拉致られて箱庭掃除をやらされてます。~きっと犯人は闇の組織に違いない

那珂川

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構って欲しいの

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「俺達はなんて事をしてしまったんだ」

「私達は何て失礼なことを……」

 悄気返る二頭のフェンリル。

「「「神さんに嫌われてもーた!!」」」

「「「どないしよー!!」」」

 と、叫びながら地面や竹林の竹に激突する精霊達。

 そんな様子を見て闇の精霊王と火の精霊王、そしてひょっこり現れた光龍は頭を抱えていた。

「まさか、神さんのご尊顔がそんなに尊過ぎたとは、予想してへんかったな」

「そやな、フェンリルはん達が恐れるぐらいやから、ワテ等やったら地面に這いつくばって涙ながらに拝んでしまうかもしれへんな」

「ワシなんか鱗が全部吹っ飛んでしまうかもしれん」

「「ないない」」

 光龍の言葉に闇と火の精霊王がツッコミを入れる。

 ガックリと項垂れている面々の元に灰銀の猫が二足歩行で現れる。

「安心して、浄化がある程度済んだら君達にも彼の顔が見れるようになるから」

「それは本当ですか?」

「ほんまですの?」

 フェンリルの一頭と火の精霊王が灰銀猫のローマンザックの言葉に質問で返す。

「うん、ちょっと説明しようか?彼の為に現れたあの家は彼にこの世界の管理者としての試練を与えている最中だ。
 勿論それを家に頼んだのは私だけど、方法は家が独断で選んでいる。その試練のやり方を確認してみたけど、彼が居た世界をモチーフに考えてるみたいで、私に出来ることは私の神力を入れた神水を浄化の手助けに与えることだけなんだよ。
 その神水を今は摂り過ぎてると言うか、過剰に摂らざるを得ない状態にあるんだ。
 それに私の神力と彼の神としての素質を持った身体がまだ上手く馴染んで無くてね。彼の魂の純潔な輝きが身体を守ってる感じと言えばいいのかな?
 彼自身が安定して、酷い瘴気も軽く浄化出来るようになれば、彼自身の神力を調整出来るようになる。そうしたら魂の輝きも内側に入るから眩しいってことは無くなると思うよ」

 穏やかに話すローマンザックに冷たい視線が刺さる。

「え?何?」

「ローマンザック様、お聞きしたいことがあります」

「うん、何?」

「ご主人様に会話が通じないのですが、何故ですか?」

 フェンリル二頭、低級、中級精霊がジト目でローマンザックを見ている。

「ん?何のこと?私、知らないけど?」

 ローマンザックは猫の姿なのに冷や汗を掻きながら視線をそっと横にズラす。

「やれやれ、ローマンザック様、主のことが好きなのは良~~~~~~く分かりましたわい。しかしワシらも主の存在は自身よりも大事なのですじゃ。ワシらだけ何も無いとなると寂しさで死んでしまうかも「いんや死なへんし」しれませんじゃろ?」

 闇の精霊王のツッコミに光龍が睨みつける。

「フェンリルはボール貰ってたよね?」

 ローマンザックが会心の一撃を放つ。

 精霊王と光龍がフェンリルにギッと鋭い視線を向けた。

「ボールだけ!一緒に遊んで貰ったことないからな!」

「そうですよ!私達だけで遊んでただけです!」

「でも神さんから直に貰ったんやろ?」

 不穏な空気が纏う庭には既にローマンザックの姿は消えている。

「こりゃいかんの。他の龍達に連絡じゃわい!」

「「ウチ(ワテ)等も神さんに構って貰えるように会議せな!」」

 精霊王達の姿が消え、光龍も浮島から飛び去って行った。

 庭には焦っているフェンリル二頭とフワフワと漂っている精霊達だけが残った。



 ローマンザックは一旦自分の世界に戻り、頭だけ猫、身体は人間という姿に戻った。

「やぁ、変わりは無いかい?」

 眷属であるケット・シー達に声を掛ける。

 ローマンザックの世界は非常に安定している為、管理者である創造神のローマンザックが別の世界に遊びに行っても乱れることは無い。
 任されるケット・シー達の疲労は少し増えるが。

 そのケット・シーの中でもローマンザックの秘書的存在がミャウミャウである。雄だ。

「ご主人様、ちょっと23番に行き過ぎじゃないですか?」

 眼鏡をクイっとあげながらミャウミャウは苦言を漏らす。

「ええ~!?そんなに行ってるかなぁ?」

「無自覚か!」

「いや自覚はあるけど、止められない。彼にベッタリ出来るのもそう長くないし」

「浄化が終わっても普通に遊びに行けばいいじゃないですか。それにまだ23番の新神の言語を阻害してるでしょ?あれ、地球の担当者にバレたら正座一ヶ月はさせられますよ?」

「だって23番の眷属達と話出来たら、私が別の世界の神だってことがバレるじゃないか!そしたら撫でて貰えなくなるだろ?」

「クッ、この駄神め!我々だって主人である貴方から撫でられたいんです!」

 そうだそうだと周りのケット・シーも声を出す。

「あぁ、ごめんよぉ~」

 ローマンザックはミャウミャウを抱っこして撫で始め、その後順番にケット・シー達を撫でていった。
 その日はゴロゴロと喉の鳴る音が管理室に響いていた。


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