体内の流れが一致するような感覚がした。
 流れを早めようとすると早くなるし、逆も同じ。一箇所に留めようと思うと、その部分に溜まっている感じがする。

 これが魔力なのか?

「おい、大丈夫か?」

 男が入って来た。声が少し硬い気がする。

「あう?」

 どうしたんだ?と思って声を出すと、こちらをじっと見つめる男。
 イケメンの眼力凄いな···と思いながら見返していると、男がふっと息を吐く。

「魔力が動く気配がしたから様子を見に来た。お前がやったのか?」

 あ、バレてた。
 というか、あれが魔力で合ってたんだ!

「あう!」

 思わず喜びが弾けて肯定するような返事になってしまった。

「···そうか。お前、魔力に関して知識があるのか?」

「···あう?」

「無いなら教えよう」

「あう?あうあう!」

「ただ今日はもう遅い。もう一眠りして、明日になってからだ」

「あう···」

 何故か成立する会話に感動しつつも、今日はもう情報を得られないことに落胆する。

「そんな顔をするな。明日教えてやるから」

 そう言ってぎこちなくはあるが、優しく頭を撫でてくる。
 前世でも感じたことの無い温もりに、心が震えた気がした。

「おやすみ」

 さっきまで目が冴えていたはずなのに、僕の瞼は閉じていった。
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