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出会い(ナツメ)
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後ろが気になるが今は急ぎこの場を離れることが最優先だ。
そう思いながらしばらく行ったところの路地に入る。
すると携帯が鳴る。
着信音からして仕事用として使用しているものの一つだとわかる。
確認すると近衛組の奴からだった。
「はい。あぁ、近衛組の。
何かご用ですか、それとも追加の依頼ですか。
はぁ、依頼料の減額、失敗したからってそれはそちらの責任でしょ。
俺はあなた方が望む情報をお渡ししたでしょ。
しかも、当日に綺堂ではなく、若頭の柊が来ていることまで。それに関してはしかも無料で。
どちらかというとこちらがその分の追加料金を支払ってほしいくらいですよ。
はい、それじゃあわかりました。
では、その情報を渡し次第、前回と同じ口座に500万お願いしますね。それでは。」
おもえばこの仕事のせいで俺が柊に目をつけられるはめになったのだとさっきの柊とのやりとりもふまえ、イラついていたため反論させず、一方的に言いたいことを言って通話を終了する。
まぁ、相手は俺の姿を知らないし、他の依頼人にも度々似たような対応をしたことがあるので気にしない。
こんな対応をしても仕事が減ることがないというのも対応の仕方を改めない理由だが最大の理由は俺自身が対応の仕方を改めるつもりがないからだ。
そんなことを考えていたせいで俺は奴が近づい来ていたことに気づかなかった。
「電話は終わったようだな。なら、次は俺と話しをするか?」
耳障りの良い魅力的な低音が俺の後ろからした。
振り向いた先にさっきまで考えていた相手がいたことに俺は驚きを隠せず、とっさに、
「なんで、あんたがここにいるんだよ。」
そう言葉を紡ぐことしかできなかった。
すると綺堂組 若頭の柊 大和は確信しているような自信ある声音で俺に告げる。
「おまえが情報屋のナツメだと分かったからな。
後をつけていたんだ。おまえ相当焦ってたんだな。表情にはでていなかったがミスをしたんだよ。二つな。
一つは俺が会ったという奴の格好だ。俺は黒いヘッドホンに白いチョーカー、それにパーカーだと言った。」
「あぁ、そう言ってたな。」
俺は柊の様子を見ながら頷く。
すると柊は再度同じこと確認するように言う。
「ところがおまえは俺が一度腕をはなし、もう一度腕を掴んだとき、こう言った。黒いヘッドホンに白いチョーカー。そして《黒い》パーカーだとな。」
もったいぶったような物言いにムカつき俺は叫ぶ。
「それがどうしたんだよ!!」
「俺は最初パーカーの色については何も言っていない。なのにどうして黒だと思ったんだ。
咄嗟にでたとしてもおまえが今、着ているパーカーの色はベージュだろ。
普通はおまえに格好が似ていると俺は言ったんだから自分の着ているパーカーの色を答えるものだ。」
そういわれ、ようやく俺は自分がおかしてしまっていたミスに気づく。
「それは………」
としか言葉を紡ぐことができたい俺に柊はさらなる追い討ちをかける。
「二つめは俺が最後にナツメについて聞きたいときだ。なんでおまえそれが奴。
つまり人物のことであると思ったんだ。
普通はものだろ?」
そこまで確信しているよな口ぶりで言われると何を言っても無駄だと判断し、俺はそうそうに柊のいる方と反対方向に走った。
そう思いながらしばらく行ったところの路地に入る。
すると携帯が鳴る。
着信音からして仕事用として使用しているものの一つだとわかる。
確認すると近衛組の奴からだった。
「はい。あぁ、近衛組の。
何かご用ですか、それとも追加の依頼ですか。
はぁ、依頼料の減額、失敗したからってそれはそちらの責任でしょ。
俺はあなた方が望む情報をお渡ししたでしょ。
しかも、当日に綺堂ではなく、若頭の柊が来ていることまで。それに関してはしかも無料で。
どちらかというとこちらがその分の追加料金を支払ってほしいくらいですよ。
はい、それじゃあわかりました。
では、その情報を渡し次第、前回と同じ口座に500万お願いしますね。それでは。」
おもえばこの仕事のせいで俺が柊に目をつけられるはめになったのだとさっきの柊とのやりとりもふまえ、イラついていたため反論させず、一方的に言いたいことを言って通話を終了する。
まぁ、相手は俺の姿を知らないし、他の依頼人にも度々似たような対応をしたことがあるので気にしない。
こんな対応をしても仕事が減ることがないというのも対応の仕方を改めない理由だが最大の理由は俺自身が対応の仕方を改めるつもりがないからだ。
そんなことを考えていたせいで俺は奴が近づい来ていたことに気づかなかった。
「電話は終わったようだな。なら、次は俺と話しをするか?」
耳障りの良い魅力的な低音が俺の後ろからした。
振り向いた先にさっきまで考えていた相手がいたことに俺は驚きを隠せず、とっさに、
「なんで、あんたがここにいるんだよ。」
そう言葉を紡ぐことしかできなかった。
すると綺堂組 若頭の柊 大和は確信しているような自信ある声音で俺に告げる。
「おまえが情報屋のナツメだと分かったからな。
後をつけていたんだ。おまえ相当焦ってたんだな。表情にはでていなかったがミスをしたんだよ。二つな。
一つは俺が会ったという奴の格好だ。俺は黒いヘッドホンに白いチョーカー、それにパーカーだと言った。」
「あぁ、そう言ってたな。」
俺は柊の様子を見ながら頷く。
すると柊は再度同じこと確認するように言う。
「ところがおまえは俺が一度腕をはなし、もう一度腕を掴んだとき、こう言った。黒いヘッドホンに白いチョーカー。そして《黒い》パーカーだとな。」
もったいぶったような物言いにムカつき俺は叫ぶ。
「それがどうしたんだよ!!」
「俺は最初パーカーの色については何も言っていない。なのにどうして黒だと思ったんだ。
咄嗟にでたとしてもおまえが今、着ているパーカーの色はベージュだろ。
普通はおまえに格好が似ていると俺は言ったんだから自分の着ているパーカーの色を答えるものだ。」
そういわれ、ようやく俺は自分がおかしてしまっていたミスに気づく。
「それは………」
としか言葉を紡ぐことができたい俺に柊はさらなる追い討ちをかける。
「二つめは俺が最後にナツメについて聞きたいときだ。なんでおまえそれが奴。
つまり人物のことであると思ったんだ。
普通はものだろ?」
そこまで確信しているよな口ぶりで言われると何を言っても無駄だと判断し、俺はそうそうに柊のいる方と反対方向に走った。
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