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プロローグ
井の沢南佐はまだ動かない 井の沢南という名前を知るモノ
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親父が死んだ。
親父は寺の住職。俺は後継ぎとして、一応副住職に就いている。
お袋は既に鬼籍。祖父母はお袋が亡くなる前にすでに故人となっていた。
現在二十九才の俺は独身。
だからお袋がなくなってからは二人暮らしだったんだが、これで孤独の身となってしまった。
寺の住職の葬儀ということで、法要の方面では同じ宗派の寺から助っ人は来てくれた。しかし事務手続きとなると、すべて俺が自分で動かなきゃならない。
葬儀一連の法要は臨終のお勤めだけあって体力はもちろん、精神もゴリゴリと削られてしまう。
だが今回のことで身をもって知った。
法要を執り行う立場がどれほど楽か。
遺族、とくに喪主となった者の大変さは、当事者の立場に立たないと全く分からない。
法律上の手続きに追われる日々が続く。
四十九日が過ぎ百か日の法要が終わっても、手続きや庫裏と呼ばれる僧侶の住まいの片づけがなかなか思うように進まない。
ようやく一息つくことが出来たのは、これから忙しくなる八月のお盆の一月前のことだった。
一息ついたらゆっくりできると思っていた。
それは大きな間違いだった。
たった一人いなくなっただけの毎日。
しかし一人きりの生活か誰かと一緒の生活かの違いは大きい。
予定の仕事がない日は祖父母と両親の五人で生活していた頃が懐かしくなり、恋しくなった。
またあんな賑やかな毎日を過ごしたいと思っても、取り戻すことも手に入れることも出来ない貴重な日々と時間だった。
「いかんな……。すぐ気分が落ち込んじまう」
ぼそりと呟く独り言。
勿論誰かに聞かせるための言葉じゃない。
頭を使う気分転換は、すぐ悪い方へと思考が動く。いつ何の連絡が家電に入るか分からないこの仕事。体を動かす気分転換はせいぜい近所の散歩がいい所。
「……そういえば銀行に預金しなきゃいけなかったっけ。ギリギリで間に合うな」
クレジットカードやキャッシュカードは持っていないので、窓口に出向くしかない。
雨の少ない空梅雨の気候。単なる高温は湿度が低い分体に負担は感じない。
けれど急いで足を運んだ俺には、体に異変はないが一般的に考えても水分補給は必要だ。
銀行での用事を済ませ、近くの自販機を見ると、スポーツ飲料や茶、水の類は売り切れ。糖分は控えたいからジュースは避けないとな。
そういえば湧き水があったな。喫茶店を自営している店長が、開店前に大量の水を汲みに来るという噂まで聞こえてくる地元では有名な湧水。
しかし帰り道の距離が遠くなる。
帰り道の途中にも自販機の一つは二つはある。
湧き水は諦めて他の自販機を頼るか。
「気分転換にちょうどいい。帰りは少しばかり回り道しようか」
をして寺の門からほぼ直線で行けるその銀行から、大通り沿いに歩いていけば長くはなく短くもない散歩にもなるし、途中で自販機で飲み物を買ってもいい。
道なりに進むと駅前通りの商店街に出た。
昔は人通りも多くにぎやかだったこの通りは、今では閉店のためシャッターやカーテンが降ろされた入り口や窓が並んでいる。
まるでうちの家族の人数みたいじゃないか。
家の中が賑やかだったころはこの通りも人の流れが途切れることはなかった。
家族が一人減り、二人減る。
それに合わせるみたいに、昔から馴染んできた店が一つ、二つと閉店になり、更地になる。
それでもまだ、子供の頃入り浸っていた店がいくつか残っているのは、自分の居場所が残ってる感じがして少しうれしく感じる。
親父とお袋の三人で休日にお出かけしていた懐かしい日々をようやくじっくりと振り返ることが出来た気がした。
生きてるんだから、過去を振り返ってばかりじゃ前に進めない。
そう言う人も中にはいるだろう。
けど振り返る目的は、昔を懐かしむだけじゃない。
楽しい思い出を思い出して、その思い出を作ってくれた今は亡き人達への感謝の気持ちをより強くするためだ。
そうしてその人達は自分にとって、とても大切な人達だったんだという確認をするため。
そしてその人達を真似て、どこかの誰かにとっての大切な人となるため。
そんな目的もあると思うんだ。
「神社か……。中に入らなくなってから……二十年くらい経ったかな」
中学に入ると、俺も人並みに体力がついた。
部活だの勉強だので忙しくなる。
学校にいる時以外の時間はこの神社や公園で遊ぶ時間より、図書館とか書店とかに行く時間が増えていったっけ。
「水、冷たいかな?」
俺の記憶の中の神社の境内は、俺が小学六年の頃から時間の流れは止まっている。
十七年ぶりの境内は、何も変わっていないだろうか?
それともあちこち変化があるだろうか。
長らく会っていない親しい人と久しぶりに会うそんな楽しみな思いを抱えながら境内に足を踏み入れた。
残念ながら、手動のポンプはなくなっていた。
しかし水道の蛇口がそこにあり、清潔感が増している。
ブランコも新調したかのように見えたが、よく見ると新たに塗装をし直しただけ。
それでも見栄えはいい。
「しばらく見ないうちに立派になって、と言ったところかな」
水道のそばにガラスのコップがある。
普通に考えると、これに水を汲んで飲むということだろう。
水を汲んだコップは、その冷たさを持った手にすぐに伝えた。
「冷てーなっ……。うん。これは昔から変わらないな」
冷たいけれど、雪国の冬でもなぜか凍り付くことはなかった井戸水と湧水。
豪雪が続く最近の冬ではここのみずはどうなるかは分からないが、暑い季節には心地いい。
そのまま広くはない境内を歩き回った。
遊具や設備に触れる手の位置は、子供の頃触れるのが精一杯の高さを優に超えている。
「……国道には行けなくなったか。そ言えば駅前の道路拡幅工事あったんだよな。でもかなり前のことなのに……」
そう、かなり前。
確か高校時代の頃だった気がする。
大体十二年くらい前か。
しかし鳥居はそのまま残っている。
「鳥居はある。けど、国道までの路地がない……。そこでも思い出はあったんだけどな……」
親父とお袋に手を引かれて通ったあの小道。
一人でそこを通ってここに来た時は、道端で成っていたザクロや渋柿をこっそり捥いで齧ってみたこともあった。
そんな思い出の場所が、視界に入る建物によって失われてしまった。
だが俺の思い出を中心に世界は回っているわけじゃない。
分かってる。
思い出をなくさないで欲しいと理由でその場所の保持を願うなんて、我儘もいいところだよ。
それにしても鳥居だけは残してるんだな。
雑学はかなり好きだが、鳥居の意味までは知らないな。
ひょっとしてまた改築とかする時に参道とか作る予定とかあるのかね。
柱の傷は一昨年の。
そんな詩もあったが、流石に自分の頭の位置で鳥居の柱に傷をつけるわけにはいかない。
自然についた傷を目安に自分の背の成長を確かめたりもした。
その鳥居での思い出までは残っていてくれた。
その柱を撫でながら一周する。
「最近建付け悪くなってない? これ」
突然社の方からそんな女性の声が聞こえた。
厳密に言うと、社の中からだ。
周りの建物のほとんどは改築されている。
だが駅前通りの拡幅工事に関係しないところ同様、この社も、塗装などは何度かしたようだが建物自体増改築はされていない昔のまま。
だから社の内外の音が筒抜けになる。
鍵はつけられてないので、中を利用する人は割といる。
学生にとっては隠れた勉強場所になってたりする。
だから突然中から誰かが出てくるなんてことも珍しくはない。
引き戸が細かく上下左右に動き出し、ガタガタ音が鳴る。
いきなり引き戸が動いて音が出るのなら一目散で逃げだすところだ。
寺の坊主の仕事をしてるからって、オカルトに強いわけじゃない。
むしろ怖い。
だが中から聞こえた声が聞こえたから誰かがいるのは分かってた。だからそんなにビビることはなかったが、出てきた女性が言った言葉に気味の悪さを感じた。
俺に顔を向けた女性は、俺より十才くらい若い高校生くらいに見える子。
その子が俺を見て開口一番、こんなことを言ってきた。
「開いたぁ! ふぅ……。あ、誰かいると思ったら南君じゃない。久しぶりだねー。そこで休んでたの? 中に入って休みなよ」
俺の名前は井の沢南佐。ナンザって読むようにした。
というのは、中学三年になる前に改名したから。
お袋が死んだのをきっかけだった。
寺の跡継ぎになるという決心をして、そのことを親父に告げた。
じゃあ名前を漢字二文字にしないとな、と言われた。
法名というのだが、その法名を持たないといけない。
その法名をつけやすくするために名前を変える必要がある。
別名にしてもいいんだが、役所への届け出や郵便物の宛名にも影響するため、戸籍ごと名前を変える方が面倒事がなくなるらしい。
ということで、俺の今の名前は中学二年以降の名前。
それまでの名前は、井の沢南だった。
親父は寺の住職。俺は後継ぎとして、一応副住職に就いている。
お袋は既に鬼籍。祖父母はお袋が亡くなる前にすでに故人となっていた。
現在二十九才の俺は独身。
だからお袋がなくなってからは二人暮らしだったんだが、これで孤独の身となってしまった。
寺の住職の葬儀ということで、法要の方面では同じ宗派の寺から助っ人は来てくれた。しかし事務手続きとなると、すべて俺が自分で動かなきゃならない。
葬儀一連の法要は臨終のお勤めだけあって体力はもちろん、精神もゴリゴリと削られてしまう。
だが今回のことで身をもって知った。
法要を執り行う立場がどれほど楽か。
遺族、とくに喪主となった者の大変さは、当事者の立場に立たないと全く分からない。
法律上の手続きに追われる日々が続く。
四十九日が過ぎ百か日の法要が終わっても、手続きや庫裏と呼ばれる僧侶の住まいの片づけがなかなか思うように進まない。
ようやく一息つくことが出来たのは、これから忙しくなる八月のお盆の一月前のことだった。
一息ついたらゆっくりできると思っていた。
それは大きな間違いだった。
たった一人いなくなっただけの毎日。
しかし一人きりの生活か誰かと一緒の生活かの違いは大きい。
予定の仕事がない日は祖父母と両親の五人で生活していた頃が懐かしくなり、恋しくなった。
またあんな賑やかな毎日を過ごしたいと思っても、取り戻すことも手に入れることも出来ない貴重な日々と時間だった。
「いかんな……。すぐ気分が落ち込んじまう」
ぼそりと呟く独り言。
勿論誰かに聞かせるための言葉じゃない。
頭を使う気分転換は、すぐ悪い方へと思考が動く。いつ何の連絡が家電に入るか分からないこの仕事。体を動かす気分転換はせいぜい近所の散歩がいい所。
「……そういえば銀行に預金しなきゃいけなかったっけ。ギリギリで間に合うな」
クレジットカードやキャッシュカードは持っていないので、窓口に出向くしかない。
雨の少ない空梅雨の気候。単なる高温は湿度が低い分体に負担は感じない。
けれど急いで足を運んだ俺には、体に異変はないが一般的に考えても水分補給は必要だ。
銀行での用事を済ませ、近くの自販機を見ると、スポーツ飲料や茶、水の類は売り切れ。糖分は控えたいからジュースは避けないとな。
そういえば湧き水があったな。喫茶店を自営している店長が、開店前に大量の水を汲みに来るという噂まで聞こえてくる地元では有名な湧水。
しかし帰り道の距離が遠くなる。
帰り道の途中にも自販機の一つは二つはある。
湧き水は諦めて他の自販機を頼るか。
「気分転換にちょうどいい。帰りは少しばかり回り道しようか」
をして寺の門からほぼ直線で行けるその銀行から、大通り沿いに歩いていけば長くはなく短くもない散歩にもなるし、途中で自販機で飲み物を買ってもいい。
道なりに進むと駅前通りの商店街に出た。
昔は人通りも多くにぎやかだったこの通りは、今では閉店のためシャッターやカーテンが降ろされた入り口や窓が並んでいる。
まるでうちの家族の人数みたいじゃないか。
家の中が賑やかだったころはこの通りも人の流れが途切れることはなかった。
家族が一人減り、二人減る。
それに合わせるみたいに、昔から馴染んできた店が一つ、二つと閉店になり、更地になる。
それでもまだ、子供の頃入り浸っていた店がいくつか残っているのは、自分の居場所が残ってる感じがして少しうれしく感じる。
親父とお袋の三人で休日にお出かけしていた懐かしい日々をようやくじっくりと振り返ることが出来た気がした。
生きてるんだから、過去を振り返ってばかりじゃ前に進めない。
そう言う人も中にはいるだろう。
けど振り返る目的は、昔を懐かしむだけじゃない。
楽しい思い出を思い出して、その思い出を作ってくれた今は亡き人達への感謝の気持ちをより強くするためだ。
そうしてその人達は自分にとって、とても大切な人達だったんだという確認をするため。
そしてその人達を真似て、どこかの誰かにとっての大切な人となるため。
そんな目的もあると思うんだ。
「神社か……。中に入らなくなってから……二十年くらい経ったかな」
中学に入ると、俺も人並みに体力がついた。
部活だの勉強だので忙しくなる。
学校にいる時以外の時間はこの神社や公園で遊ぶ時間より、図書館とか書店とかに行く時間が増えていったっけ。
「水、冷たいかな?」
俺の記憶の中の神社の境内は、俺が小学六年の頃から時間の流れは止まっている。
十七年ぶりの境内は、何も変わっていないだろうか?
それともあちこち変化があるだろうか。
長らく会っていない親しい人と久しぶりに会うそんな楽しみな思いを抱えながら境内に足を踏み入れた。
残念ながら、手動のポンプはなくなっていた。
しかし水道の蛇口がそこにあり、清潔感が増している。
ブランコも新調したかのように見えたが、よく見ると新たに塗装をし直しただけ。
それでも見栄えはいい。
「しばらく見ないうちに立派になって、と言ったところかな」
水道のそばにガラスのコップがある。
普通に考えると、これに水を汲んで飲むということだろう。
水を汲んだコップは、その冷たさを持った手にすぐに伝えた。
「冷てーなっ……。うん。これは昔から変わらないな」
冷たいけれど、雪国の冬でもなぜか凍り付くことはなかった井戸水と湧水。
豪雪が続く最近の冬ではここのみずはどうなるかは分からないが、暑い季節には心地いい。
そのまま広くはない境内を歩き回った。
遊具や設備に触れる手の位置は、子供の頃触れるのが精一杯の高さを優に超えている。
「……国道には行けなくなったか。そ言えば駅前の道路拡幅工事あったんだよな。でもかなり前のことなのに……」
そう、かなり前。
確か高校時代の頃だった気がする。
大体十二年くらい前か。
しかし鳥居はそのまま残っている。
「鳥居はある。けど、国道までの路地がない……。そこでも思い出はあったんだけどな……」
親父とお袋に手を引かれて通ったあの小道。
一人でそこを通ってここに来た時は、道端で成っていたザクロや渋柿をこっそり捥いで齧ってみたこともあった。
そんな思い出の場所が、視界に入る建物によって失われてしまった。
だが俺の思い出を中心に世界は回っているわけじゃない。
分かってる。
思い出をなくさないで欲しいと理由でその場所の保持を願うなんて、我儘もいいところだよ。
それにしても鳥居だけは残してるんだな。
雑学はかなり好きだが、鳥居の意味までは知らないな。
ひょっとしてまた改築とかする時に参道とか作る予定とかあるのかね。
柱の傷は一昨年の。
そんな詩もあったが、流石に自分の頭の位置で鳥居の柱に傷をつけるわけにはいかない。
自然についた傷を目安に自分の背の成長を確かめたりもした。
その鳥居での思い出までは残っていてくれた。
その柱を撫でながら一周する。
「最近建付け悪くなってない? これ」
突然社の方からそんな女性の声が聞こえた。
厳密に言うと、社の中からだ。
周りの建物のほとんどは改築されている。
だが駅前通りの拡幅工事に関係しないところ同様、この社も、塗装などは何度かしたようだが建物自体増改築はされていない昔のまま。
だから社の内外の音が筒抜けになる。
鍵はつけられてないので、中を利用する人は割といる。
学生にとっては隠れた勉強場所になってたりする。
だから突然中から誰かが出てくるなんてことも珍しくはない。
引き戸が細かく上下左右に動き出し、ガタガタ音が鳴る。
いきなり引き戸が動いて音が出るのなら一目散で逃げだすところだ。
寺の坊主の仕事をしてるからって、オカルトに強いわけじゃない。
むしろ怖い。
だが中から聞こえた声が聞こえたから誰かがいるのは分かってた。だからそんなにビビることはなかったが、出てきた女性が言った言葉に気味の悪さを感じた。
俺に顔を向けた女性は、俺より十才くらい若い高校生くらいに見える子。
その子が俺を見て開口一番、こんなことを言ってきた。
「開いたぁ! ふぅ……。あ、誰かいると思ったら南君じゃない。久しぶりだねー。そこで休んでたの? 中に入って休みなよ」
俺の名前は井の沢南佐。ナンザって読むようにした。
というのは、中学三年になる前に改名したから。
お袋が死んだのをきっかけだった。
寺の跡継ぎになるという決心をして、そのことを親父に告げた。
じゃあ名前を漢字二文字にしないとな、と言われた。
法名というのだが、その法名を持たないといけない。
その法名をつけやすくするために名前を変える必要がある。
別名にしてもいいんだが、役所への届け出や郵便物の宛名にも影響するため、戸籍ごと名前を変える方が面倒事がなくなるらしい。
ということで、俺の今の名前は中学二年以降の名前。
それまでの名前は、井の沢南だった。
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