俺の居場所

さくや

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囲い人(大和)

#23

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こいつらは兄弟だ。

兄が和泉で弟が相模だ。

それぞれといるときは基本苗字の方で呼ぶが2人一緒にいるときは名前で呼ぶようにしている。
2人とも俺の補佐で和泉の方は護衛、相模の方は秘書のような感じだ。

ただ、この2人、年が一つしか違わず、性格が正反対で言い合いになるのはしょっちゅうのことだ。
お互い仕事ととなるときちんとするのだが………

それ以外だと本当に仲が悪い。

「若、無理です。私は正しく、比較的常識なことしか言ってません。」

「アニキ、すみません。俺もムリです。
だいたいこいつは昔からネチネチ小難しいことばかりでうまがあいません。」

どっちも自分から歩み寄る気がないな。

「だいたい、おまえは弟のくせに昔から生意気なんだよ。しかも、俺を見下したような物言いばっかり。扉のことだってアニキが許してくださってるんだからいいだろ!」

「そういう問題ではなく、常識の話をしているんです。そもそも、兄だというならもう少し兄らしい行動ができないものなんですかね?」


火に油……。
相模が和泉の言葉に対し煽るよな言葉を返す。


この2人は誰かが止めなければ際限なく、このやりとりを続けるだろう。

キリがない

なんで俺がとは思うがとりあえずとめるか……
毎回のことながらなんで俺が……

「いいかげんにしろ!」

若干の苛立ちを含め、言い合いをしている2人に言葉を放つ。

「すみません。アニキ!」
「申し訳ありません。若。」

どうやら俺がそろそろ本気で苛立ってることに気づいたらしい。
2人は少し顔いろを青くさせ、謝罪してくる。

とりあえず、言い合いはこれで一旦、収束するはずだ。

「ところで、和泉。何の報告があって来たんだ?」

この2人の今回の言い合いの大元。本来の話にようやく移ることができる。

「あー!すみません、アニキ。実は先程、組長から連絡がありまして。」

「あいつから連絡だと…」

「はい……」

あいつが連絡してきたと聞き、俺は嫌な予感が頭をよぎる。

「内容は……」

そう呟く。
それだけで俺の言いたいことがわかったのだろう。

和泉が言葉を続ける。
「はい…。アニキの今日の予定を聞かれ、今日はこちらの事務所に一日中詰めると報告しました。
そしたら、今から向かうと…。
それだけ言うと携帯、切られました……」

はぁ……。
俺はイスに座りながら大きく息を吐く。
またか………。
なんでこうもあいつの行動は突飛なんだ……
痛くなる頭を抑え、どうするかと考えようとしていると。

突然、部屋の入り口から声をかけられたのだった。
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