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第五十七話 安寧
しおりを挟む「そ、それは、本当か?どんな方法なんだ?」と、魔王殿が、聞いてきた。
「シャドーイーターという魔法を使い、その不老不死の部分だけ喰わせます」と、答えた。
シャドーイーターは、シャドーの弱体化版である。
そして、上手く使えば、一部の能力だけ喰らうことも出来る。
「早速頼む」と言い、魔王殿は、頭を下げてきた。
「では、早速始めます」と言い、魔王殿の方に手を伸ばした。
「シャドーイーター」と、唱えた。
すると、影が、魔王殿の体を包んだ。
影が止むと、魔王殿は、驚きの表情を浮かべていた。
「ありがとう。これで、やっと死ねる」と言い、魔王殿は、安堵の表情を浮かべた。
「不老不死が無くなったことですから、少しだけでも生きますか?」と、聞いた。
「私は、長い間生きてきた。もう充分だ。早く妻の元に行きたい」と答え、魔王殿は、優しく微笑んだ。
私は、「そうですか。分かりました。墓は、奥様の隣に作成しますね」
「良いのか?」と、魔王殿が、聞いてきた。
「はい。私には、寿命の概念が無いです。なので、この日には、花を持って訪れます。そして、この城の整備と警備は、影の魔物にさせます」と、答えた。
「本当に感謝する」と言い、魔王殿は、頭を下げてきた。
「最後に、名前を聞いても良いですか?魔王という名前では無く、本当の名前を」と、聞いた。
「私の名前は、ターリン・ブルグだ。そして、愛する妻の名前は、マーニ・ブルグだ」と、魔王殿は、優しい表情を浮かべ、答えてきた。
「分かりました。それでは、ターリン殿。ゆっくり眠って下さい。そして、奥様と幸せに」と言い、漆黒の2本の大剣を抜いた。
魔王殿は、短く、「ああ」
私は、漆黒の2本の大剣で、魔王殿の首を刎ねた。
魔王殿は、首から血を流し、絶命した。
魔王殿の首は、安堵の表情を浮かべていた。
私は、魔王殿の死体を丁重に運び、中庭の奥様の墓の隣に埋葬した。
私は、墓石に、ターリン・ブルグ、ここに眠ると、書いた。
私は、花を置き、この古城を後にした。
セレリア達と合流し、1度エアリアル王国に帰還した。
そこで、討伐の報告をした。
隣の大陸の者達は、歓喜の声を挙げていた。
私は、隣の大陸を直ぐに安定させるために、シャドートラベリングを使って、それぞれの国に送った。
送った隣の大陸の者達は、私達の説明と魔王を討伐したことを伝えた。
すると、私は、隣の大陸でも黒き英雄と呼ばれるようになった。
そう言えば、エスリスの元兄は、全ての犯罪が、知れ渡ったので、処刑が決まった。
エスリスの祖国は、王家の血を引いている公爵家が、王になり、存続するようだ。
エスリスが、女王にという話もあったが、エスリスが、断った。
弟の妻になりたいからと。
それ以外は、特に大きな問題は、起きなかった。
この戦いが終わり、魔王と隣の大陸の者達は、安寧を得たのだ。
魔王は、安らかな眠りを。
隣の大陸の者達は、当たり前の日常を。
隣の大陸の者達は、本当に幸せだった。
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