23 / 58
犬と戯れてみよう
しおりを挟む
ツラい、しんどい、
これ何だろうな。
マスクしてるからあの黒いモヤモヤを吸ってはいないはずなのに、色違いの大陸の箱庭になってから掃除が進まない。
まるで放置されたゴミ溜めの中を歩いている気分になる。
ミネラルウォーターを飲んではトイレで吐き、又ミネラルウォーターを飲む。
こんな絵面、視聴者も見たくないだろうに。
テレビの部屋に戻るとホッとする。
猫さんが心配そうに口だけ開けて鳴く。
あれって声が出てないけど、人間の聞こえない周波数で鳴いてるんだっけ?
ソファーにうつ伏せで倒れ込んだ俺の後頭部に肉球がフミフミと押し当てられるが、撫でるのはもう少し待って欲しい。
あぁ、もっとミネラルウォーターを飲まなきゃ……
いつの間にか寝ていた様で、目を覚ますと庭の窓から赤い陽射しが穏やかに部屋を照らしていた。
「やばっ、もう夕方かよ。掃除、30分ぐらいしかしてないのに」
俺は慌てて箱庭の部屋に戻ったが、箱庭の中身が変わっていた。
白い球に新しく貼り付いたものも無い。
まだ掃除が途中だった箱庭の中身は別の中身に変わっていた。
「俺が掃除を中断して眠ってしまったからか?」
新たな箱庭を見てみると、朝掃除していた箱庭より黒いモヤモヤの層が薄い様な気がする。
なるほど、まだ極厚の黒モヤには太刀打ち出来ないんだな、俺の掃除レベルは。
スタッフも視聴者もガッカリだろう。
いや、逆に「こいつ又振りだしに戻ってるぜ(笑)」みたいな感じかもしれない。
俺としては猫さんと戯れられるこの生活を逃したくない。
しかしこのまま約立たずで面白くないと判断されれば解雇されるかもしれない。
俺はあることを思い付き、取り敢えずキツさが軽めになった箱庭を掃除するのだった。
そして翌日、チャッチャと箱庭掃除を済ませ、俺は庭に出る準備をする。
きっと庭の状況も視聴者に配信されているはずだ。
当然俺がダンプカー犬をおざなりにして、猫さんばかり構っているのも見られているはず。
世の中には猫派と犬派が居るが、ほぼ互角だと言われている。
つまり、犬派にとって俺の行動は面白くないはずだ。
ならば点数稼ぎに犬と戯れてやろうじゃないか!
しかしそれには防具が必要だ。
俺は剣道の防具を注文した。
勿論剣道の経験は無い。
当然付け方が分からないので、ネットで付け方を検索し、やっとのことで身に着ける。
頭の部分だけでもフルフェイスのヘルメットにすれば良かったと後悔した。
これなら少々噛まれても……足ぃ!足が無防備じゃないか!!
足の防具で検索すると何か中世の騎士が着けてそうな銀色の重たそうな足用の防具があった。
試しに購入して着けてみる。
歩きにくっ!
いや、走ったりしたら追われるかもしれないからドッシリと構える為には良いかもしれない。
俺は上:剣道防具、下:中世騎士防具で庭にそっ~と出てみた。
バランスボールで遊んでいたダンプカー犬が二頭共に俺を見て首を捻っている。
構わず俺はダンプカー犬を迎え入れるように手を差し伸ばしてみた。
ダンプカー犬はゆっくりと近付き、徐々に尻尾を振り出した。
あ、ちょっと、君達、風が巻き起こってるから!
そういや名前は何て呼べばいいんだろうか。
ダンプカーじゃあまりにもネーミングセンスが無さ過ぎだろう。
それよりめっちゃ匂い嗅がれてるんだけど、そんなに俺臭い?
つーか、顔デカいよ。
でも以前より怖いと思わなかったのは、犬独特のあの鳴き声?
鼻で鳴くようなキュ~ンみたいな声を出して伏せをしてるから。
「ごめんな、今まで構ってやれなくて」
何故かそうダンプカー犬に言っていた。
因みに猫さんは俺の足元に居る。
大きくてもこんな感じだと可愛らしいな。防具とってみるかな?
俺はいそいそと剣道のお面から取ることにした。
やっぱ顔を先に見せて犬を安心させたい。
外した瞬間、ダンプカー犬二頭は驚いて目をシパシパと瞬きさせると一気に5m程距離を取って尻尾を股の中に入れてしまった。
「え?何で?」
めっちゃキュンキュン鳴いてる。何で怖がってるの?
俺の顔が怖いの??
酷いショックを受けているとフワフワとオーブが近付いて来たので視線をそっちに向けるが、オーブも弾かれた様に霧散した。
そうか、そんなに俺の顔は醜悪なのか。
今まで単なるモブ顔と思っていたのに、知らなかった個性を持っていたんだな………って、違ーーう!!
こんなんじゃ親睦測れんだろうが!
それより何か心が痛い。
俺は涙目で家の中に戻った。
これ何だろうな。
マスクしてるからあの黒いモヤモヤを吸ってはいないはずなのに、色違いの大陸の箱庭になってから掃除が進まない。
まるで放置されたゴミ溜めの中を歩いている気分になる。
ミネラルウォーターを飲んではトイレで吐き、又ミネラルウォーターを飲む。
こんな絵面、視聴者も見たくないだろうに。
テレビの部屋に戻るとホッとする。
猫さんが心配そうに口だけ開けて鳴く。
あれって声が出てないけど、人間の聞こえない周波数で鳴いてるんだっけ?
ソファーにうつ伏せで倒れ込んだ俺の後頭部に肉球がフミフミと押し当てられるが、撫でるのはもう少し待って欲しい。
あぁ、もっとミネラルウォーターを飲まなきゃ……
いつの間にか寝ていた様で、目を覚ますと庭の窓から赤い陽射しが穏やかに部屋を照らしていた。
「やばっ、もう夕方かよ。掃除、30分ぐらいしかしてないのに」
俺は慌てて箱庭の部屋に戻ったが、箱庭の中身が変わっていた。
白い球に新しく貼り付いたものも無い。
まだ掃除が途中だった箱庭の中身は別の中身に変わっていた。
「俺が掃除を中断して眠ってしまったからか?」
新たな箱庭を見てみると、朝掃除していた箱庭より黒いモヤモヤの層が薄い様な気がする。
なるほど、まだ極厚の黒モヤには太刀打ち出来ないんだな、俺の掃除レベルは。
スタッフも視聴者もガッカリだろう。
いや、逆に「こいつ又振りだしに戻ってるぜ(笑)」みたいな感じかもしれない。
俺としては猫さんと戯れられるこの生活を逃したくない。
しかしこのまま約立たずで面白くないと判断されれば解雇されるかもしれない。
俺はあることを思い付き、取り敢えずキツさが軽めになった箱庭を掃除するのだった。
そして翌日、チャッチャと箱庭掃除を済ませ、俺は庭に出る準備をする。
きっと庭の状況も視聴者に配信されているはずだ。
当然俺がダンプカー犬をおざなりにして、猫さんばかり構っているのも見られているはず。
世の中には猫派と犬派が居るが、ほぼ互角だと言われている。
つまり、犬派にとって俺の行動は面白くないはずだ。
ならば点数稼ぎに犬と戯れてやろうじゃないか!
しかしそれには防具が必要だ。
俺は剣道の防具を注文した。
勿論剣道の経験は無い。
当然付け方が分からないので、ネットで付け方を検索し、やっとのことで身に着ける。
頭の部分だけでもフルフェイスのヘルメットにすれば良かったと後悔した。
これなら少々噛まれても……足ぃ!足が無防備じゃないか!!
足の防具で検索すると何か中世の騎士が着けてそうな銀色の重たそうな足用の防具があった。
試しに購入して着けてみる。
歩きにくっ!
いや、走ったりしたら追われるかもしれないからドッシリと構える為には良いかもしれない。
俺は上:剣道防具、下:中世騎士防具で庭にそっ~と出てみた。
バランスボールで遊んでいたダンプカー犬が二頭共に俺を見て首を捻っている。
構わず俺はダンプカー犬を迎え入れるように手を差し伸ばしてみた。
ダンプカー犬はゆっくりと近付き、徐々に尻尾を振り出した。
あ、ちょっと、君達、風が巻き起こってるから!
そういや名前は何て呼べばいいんだろうか。
ダンプカーじゃあまりにもネーミングセンスが無さ過ぎだろう。
それよりめっちゃ匂い嗅がれてるんだけど、そんなに俺臭い?
つーか、顔デカいよ。
でも以前より怖いと思わなかったのは、犬独特のあの鳴き声?
鼻で鳴くようなキュ~ンみたいな声を出して伏せをしてるから。
「ごめんな、今まで構ってやれなくて」
何故かそうダンプカー犬に言っていた。
因みに猫さんは俺の足元に居る。
大きくてもこんな感じだと可愛らしいな。防具とってみるかな?
俺はいそいそと剣道のお面から取ることにした。
やっぱ顔を先に見せて犬を安心させたい。
外した瞬間、ダンプカー犬二頭は驚いて目をシパシパと瞬きさせると一気に5m程距離を取って尻尾を股の中に入れてしまった。
「え?何で?」
めっちゃキュンキュン鳴いてる。何で怖がってるの?
俺の顔が怖いの??
酷いショックを受けているとフワフワとオーブが近付いて来たので視線をそっちに向けるが、オーブも弾かれた様に霧散した。
そうか、そんなに俺の顔は醜悪なのか。
今まで単なるモブ顔と思っていたのに、知らなかった個性を持っていたんだな………って、違ーーう!!
こんなんじゃ親睦測れんだろうが!
それより何か心が痛い。
俺は涙目で家の中に戻った。
0
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた
ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。
今の所、170話近くあります。
(修正していないものは1600です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる