この僧侶、女子高生っぽい女神の助手 仕事は異世界派遣業

網野ホウ

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幕間その2

幕間:女神が人間の生活を望んでおられる

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 白討討伐の依頼が解決してから一週間ほど経った。

 白討が暴れていた、この地域の古い時代に向かったのは、俺がいつも異駒清水神社に向かう早朝ではなく、ななからの雷鳴のみで呼び出された日中だった。

 あれからななの家に戻り体を休めることにした。
 法事が終わり、その後の予定は特になかったからのんびりするつもりでいたのだが、ここではその予定のことを気にする必要はなかったのをすっかり忘れていた。

 ななの家の居間……居間と言う名称は正しいかどうかは別として、広い居間のど真ん中で俺は思いっきり背伸びをした後そのまま後ろに体を倒した。
 そしてそのまま転寝をする。

 目を覚ましたのは一時間くらい過ぎた頃だろうか。
 そこで改めて思い出した。
 ここと別の世界にいる間は時間が経つことはない、ということを。

「目、覚めた? ほんとにいろいろ頑張ったもんね、南は。好きなだけ休んでていいよ」

「いや、寝てばっかりってのもな。体が強張っちまう。それにうっかりすると、ここが俺の家って錯覚しちまいそうだしな」

「南んちにしてもいいんだよ? 私も南の家族の一人にしてもこっちは構わないし」

 神様が家族に?
 いやいや。
 お前が人間だったら妹……いや、妹と言うには年が離れすぎてる感じだ。
 せいぜい姪っ子がいいところ。

「そう言うわけにゃいかないさ。俺は人間だし、仕事も持ってるし。報酬貰えるだけで十分なのに、それ以上甘えるわけにはいくまいよ」

 変に収入が増えると税務署から注意されることもあるかもしれん。
 ただでさえ僧侶が寺に一人で生活しているだけでも目立つもんだろうしな。

「どうせ毎朝来ることにしてんだ。我が家じゃねぇけど我が家同然だな。他に来客もいないようだしな」

 いるとするなら別の世界からの迷い人くらいか。
 異世界、と言ってもいいが、なんとなくこう、流行りに乗っかってるって気がしてあんまりな。
 それにこの神社の名前のこともある。
 いや、だからこそ異世界と言う言い方の方がふさわしいのかもしれないが。

「でもさぁ、私、ちょこっと南の世界の暮らし、気になり始めたかなぁ」

「いろんな世界を創った神様が、俺んとこだけ贔屓しちゃまずいだろうよ」

「贔屓じゃないよ? 私の姿も見れて声も聞けるんだもん。それだけ縁が強いってことじゃない」

 間違っちゃいないけどさぁ。

「体験学習なんてやめとけ。それとプライベートの覗き見もやめとけよ? 人間同士ではタブーに近い」

「こっちは神様だから気にしないよ?」

 神にデリカシーはないのか?!

「お前が創った世界っつっても、ままならないっつってなかったか? 人間に意思を持たせなかったらそういうことも出来たかもしれねぇけどな。自重しろよ」

「でもさぁ……もし私が南の世界で生活できたら、どんな姿がみんなから受け入れやすいかな?」

 ……正直、お前の年齢が気になるんだがな。
 年齢に相応しい恰好がいいとは思うんだが、神様だろ? 西暦の数の何倍、いや、何万倍だよ。

「見た目なら……女子高生くらいじゃねぇか? 高校の制服は合うと思うが、社会人の格好は似合わねぇな」

「ふーん……。ジョシコーセーって何?」

 うん、お前は俺の世界で生活体験することは諦めろ。

「はぁ……。来なくていいから。毎朝俺が来ることで我慢しろ」

 女神様がほっぺ膨らませて不満顔晒すなよ。
 可愛げあるからいいけどさぁ。

 さて、神社を出るとやっぱり昼前。
 ななの家に駆け込んだ直後って感じだ。
 その足で宝くじ売り場に行く。
 そこで確認した日付も同じ。もちろん年も。

 一枚だけ買って当選ってのは注目を浴びてしまう。
 ダミーも含め、三十枚。
 大量に買えば、それはそれである意味目立つ。

 ほどほどに生活するのも難しいもんだな。
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