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しおりを挟むこのまま、ずっと抱きしめていたかったが全裸のアンをこのままにするわけにはいかない。
来ていたコートをアンの上半身に着せて、下半身を隠すように、中に来ていたジャケットを巻いた。
タクシーを呼んで、1番近くのラブホに向かうことにした。
車を撮りに行くには遠すぎるからだ。
車が置きっぱなしだがそんなことよりも今はアンのことが大切だ。
公園の外までアンを背負って歩いた。アンの冷たさが背中越しにも伝わってくる。
タクシーはすぐに来た。
不審そうな顔をされたが「彼女、酔っ払っちゃって」と適当な嘘をついた。アルコールの匂いがしないからバレバレだろうに運転手が少し間抜けだったのか「彼氏さんも大変やねー」とすぐに安心した顔になった。
10分ほどでホテルに着いた。
安いビジネスホテルも近くにはあったが、フロントの人間にこんな格好のアンを見せるわけにはいかない。ラブホもカメラ越しに見られているだろうが、直接ではないからアンの自尊心も傷つかないだろうと思った。
すぐにアンをベッドに下ろした。自分もベッドに入り、抱きしめていたかったが、風呂に向かい湯を溜める。
意識が朦朧とするのか、ぼんやりした様子のアンに声をかける。
「腹は減っていないか?何か食べるか?」
アンは、コクリと頷いた。
メニュー表を見ると、蟹雑炊の文字が目についた。アンに「雑炊食べられるか?」と確認すると再び頷いた。
電話で雑炊を一つ注文した。
そんなこんなしていると、風呂が溜まったようだ。
アンを抱えて、風呂場に向かう。
熱い湯にいきなりアンを入れるのは可哀想なので、足から静かに入れてやった。
「熱くないか?」と声をかけると「平気。」とアンは返事をした。
不意に、アンの大きな乳房に釘付けになってしまった。既に、翔の股間は勃起していた。
ゆっくりとアンを自分の膝の上に乗せると、アンは気持ち良さげに目を閉じた。アンの体はまだ冷たかった。
アンを後ろから抱きしめるような姿勢になった。アンはとても可愛かった。
頬にそっとキスをすると、ふふっとアンが微笑んだ。
再会の喜びが最高潮に達した。
潜入捜査の頃、アンと一緒に風呂に入ることが大好きだった。
あの頃のようにアンを後ろから抱きしめると、アンも翔の腕をギュッと抱きしめてきた。
アンが、振り向いてキスをねだるのでそれに応えた。
手でお湯を掬って、お湯からはみ出たアンの肩にかける。
冷たい肩を少しでも温めたかった。
「会いたかったよ」
アンに声をかける。
アンは頷いた。
翔は、これまで自分勝手にアンのことを想い続けていた。アンは、翔のことをどう思っているのか知らない。
翔は、アンの気持ちを確かめておきたかった。もう2度と、アンを手放したくないから。しかし、アンが望むならばアンを再び手放す覚悟を既に決めていた。
「アン、これから俺と死ぬまで一緒にいてくれるか?ずっとお前と生きていきたい。」
アンの耳元に囁いた。
「もちろん…。大好き。勝さん…」
アンは、初めて勝への気持ちを打ち明けた。
思わずアンのことを抱きしめた。
キツくキツく抱きしめた。
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