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下校時間になり、校内は開放感に溢れた生徒たちで賑わっていた。
週末ということもあり、休みの予定を話している声もちらほら聞こえてくる。
実は僕もこの土日の休みがとても楽しみだった。
祖母と桜を見に行こうと計画していたのである。
僕は5歳の時に、両親を亡くしてからずっと祖父母に育ててもらっていた。
祖父は去年癌で亡くなってしまい、今では身内は祖母のみとなった。
僕も祖母も人付き合いが苦手で友達がいないので、休みの日は二人でいつも出かけている。
そして、今回は桜を見に行こうということになった。
僕の頭の中はその事でいっぱいだった。
想像は膨らむ一方で、それに比例して楽しみという気持ちもどんどん膨らむ。
気づいたときにはもう家の前まで来ていた。
想像の世界に浸っていたのでどうやって帰ってきたかも覚えてないくらいにわくわくしていた。
人間って無意識でも帰ってこれるんだな、なんて考えながら玄関を開け、靴箱の上に鍵を置き、そして靴を脱いでまずは自分の部屋へと向かった。
明日の準備に取りかかった。
カメラの充電、お守りのように持ち歩く本、財布等をお出かけ用の鞄に詰め込んだ。
これで用意は完璧。
あとは祖母と明日の予定を細かく話し合うためリビングへと向かった。
しかし、祖母はいなかった。
買い物にでも出かけたんだろう、帰ってきてから早速話し合おう。
僕は、この時まで本当に楽しみで仕方がなかった。
小学生の時、遠足の前日にそわそわして落ち着かなかったあの感覚と同じだ。
ふと、もう中学生なのにこんなにはしゃいで恥ずかしいなとも思った。
とりあえず、落ち着くために風呂でも入るか。
脱衣所に行くと、祖母の脱いだ服が置いてあった。
なんだ、でかけてたんじゃなくてお風呂だったのか。
僕は扉越しに声をかけた。
「おばあちゃん、ただいま。」
しかし、返事はなかった。
祖母は普段から耳が遠いので聞こえてないのだろうと思い、もう一度、ただいまと声をかけたが返事はなかった。
この時少し、胸騒ぎがした。
恐る恐る浴室の扉を開くと、そこには祖母が倒れていた。
週末ということもあり、休みの予定を話している声もちらほら聞こえてくる。
実は僕もこの土日の休みがとても楽しみだった。
祖母と桜を見に行こうと計画していたのである。
僕は5歳の時に、両親を亡くしてからずっと祖父母に育ててもらっていた。
祖父は去年癌で亡くなってしまい、今では身内は祖母のみとなった。
僕も祖母も人付き合いが苦手で友達がいないので、休みの日は二人でいつも出かけている。
そして、今回は桜を見に行こうということになった。
僕の頭の中はその事でいっぱいだった。
想像は膨らむ一方で、それに比例して楽しみという気持ちもどんどん膨らむ。
気づいたときにはもう家の前まで来ていた。
想像の世界に浸っていたのでどうやって帰ってきたかも覚えてないくらいにわくわくしていた。
人間って無意識でも帰ってこれるんだな、なんて考えながら玄関を開け、靴箱の上に鍵を置き、そして靴を脱いでまずは自分の部屋へと向かった。
明日の準備に取りかかった。
カメラの充電、お守りのように持ち歩く本、財布等をお出かけ用の鞄に詰め込んだ。
これで用意は完璧。
あとは祖母と明日の予定を細かく話し合うためリビングへと向かった。
しかし、祖母はいなかった。
買い物にでも出かけたんだろう、帰ってきてから早速話し合おう。
僕は、この時まで本当に楽しみで仕方がなかった。
小学生の時、遠足の前日にそわそわして落ち着かなかったあの感覚と同じだ。
ふと、もう中学生なのにこんなにはしゃいで恥ずかしいなとも思った。
とりあえず、落ち着くために風呂でも入るか。
脱衣所に行くと、祖母の脱いだ服が置いてあった。
なんだ、でかけてたんじゃなくてお風呂だったのか。
僕は扉越しに声をかけた。
「おばあちゃん、ただいま。」
しかし、返事はなかった。
祖母は普段から耳が遠いので聞こえてないのだろうと思い、もう一度、ただいまと声をかけたが返事はなかった。
この時少し、胸騒ぎがした。
恐る恐る浴室の扉を開くと、そこには祖母が倒れていた。
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