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番外編 桜
しおりを挟む異国から、珍しい木がきているみたいだ。
僕は、緋月を誘い、見に行くことにした。
緋月は、あの浴衣を着てきていた。
僕は、緋月と一緒に、その木のところに向かった。
その木の周りは、沢山の人が溢れていた。
遥か東の国の木らしい。
とても綺麗だった。
ピンク色の特徴的な花びらを持っている木だった。
見たことがないはずのに、何故か、見たことがあった。
それは、緋月も同じようだった。
緋月は、私の方を向いて、「エ、エレン様。私、この木見たことがあります」
「本当?」と、聞いた。
「はい。この木は、桜という名前で、私の炎属性の5の魔法、緋桜の元になったものだと思います。そして、この浴衣も桜の花びらだと思います」と、緋月は、答えてくれた。
「そうか。桜は、とても綺麗だね」と言い、桜の方を向いた。
緋月は、「そうですね。エレン様」
私達は、何も喋らずに、隣で桜を見続けた。
桜を見ていると、緋月が、僕の手を握ってきた。
僕は、チラリと緋月の方を見てみると、顔を赤くしていた。
僕は、手を握り返した。
緋月は、私の方を向き、嬉しそうに微笑んだ。
僕達は、手を握りながら、桜を見ていた。
桜を見ていると、桜の真正面が、空いたので、そこに移動した。
緋月は、僕から手を離し、桜の方に向かった。
そして、桜に背を向け、私の方を向いた。
「エレン様。私、エレン様と一緒に、桜を見れて、本当に良かったです」と言い、緋月は、桜よりも美しい笑顔を浮かべた。
その笑顔に、僕は、見惚れてしまった。
それは、桜を見ている人達も一緒だった。
僕は、心の底から、緋月と出会えて良かったと思えた。
そんなことを思っていると、風が突然吹き、桜の花びらが、僕と緋月のことを包んだ。
それは、まるで、桜が、僕達のことを祝福しているようだった。
「エレン様。私、エレン様と出会えて本当に良かった。だって、こんなにも幸せだから」と言い、緋月は、微笑んだ。
「ああ、僕も緋月と出会えて、本当に良かった。これからもよろしく、緋月」と言い、僕も微笑んだ。
「はい、こちらこそ、よろしくお願いします。エレン様」と言うと、緋月は、桜の花びらに、包まれた。
僕は、桜の花びらから包まれた緋月の手を取り、「行こうか、緋月」
「はい、エレン様」と言い、緋月は、満開な桜のよりも美しい笑顔を浮かべた。
僕達は、手を繋ぎながら、この場を後にした。
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