東雲とばりは諦める

「生きるということは、諦めることよ」

天文部部長、東雲とばりはそう言って、部室で『諦め屋』を営んでいた。
『諦め屋』――そこを訪ねれば、なんでも諦めさせてくれると噂される場所。

だが、同じく天文部員であり後輩の宵山晴人は、天文部が『誰かを諦めさせる場所』として使われることを好ましく思っておらず、今後の部の在り方を決めるため、東雲とばりと『賭け』をする。

そんな時、晴人の幼なじみである星宮夕月が、ひとりの女子生徒を連れてくる。
彼女はここへ来た理由は『諦め屋』を訪れるためであり、『何かを諦めるため』だった。
東雲とばりは彼女の依頼を聞き、『諦め屋』の活動が始まる。

一人、また一人とやって来る依頼者。彼らが『何かを諦める』のを見ていくうちに、晴人は「諦めるということは何を意味するのか」、「諦めた先に何があるのか」を知っていく。

揺れ動く晴人の心。
東雲とばりはなぜ『諦め屋』をしているのか。


そして晴人たちは最後に何を『諦め』、何を『諦めない』のか――
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