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第六話 告白
しおりを挟むその後、私は襲いかかってきた騎士達を無力化し、女も無力化したのだ。
全てを無力化し、外に止めてあった馬車に積み込む。
勿論、御者は脅している。
この女が元いた場所と言ったら、なんと王城に到着したのだ。
まさか、王女だとは。
まぁ、全て制圧して、沢山慰謝料を貰うか。
その後、私は全ての騎士を制圧し、山を作り上げる。
気絶した騎士達で。
その上でこの国の国王と和解した。
私とラナに不可侵と慰謝料で。
慰謝料としては色々と請求した。
金は勿論のこと。
宝物庫で気に入った宝石と魔法袋という魔法具を望んだ。
そして、もう1つの魔法具を。
これは後で必要になるな。
和解した私は王女と騎士を引き渡し、ラナが待つ家に帰る。
帰宅した後、私はラナに何も無い真っ白な空間で何をしていたのかを話す。
ラナは私の話を黙って聞いてくれたのだ。
「1つ質問があるんだ。本当は聞いては駄目だと思うけど、千年も何も無い真っ白な空間で気が狂わなかったの?」
「それは記憶があったからだ」
「記憶?」
「そう、記憶だ。大事な記憶があったから、千年間ずっと修行し続けることが出来たんだ」
「それはどんな記憶なの?」
「2つある。1つ目は母親との記憶だ。そして、2つ目は」
私はわざとここで言葉を止める。
2つ目の大切な記憶のことをラナに聞いて欲しいからだ。
「ふ、2つ目は?」
私はラナの方を向いた。
「2つ目はラナとの記憶だ」
「えっ」
ラナは顔を真っ赤にしている。
私は席から立ち上がり、リニスの近くまで移動したのだ。
「この2つの記憶以外は殆ど消えた。残ったのは知識と母親とラナとの記憶だけだ」
リニスの前で片膝を地面に着ける。
「私は何も無い真っ白な空間で気がついたんだ。自身の気持ちに」
「じ、自身の気持ち?」
「そうだ。異世界に召喚された私を不憫に思って救ってくれたラナのことが好きだと」
「で、でも、ぼ、僕はただの司書だよ。それに孤児だったんだよ」
「そんなことは関係ない。私はラナ・シーアナだから好きになったんだ。ただの司書とな孤児とかは何も関係無い。それに、私はこちらの世界では無職で天涯孤独だ」
ラナは顔は更に真っ赤になり、耳まで真っ赤になっていたのだ。
私はそんなラナの方に右手を伸ばす。
「ラナ。千年前から伝えたいことがあったんだ。聞いてくれるか?」
ラナは真っ赤な顔のまま頷いてくれたのだ。
「ありがとう、ラナ。私は千年前からラナのことが好きだ。だから、私と結婚前提とした婚約を結んで欲しい」
ラナは両手で口元をおさえ、真っ赤な顔のまま何度も頷いた。
「こ、こんな僕で良ければ。よ、よろしく、樹」
私は嬉しさのあまり、ラナを抱きしめてしまう。
ラナは驚いていたが、直ぐに私のことを抱きしめてくれたのだ。
私達は抱きしめ合い喜びを分かち合う。
満足した私達は離れたのだ。
離れた私は魔法袋の中からある魔法具を取り出す。
その魔法具はネックレス型で、綺麗な青色の宝石が埋め込まれている。
「ラナ。プレゼントだ」
取り出した魔法具をラナに手渡したのだ。
「こ、こんな綺麗なネックレス。貰っていいの?」
「勿論だ。ラナにプレゼントするためのものだから」
「ありがとう、樹。僕、嬉しいよ」
ラナは笑顔を浮べたのだ。
その笑顔は千年の精神的疲労を癒す。
母さん、召喚された異世界で初めての婚約者が出来たよ。
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