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本編
懐かしい思い出
しおりを挟む「ただいまアサヒ」
「おかえりなさい」
仕事から帰ってきたレオンさんをお出迎えするとすかさず僕を抱きしめてくれる。
「はぁ…今日も一日長かった」
「ふふ、お疲れ様です」
むぎゅむぎゅと僕の存在を確かめるように抱きしめられ顔がレオンさんの胸元に押し付けられる。
ふわっと香るムスクの匂いに嬉しくなりレオンさんの大きな背中に腕を回し僕も力いっぱい抱きしめた。
するとぐぅ~と僕のお腹の音がなった。
「アサヒ、まだ食べてなかったのか?」
「レオンさんと一緒に食べたくて…」
お腹の音を聞かれて少し照れながら答えるとレオンさんは嬉しそうに笑い僕のおでこにキスを落とす。
「こんな時間まで待っててくれたのか、ありがとう。一緒に食べよう」
「はい」
そうして僕たちは一緒に夕飯を食べた。今日あった出来事や勉強の進捗などお互いに報告し合い楽しい夕飯の時間を過ごした。
食休みをした後は一緒にお風呂に入ってイチャイチャする。
「ここ最近、1人にしてすまない。あと数日もしたら仕事も片付く、久しぶりに泊まりで出かけよう」
「ホントですか!嬉しい、楽しみにしてますね」
「アサヒはどこか行きたい場所なんかあるか?」
湯船で僕を後ろから抱きしめるように抱き寄せ、楽しそうに僕の髪の毛の先をくるくる弄るレオンさん。
「うーん…特にないんですけど、レオンさんと一緒にゆっくりできる場所がいいです」
「ゆっくりか…なら温泉はどうだ?ダルイズの領地は温泉が有名だ。そこなら安心だし、そう遠くもない。ゆっくりもできるだろう」
「温泉!こっちにも温泉あるんですか!僕温泉好きだったんです、ぜひ行きたいです!」
まさかこっちの世界にも温泉があるなんて思いもしなかった。日本では施設長と一緒に銭湯に行ってた事を思い出した。
懐かしいなぁ…施設長や皆は元気かな…
少し日本で過ごした日々を思い出して寂しい気持ちになった。そんな僕の僅かな変化にも敏感に察知したレオンさんが優しく僕を抱きしめた。
「どうしたアサヒ…のぼせたか?」
「少し…向こうの世界の事を思い出してしまって…」
「そうか…」
何も言わずに僕を受け止めてくれるレオンさん。それが僕の寂しくなった気持ちをどんどん浄化していく。
ああ、この人と出会えて本当に良かった。
「でも大丈夫です。僕にはレオンさんがいますから。それに施設長はしっかりした人です。僕がいなくても向こう世界で元気に暮らしていると思います」
「そうだな」
優しく微笑んだレオンさんによしよしと頭を撫でられ冷めた心がポカポカしてきた。
「少し顔が火照ってきたな…そろそろ出るか」
長湯し過ぎて軽くのぼせた僕をレオンさんは軽々抱き上げふわっふわなバスタオルで全身くまなく拭いてくれた。
最初は自分でできると言って抵抗していたが「俺がやる」と言われるので最近はされるがままになっていたら、いつの間にか着替えもされるようになっていた。
僕レオンさん無しじゃ何も出来なくなりそう…
なんて考えながら、甘やかされ過ぎて少し危機感を感じた始めた今日この頃であった。
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