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幕間その2
幕間:女神と事務連絡
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「魔法?」
「魔法じゃねーよ」
聞き慣れないくと、これまで得た知識や聞き慣れた言葉、言い慣れた言葉を当てはめようとする傾向は少なからずある。
ななも同じだった。
神様だから何でも知ってるってわけではない。
神様が直接携わったことなら何でも知ってるようだが、全く拘わらないものには疎いのは、人間と同じようだ。
もっとも、知らないからと言ってそれを馬鹿にするようなことは言うつもりはないし、そんな態度をとるつもりもない。
「けど南、今、素魔法って」
「魔法に素も何もあったもんじゃねぇだろ。けど魔法って言葉は知ってるのな」
女子高生並みに若々しそうな、しかも綺麗な顔で、鼻穴広げてでかい鼻息飛ばすんじゃないっ。ドヤ顔すんじゃねーよ。
「魔法が自然の一部、という世界もいくつも作っているからね。知らないわけないでしょ?」
ごもっとも。
「で、魔法じゃないの?」
「スマホ。スマートフォンと呼ばれる持ち運びできる電話。電話ってのは遠くにいる人と会話するための機械」
「ふーん……。で?」
いや、で? じゃなくてだな。
ななにも持っててもらいたいから、わざわざ新規で買ってきたんだよ。
「忘れたんかよ。こないだ風邪ひきかけて、一日休んだろ?」
「軟弱ねぇ」
「生老病死という苦しみと、怨憎会苦、愛別離苦、求不得苦、五蘊盛苦の四つで計八種の苦しみってのがあってだな……」
……何で神様相手に仏教の話をせにゃならんのだ。
まるで本職に関する何かの検定を無理やり受けさせられてる気分だ。
「まぁ病気やケガ一つしない人間ってのもいないわけでな」
「まぁそうなんでしょうね。でなきゃ願掛けの中で疾病治癒なんて言葉も出てこないし」
分かってんじゃねーか!
「だからさ、何も連絡しないでここに来なかったってのは悪かったと思うよ? けどさ、朝目が覚めたら起きられなかったんだからよぉ……」
明日風邪ひくから休むね、なんて予告有り得ねぇだろうよ。
「別に文句言ってないわよ。それでこの機械とどう関係あるの?」
察しろよ。
「お互いに通話出来るから、ここに来れそうにないと分かったら事前に連絡できるだろ? そしたらななだってあんなに心配しなくてもいいわけだし」
「心配なんかしたっけ?」
こ、このっ……。
こういうのはなんて言うんだ?
ツンデレか? クーデレか?
いや違う。デレてはいないから……。
あぁ、単なる天然だ。
天然で自然現象狂わせんじゃねーよっ。
「あのなぁ……。いくら毎朝来る約束しててそれが来なくなったからってなあ、雲一つない天気で雷鳴連発させてんじゃねーよ! 何事かと思うわ!」
「あ、あぁ、あれね。だって来ないんだもん」
二回三回くらいじゃ気にしねぇよ。
二十回くらい鳴らしただろうが!
「だもん、じゃねーよ……。さびしんぼうの犬か、お前はっ」
ツッコミどころ満載の女神に創造された世界。
その世界の住民としちゃ、かなり不安で仕方がない。
「まぁそういうことで、こいつで連絡やり取り出来りゃ、ここから出てこなくても会話は出来るだろ? テレビ電話機能もついてるしよ」
「使い方覚えないとね……。説明とかないのかしら?」
説明しようとするたびに話脱線するんだもんなぁ。
それにしても、説明書なんてもんはなくなったよな。
アプリの機能の中に入ってんだもん。時代は変わったなぁ……。
あれ?
「ひょっとして……。まずいぞ、こりゃ」
「どうしたの? 持ってきた本人が不安になってたら世話ないわよ?」
ついてなきゃならないマークがない……。
通信のマークが……。
ひょっとしてななの家って……。
「ここ、圏外で使えねぇかもしれん……まさかの予想外」
「あらら……。でもわざわざ新品のを買ってきてくれたんでしょう? 私のために」
いや……他意はないよ?
それにこないだの白討討伐の報酬も大きかったし貯えも余裕出てきたし、これくらいの出費は痛くも何ともなくなった。
「いや、べつにななのためじゃねーよ。俺とななとの間の連絡が、俺の世界じゃ難しいからって理由だけだから。それに俺、年下は好みじゃねぇし」
「へえぇ……。確か南は二十九才だったわよねぇ。私いくつだと思ってんの? 私いくつの世界から女神扱いされてるか知ってる?」
何そのゴゴゴみたいな擬音が背後に浮かんでるのが似合う形相。怖いんですが?
つーか、そうだった。
数えきれないほどの年上でした。
とんでもないほどの年上でした。
……そう言えば、この女の子の姿も仮の姿っつってたよな。
本当の姿は、好奇心だけで見たいとは思っちゃならん姿らしい。
神様らしい威厳とかねーのかよ、とか思ったけど……。
て言うか、極端なんだよ、そういう姿!
「となると単なる記念品にしかならねぇな。ま、いっか。無駄な出費じゃねぇし、ここはそういうところだって分かった俺が払った授業料にすりゃ、な」
「でも、電波ってものが届けば使えるんでしょ?」
「電波だけじゃねぇ。充電も出来なきゃ使えねぇ」
ななのやつ、何か一生懸命考え込んでる。
記念品でもいいじゃねぇか。電気が使えなきゃ役に立たない道具なんだよ。
俺の世界にゃ、そんなもので満ち溢れてる。
「そうだ! 雷をこれにぶちまけたら充電できるじゃない!」
「やめてください。機械自体がそれに耐えられません。つーか、電気の通り道があればそれを伝って他の物を燃やしたり壊したりしてしまいます」
神様の考える基準と人間の考える基準ってかけ離れてるんだよな。
雨乞いなんかいい例だ。
前にも力説したが、それだけ印象に強かったし教訓にしてるし被害甚大だったし。
けど報酬の宝くじの賞金は微妙な額だよな。
ちょっと多めな気がするが、それは貯金の総額だし、今後頼られる分一気に来るようなン億円とは離れてるが、本業の収入よりはかなり多い。それだけななにとって重要な仕事をこなしたってことなんだろうが。
もっともお金という存在も、ななが直接かかわって生み出したものでも制度でもない。
だからそんな微調整もする必要がある、という解釈をしているのかもしれないな。
それにしても、年下呼ばわりされて怒る女性って、露骨じゃなければこの世にいるとは思えんのだが。
……あ、ななはこの世のもんじゃなかったっけ。
「魔法じゃねーよ」
聞き慣れないくと、これまで得た知識や聞き慣れた言葉、言い慣れた言葉を当てはめようとする傾向は少なからずある。
ななも同じだった。
神様だから何でも知ってるってわけではない。
神様が直接携わったことなら何でも知ってるようだが、全く拘わらないものには疎いのは、人間と同じようだ。
もっとも、知らないからと言ってそれを馬鹿にするようなことは言うつもりはないし、そんな態度をとるつもりもない。
「けど南、今、素魔法って」
「魔法に素も何もあったもんじゃねぇだろ。けど魔法って言葉は知ってるのな」
女子高生並みに若々しそうな、しかも綺麗な顔で、鼻穴広げてでかい鼻息飛ばすんじゃないっ。ドヤ顔すんじゃねーよ。
「魔法が自然の一部、という世界もいくつも作っているからね。知らないわけないでしょ?」
ごもっとも。
「で、魔法じゃないの?」
「スマホ。スマートフォンと呼ばれる持ち運びできる電話。電話ってのは遠くにいる人と会話するための機械」
「ふーん……。で?」
いや、で? じゃなくてだな。
ななにも持っててもらいたいから、わざわざ新規で買ってきたんだよ。
「忘れたんかよ。こないだ風邪ひきかけて、一日休んだろ?」
「軟弱ねぇ」
「生老病死という苦しみと、怨憎会苦、愛別離苦、求不得苦、五蘊盛苦の四つで計八種の苦しみってのがあってだな……」
……何で神様相手に仏教の話をせにゃならんのだ。
まるで本職に関する何かの検定を無理やり受けさせられてる気分だ。
「まぁ病気やケガ一つしない人間ってのもいないわけでな」
「まぁそうなんでしょうね。でなきゃ願掛けの中で疾病治癒なんて言葉も出てこないし」
分かってんじゃねーか!
「だからさ、何も連絡しないでここに来なかったってのは悪かったと思うよ? けどさ、朝目が覚めたら起きられなかったんだからよぉ……」
明日風邪ひくから休むね、なんて予告有り得ねぇだろうよ。
「別に文句言ってないわよ。それでこの機械とどう関係あるの?」
察しろよ。
「お互いに通話出来るから、ここに来れそうにないと分かったら事前に連絡できるだろ? そしたらななだってあんなに心配しなくてもいいわけだし」
「心配なんかしたっけ?」
こ、このっ……。
こういうのはなんて言うんだ?
ツンデレか? クーデレか?
いや違う。デレてはいないから……。
あぁ、単なる天然だ。
天然で自然現象狂わせんじゃねーよっ。
「あのなぁ……。いくら毎朝来る約束しててそれが来なくなったからってなあ、雲一つない天気で雷鳴連発させてんじゃねーよ! 何事かと思うわ!」
「あ、あぁ、あれね。だって来ないんだもん」
二回三回くらいじゃ気にしねぇよ。
二十回くらい鳴らしただろうが!
「だもん、じゃねーよ……。さびしんぼうの犬か、お前はっ」
ツッコミどころ満載の女神に創造された世界。
その世界の住民としちゃ、かなり不安で仕方がない。
「まぁそういうことで、こいつで連絡やり取り出来りゃ、ここから出てこなくても会話は出来るだろ? テレビ電話機能もついてるしよ」
「使い方覚えないとね……。説明とかないのかしら?」
説明しようとするたびに話脱線するんだもんなぁ。
それにしても、説明書なんてもんはなくなったよな。
アプリの機能の中に入ってんだもん。時代は変わったなぁ……。
あれ?
「ひょっとして……。まずいぞ、こりゃ」
「どうしたの? 持ってきた本人が不安になってたら世話ないわよ?」
ついてなきゃならないマークがない……。
通信のマークが……。
ひょっとしてななの家って……。
「ここ、圏外で使えねぇかもしれん……まさかの予想外」
「あらら……。でもわざわざ新品のを買ってきてくれたんでしょう? 私のために」
いや……他意はないよ?
それにこないだの白討討伐の報酬も大きかったし貯えも余裕出てきたし、これくらいの出費は痛くも何ともなくなった。
「いや、べつにななのためじゃねーよ。俺とななとの間の連絡が、俺の世界じゃ難しいからって理由だけだから。それに俺、年下は好みじゃねぇし」
「へえぇ……。確か南は二十九才だったわよねぇ。私いくつだと思ってんの? 私いくつの世界から女神扱いされてるか知ってる?」
何そのゴゴゴみたいな擬音が背後に浮かんでるのが似合う形相。怖いんですが?
つーか、そうだった。
数えきれないほどの年上でした。
とんでもないほどの年上でした。
……そう言えば、この女の子の姿も仮の姿っつってたよな。
本当の姿は、好奇心だけで見たいとは思っちゃならん姿らしい。
神様らしい威厳とかねーのかよ、とか思ったけど……。
て言うか、極端なんだよ、そういう姿!
「となると単なる記念品にしかならねぇな。ま、いっか。無駄な出費じゃねぇし、ここはそういうところだって分かった俺が払った授業料にすりゃ、な」
「でも、電波ってものが届けば使えるんでしょ?」
「電波だけじゃねぇ。充電も出来なきゃ使えねぇ」
ななのやつ、何か一生懸命考え込んでる。
記念品でもいいじゃねぇか。電気が使えなきゃ役に立たない道具なんだよ。
俺の世界にゃ、そんなもので満ち溢れてる。
「そうだ! 雷をこれにぶちまけたら充電できるじゃない!」
「やめてください。機械自体がそれに耐えられません。つーか、電気の通り道があればそれを伝って他の物を燃やしたり壊したりしてしまいます」
神様の考える基準と人間の考える基準ってかけ離れてるんだよな。
雨乞いなんかいい例だ。
前にも力説したが、それだけ印象に強かったし教訓にしてるし被害甚大だったし。
けど報酬の宝くじの賞金は微妙な額だよな。
ちょっと多めな気がするが、それは貯金の総額だし、今後頼られる分一気に来るようなン億円とは離れてるが、本業の収入よりはかなり多い。それだけななにとって重要な仕事をこなしたってことなんだろうが。
もっともお金という存在も、ななが直接かかわって生み出したものでも制度でもない。
だからそんな微調整もする必要がある、という解釈をしているのかもしれないな。
それにしても、年下呼ばわりされて怒る女性って、露骨じゃなければこの世にいるとは思えんのだが。
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