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第二十七話 私はあなた専用 *
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怒涛の九月が過ぎ去り、澄み渡った空と爽やかな風の季節がやってきた。
「宮守さん。この書類、戻ってきちゃったんですけど……」
倉庫で事務用品の片付けをしていると、明日香は背後から声を掛けられた。
声の主は、新入社員の早川だった。
十七歳までイギリスで過ごした、帰国子女。明日香が勝手に、ライバル視をしている女性である。
ベージュがかった金髪の彼女は、封筒から書類を出して明日香に見せた。中身をチェックする明日香。
「これ、同意書付けて送りました?」
「あ……忘れました」
顔をしかめて「やっちまった」という顔の早川。
明日香はエプロンを外し、早川と共に倉庫から出る。
「先方も急いでるはずなので、私から電話しておきますよ」
「すいません……次から気をつけます」
真率な態度でいたのも束の間、早川はニヤついた顔で質問をしてくる。
「ところで、宮守さん。最近なんか、ありました?」
「はい?」
思わず目を剥く明日香。
「最近宮守さん、妙に機嫌良いって言うか、なんていうか。なんか良いことでもあったのかなぁーって」
「……別にいつも通りですけど」
含んだ言い方の早川に、にべもない対応をする明日香。
プライベートなことを、職場でペラペラ喋るのは好きではない。
「違う違う。宮守さんはねぇ、『恋しちゃったんだー』なんだよねー」
二人の前に鈴木が現れ、歌謡曲のメロディーに合わせて明日香を冷やかした。
「鈴木さんまで……もう、やめてくださいよ」
この間会社にペンダントを着けていったのだが、鈴木に気づかれて、あれこれ詮索されたのだ。
明日香が淡々とした様子でエプロンを畳み始めると、早川がアヒルのような口で問いかける。
「彼氏ですか? えっ、でも、どうするんです? もう来年ですよ」
「『もう来年』?」
明日香が反復すると、鈴木が補足する。
「『リーズに行くのに、大丈夫なのか』って言いたいのよ、彼女は」
鈴木の言葉に明日香が目を見張る。
「え? どういうこと……」
戸惑う彼女を気に掛けもせず、言いたいことを喋りだす鈴木と早川。
「大丈夫だって。真面目な宮守さんが選んだお相手なんだから、三年ぐらい待っててくれるって」
「えー、私は絶対無理です。浮気されるんじゃないかって、気が気じゃなくなりそう」
「その時は、その時でしょ。向こうで新しく、男作ればいいことだし」
「鈴木さん、イギリスで彼氏作る気、満々ですよね……」
「……あの!!」
明日香が大声で彼女らの会話を遮る。二人はほぼ同時に、明日香の方に首を振った。
「あの、私、リーズに行けるんですか?」
明日香の質問に、鈴木が不可解そうな顔をする。
「そうだよ? 採用の面接のときに話したでしょ。『リーズ行きの社員さん募集』って」
「私、てっきり早川さんが行かれるものかと……」
「彼女は、宮守さんの代わりに内務やってもらうために、来てもらったんだよ。英語出来る子が欲しかったからね。そうそう、詳しい日程なんだけど、今週末ぐらいに、専務から話があると思うよ」
「ほっ、本当ですか?!」
有頂天になる明日香。
行ける。リーズに行ける。
子供のころからの夢が、ようやく叶う。
きっと彼も褒めてくれる。認めてくれる。
きっと彼も、喜んでくれる。
◆◆◆◆
「おめでとう、明日香」
土曜日。
明日香から報告を聞いた大輔は、自宅の玄関で彼女を抱きしめた。
今日は彼が休日出勤で、明日香は自宅で帰りを待っていたのだ。
「ありがとう、大輔さん。これも『諦めるな』って言ってくれた、大輔さんのおかげだよ」
彼の首に手を回して、上半身を反らせる明日香。
「だから、言っただろう? 明日香の能力は、評価されて然るべきだって。この経験はきっと、明日香の糧になるよ。頑張っておいで」
大輔は彼女を見つめて、その髪を撫でた。
「髪、切ったんだね。似合ってる」
明日香は鎖骨の下まであった髪を切って、マッシュラインのショートヘアにした。
これから忙しくなるにあたって、髪に時間を掛けたくないというのが理由だった。
大輔は上着を脱ぎながらリビングに入って行く。ちょこちょこと後をついていく明日香。
「でもね、専務の話だと、三年は戻って来れないって」
「三年か。意外と短いね」
木製のコートハンガーにジャケットを掛け、几帳面にシワ取り&消臭スプレーをかける大輔。
紺のスーツに薄いブルーのワイシャツ。ネクタイはクリーム地で、赤と白の細いストライプのデザイン。ウエストが引き締まった彼のスタイルは、明日香を魅了した。
「短くないよ。その間、大輔さんに会えないんだよ、寂しいよ」
「会えるって。年に一度ぐらいは、会社の金で帰国できるだろうし。俺も時間みつけて会いに行くよ。シーズン外せば、航空券も結構安いし」
ネクタイを緩める大輔を、彼女は顔を赤らめて見つめていた。
スーツ姿の大輔と、こうやって部屋で相対するのは久しぶりだ。休日出勤だと大抵その週はお預けになるのだが、今回は『大事な報告がある』と言って、特別に会ってもらうことにしたのだ。
「どうしたの?」
彼女の視線に気づいて、大輔が動きを止める。
「大輔さんのスーツ姿、素敵だなって思って」
「惚れ直した?」
「……これ以上好きになったら、どうかしちゃう」
明日香が口をすぼませて横を向く。
ショートヘアのうなじが見えると、大輔は一気に欲情した。
彼女の腕を掴んで引き寄せ、突然キスをする大輔。彼女が受け入れると、両手で彼女の耳を塞ぐようにして舌を入れてきた。
「んふっ……」
我慢できずに息を漏らす明日香。
目を薄らと開けて大輔を見ると、彼はいつになく興奮した顔つきをしている。
「……大輔さん?」
「明日香……髪切って、色っぽくなった……」
大輔は首筋に唇を這わせ、荒い息遣いで胸を触ってくる。明日香が抵抗せずにいると、そのままソファに押し倒した。
息苦しくなるほどの激しいくちづけをする大輔。
明日香のキャミソールワンピースをたくし上げ、ショーツを強引に脱がす。躊躇なく脚の間に掌を入れ、指先でクチュクチュと音を鳴らした。
「すごいよ。もうこんなに濡れてる。明日香のここ、俺のこと誘ってる」
彼の高揚感に引き込まれるように、明日香も顔を紅潮させて吐息を漏らす。
「大輔さん……どうしたの、今日は。すごい激しい……」
「こういうの、やだ?」
「いやじゃないよ。こういう大輔さんも……好き」
「明日香……」
ベルトを緩めて、ワイシャツはそのままにスラックスだけ脱ぎだす大輔。ボクサーパンツを下ろすと、男根が赤黒く反り返っていた。
ゴクリと喉を鳴らす明日香。
「……大輔さん、舐めちゃダメ?」
「ダメ。今フェラされたら、出ちゃいそうだから」
大輔はマガジンラックに無造作に突っ込んである、避妊具の箱に手を伸ばす。二人は時折り、このソファでも愛し合っていた。
少し慌てた手つきで装着すると、大輔は彼女の脚を開かせた。
襞の間に鈴口を当て、縦にこすり出す。詰まるような鼻声を出す明日香。
「挿れるよ? いい?」
「うん……早く来て。あなたが欲しいの。大輔さん……」
言下に彼が入ってくる。明日香は顎を上げて喘いだ。
いつになく強引な大輔と、服を着たまま繋がっていることに、明日香は興奮した。
「ああっ、すごい……気持ち良いっ……」
大輔が身体を寄せてきて、彼女の唇や顎に何度もキスをする。
「明日香ゴメン。いきなり挿れちゃって……我慢できなかった」
「ううん……嬉しい。私のこと求めてくれるの、すごく嬉しい」
彼女の髪を撫で、額にくちづけをする大輔。
「明日香、髪切って、なんだか別人みたいに思えちゃって……でもこうやって挿れると、明日香の中だなって思う。すごいしっくりくる」
彼の言葉に、露骨に頬を膨らませる明日香。
「なにそれ。緩いってこと?」
「違う、違う。俺にフィットしてるってこと。メチャクチャ気持ち良い」
「当たり前だよ。私のは大輔さん専用なんだから。好きにしていいよ」
「明日香、その台詞はヤバいって……」
大輔が激しく腰を動かし始める。明日香の片脚を持ち上げて抱え込むと、組み合うように股間を押し付けてくる。
「ああっ!!」
仰け反りながらソファの肘掛を掴む明日香。
「明日香がいけないんだよ……『好きにしていい』なんて言うから……」
「あっ、あっ、すごい……奥に……当たってる!」
顎から汗を滴り落とす大輔。
「明日香ゴメン、ちょっと俺、今日、早いかも……」
「いいよ……『好きにして』って、言ったでしょ……」
「明日香……」
大輔が彼女の脚を戻して、覆いかぶさるように突いてくる。
彼の汗が、ポタポタと明日香の顔に落ちてくる。唇に垂れてきた汗を舐め、官能的な塩気を味わう明日香。
「あぁ……ダメだ。もうイク……明日香っ……!!」
強く抱きしめられた明日香は、その力強さに絞られたような声を出す。
体を震わせながら果てる恋人を、明日香はこの上なく愛おしく感じた。
三年と言われて正直不安だったが、彼はまるでその辺に引っ越すみたいな気軽さでいる。彼にとって海外は、それほど遠い存在ではないのだ。
そう考えると、自分も少しだけ気持ちが楽になる。
そうだ。会いたいと思ったら、飛行機に飛び乗ればいい。
そしてまた土曜の夜に、こうやって彼と愛し合えばいいのだ。
「宮守さん。この書類、戻ってきちゃったんですけど……」
倉庫で事務用品の片付けをしていると、明日香は背後から声を掛けられた。
声の主は、新入社員の早川だった。
十七歳までイギリスで過ごした、帰国子女。明日香が勝手に、ライバル視をしている女性である。
ベージュがかった金髪の彼女は、封筒から書類を出して明日香に見せた。中身をチェックする明日香。
「これ、同意書付けて送りました?」
「あ……忘れました」
顔をしかめて「やっちまった」という顔の早川。
明日香はエプロンを外し、早川と共に倉庫から出る。
「先方も急いでるはずなので、私から電話しておきますよ」
「すいません……次から気をつけます」
真率な態度でいたのも束の間、早川はニヤついた顔で質問をしてくる。
「ところで、宮守さん。最近なんか、ありました?」
「はい?」
思わず目を剥く明日香。
「最近宮守さん、妙に機嫌良いって言うか、なんていうか。なんか良いことでもあったのかなぁーって」
「……別にいつも通りですけど」
含んだ言い方の早川に、にべもない対応をする明日香。
プライベートなことを、職場でペラペラ喋るのは好きではない。
「違う違う。宮守さんはねぇ、『恋しちゃったんだー』なんだよねー」
二人の前に鈴木が現れ、歌謡曲のメロディーに合わせて明日香を冷やかした。
「鈴木さんまで……もう、やめてくださいよ」
この間会社にペンダントを着けていったのだが、鈴木に気づかれて、あれこれ詮索されたのだ。
明日香が淡々とした様子でエプロンを畳み始めると、早川がアヒルのような口で問いかける。
「彼氏ですか? えっ、でも、どうするんです? もう来年ですよ」
「『もう来年』?」
明日香が反復すると、鈴木が補足する。
「『リーズに行くのに、大丈夫なのか』って言いたいのよ、彼女は」
鈴木の言葉に明日香が目を見張る。
「え? どういうこと……」
戸惑う彼女を気に掛けもせず、言いたいことを喋りだす鈴木と早川。
「大丈夫だって。真面目な宮守さんが選んだお相手なんだから、三年ぐらい待っててくれるって」
「えー、私は絶対無理です。浮気されるんじゃないかって、気が気じゃなくなりそう」
「その時は、その時でしょ。向こうで新しく、男作ればいいことだし」
「鈴木さん、イギリスで彼氏作る気、満々ですよね……」
「……あの!!」
明日香が大声で彼女らの会話を遮る。二人はほぼ同時に、明日香の方に首を振った。
「あの、私、リーズに行けるんですか?」
明日香の質問に、鈴木が不可解そうな顔をする。
「そうだよ? 採用の面接のときに話したでしょ。『リーズ行きの社員さん募集』って」
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「彼女は、宮守さんの代わりに内務やってもらうために、来てもらったんだよ。英語出来る子が欲しかったからね。そうそう、詳しい日程なんだけど、今週末ぐらいに、専務から話があると思うよ」
「ほっ、本当ですか?!」
有頂天になる明日香。
行ける。リーズに行ける。
子供のころからの夢が、ようやく叶う。
きっと彼も褒めてくれる。認めてくれる。
きっと彼も、喜んでくれる。
◆◆◆◆
「おめでとう、明日香」
土曜日。
明日香から報告を聞いた大輔は、自宅の玄関で彼女を抱きしめた。
今日は彼が休日出勤で、明日香は自宅で帰りを待っていたのだ。
「ありがとう、大輔さん。これも『諦めるな』って言ってくれた、大輔さんのおかげだよ」
彼の首に手を回して、上半身を反らせる明日香。
「だから、言っただろう? 明日香の能力は、評価されて然るべきだって。この経験はきっと、明日香の糧になるよ。頑張っておいで」
大輔は彼女を見つめて、その髪を撫でた。
「髪、切ったんだね。似合ってる」
明日香は鎖骨の下まであった髪を切って、マッシュラインのショートヘアにした。
これから忙しくなるにあたって、髪に時間を掛けたくないというのが理由だった。
大輔は上着を脱ぎながらリビングに入って行く。ちょこちょこと後をついていく明日香。
「でもね、専務の話だと、三年は戻って来れないって」
「三年か。意外と短いね」
木製のコートハンガーにジャケットを掛け、几帳面にシワ取り&消臭スプレーをかける大輔。
紺のスーツに薄いブルーのワイシャツ。ネクタイはクリーム地で、赤と白の細いストライプのデザイン。ウエストが引き締まった彼のスタイルは、明日香を魅了した。
「短くないよ。その間、大輔さんに会えないんだよ、寂しいよ」
「会えるって。年に一度ぐらいは、会社の金で帰国できるだろうし。俺も時間みつけて会いに行くよ。シーズン外せば、航空券も結構安いし」
ネクタイを緩める大輔を、彼女は顔を赤らめて見つめていた。
スーツ姿の大輔と、こうやって部屋で相対するのは久しぶりだ。休日出勤だと大抵その週はお預けになるのだが、今回は『大事な報告がある』と言って、特別に会ってもらうことにしたのだ。
「どうしたの?」
彼女の視線に気づいて、大輔が動きを止める。
「大輔さんのスーツ姿、素敵だなって思って」
「惚れ直した?」
「……これ以上好きになったら、どうかしちゃう」
明日香が口をすぼませて横を向く。
ショートヘアのうなじが見えると、大輔は一気に欲情した。
彼女の腕を掴んで引き寄せ、突然キスをする大輔。彼女が受け入れると、両手で彼女の耳を塞ぐようにして舌を入れてきた。
「んふっ……」
我慢できずに息を漏らす明日香。
目を薄らと開けて大輔を見ると、彼はいつになく興奮した顔つきをしている。
「……大輔さん?」
「明日香……髪切って、色っぽくなった……」
大輔は首筋に唇を這わせ、荒い息遣いで胸を触ってくる。明日香が抵抗せずにいると、そのままソファに押し倒した。
息苦しくなるほどの激しいくちづけをする大輔。
明日香のキャミソールワンピースをたくし上げ、ショーツを強引に脱がす。躊躇なく脚の間に掌を入れ、指先でクチュクチュと音を鳴らした。
「すごいよ。もうこんなに濡れてる。明日香のここ、俺のこと誘ってる」
彼の高揚感に引き込まれるように、明日香も顔を紅潮させて吐息を漏らす。
「大輔さん……どうしたの、今日は。すごい激しい……」
「こういうの、やだ?」
「いやじゃないよ。こういう大輔さんも……好き」
「明日香……」
ベルトを緩めて、ワイシャツはそのままにスラックスだけ脱ぎだす大輔。ボクサーパンツを下ろすと、男根が赤黒く反り返っていた。
ゴクリと喉を鳴らす明日香。
「……大輔さん、舐めちゃダメ?」
「ダメ。今フェラされたら、出ちゃいそうだから」
大輔はマガジンラックに無造作に突っ込んである、避妊具の箱に手を伸ばす。二人は時折り、このソファでも愛し合っていた。
少し慌てた手つきで装着すると、大輔は彼女の脚を開かせた。
襞の間に鈴口を当て、縦にこすり出す。詰まるような鼻声を出す明日香。
「挿れるよ? いい?」
「うん……早く来て。あなたが欲しいの。大輔さん……」
言下に彼が入ってくる。明日香は顎を上げて喘いだ。
いつになく強引な大輔と、服を着たまま繋がっていることに、明日香は興奮した。
「ああっ、すごい……気持ち良いっ……」
大輔が身体を寄せてきて、彼女の唇や顎に何度もキスをする。
「明日香ゴメン。いきなり挿れちゃって……我慢できなかった」
「ううん……嬉しい。私のこと求めてくれるの、すごく嬉しい」
彼女の髪を撫で、額にくちづけをする大輔。
「明日香、髪切って、なんだか別人みたいに思えちゃって……でもこうやって挿れると、明日香の中だなって思う。すごいしっくりくる」
彼の言葉に、露骨に頬を膨らませる明日香。
「なにそれ。緩いってこと?」
「違う、違う。俺にフィットしてるってこと。メチャクチャ気持ち良い」
「当たり前だよ。私のは大輔さん専用なんだから。好きにしていいよ」
「明日香、その台詞はヤバいって……」
大輔が激しく腰を動かし始める。明日香の片脚を持ち上げて抱え込むと、組み合うように股間を押し付けてくる。
「ああっ!!」
仰け反りながらソファの肘掛を掴む明日香。
「明日香がいけないんだよ……『好きにしていい』なんて言うから……」
「あっ、あっ、すごい……奥に……当たってる!」
顎から汗を滴り落とす大輔。
「明日香ゴメン、ちょっと俺、今日、早いかも……」
「いいよ……『好きにして』って、言ったでしょ……」
「明日香……」
大輔が彼女の脚を戻して、覆いかぶさるように突いてくる。
彼の汗が、ポタポタと明日香の顔に落ちてくる。唇に垂れてきた汗を舐め、官能的な塩気を味わう明日香。
「あぁ……ダメだ。もうイク……明日香っ……!!」
強く抱きしめられた明日香は、その力強さに絞られたような声を出す。
体を震わせながら果てる恋人を、明日香はこの上なく愛おしく感じた。
三年と言われて正直不安だったが、彼はまるでその辺に引っ越すみたいな気軽さでいる。彼にとって海外は、それほど遠い存在ではないのだ。
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